今5月『朝日』掲載の抹茶関連記事2本 2026年5月14日『朝日・朝刊』 抹茶原料 沸いて最高値 初市 前年の1.7倍「取り合い状態」
日本の抹茶が世界的なブームの中にある。とりわけ人気の最先端とされるのが米ニューヨークだ。あちこちで「Matcha」と書かれた看板が目につき、複数の店舗を持つ人気チェ^―ンもある。空前のブームはどこへ向かうのか。
街中心部のマンハッタンを歩くと、鮮やかな緑色の飲み物を手にした人たちと頻繁にすれ違う。水や湯で溶いたシンプルなメニューもあるが、人気なのはミルクと混ぜた抹茶ラテ。ココナツ抹茶やラベンダー抹茶、パッションフルール抹茶など意外な組み合わせも。1杯の値段は6~10ドル(約940~1570円)ほどだ。
人気の店の一つが昨年3月にオープンした「12(トゥエブル)Matcha」だ。休日は店の前に数十人の行列ができる。オーナーのアラン・ジャンさん(26)は現役の大学生。子どもの頃に旅行先の日本で食べた抹茶パフェに魅せられた。使用する抹茶は、約170年前に創業した京都・宇治の老舗「堀田勝太郎商店」からの直送。ジャンさんは「この町は誰もが忙しいので、抹茶で心を落ち着かせる時間を求めている」と話す。
ブルックリンにる「Kettl(ケトル)」でも本格的な抹茶のラテが楽しめる。経営者のザック・マンガンさん(41)は「2024年の夏ごろから緑色の美しさがTikTokなどで人気を集めた」と振り返る。「本当の味や香りを求めて伝統的な飲み方を楽しむ人も増えている」という。
「抹茶にはワインのように飲み方や生産地の幅がある。楽しむ人は増えていくはずだ」
店で使うのは文久元年(1861年)創業の宇治の老舗「山政小山園」のもの。取締役の小山雅由さん(45)は「一番盛り上がっているのはニューヨークを中心とした北米。ただ、ブームは始まったばかりでしょうと語る。
コーヒー感覚 いつか
需要の急増は品不足と価格高騰を招いている。品質の良くない抹茶が売られたり、単価の安い中国産が出回ったりしている。「急激すぎて市場はパニック状態」という。
それでも人気の高まりには希望を感じている。「おいしい、もっと飲みたい。そう思ってもらえるのは、生産者として本当にうれしいことです」
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