マナー関連近刊より抜粋編(3)
今回は、今年の2月Gakken刊の櫻井弘著『上手な話し方の基本とコツ』の引用です。「挨拶と効用」「効果を発揮する相槌」のいずれもが5種類にわかりやすくまとめられています。それにも増して、是非とも記憶に留めてもらいたいのが最初に登場する「頭心(ズシン)」と響くのが上手な話し方」。電話にも共通する人間の本質と思います。
「頭心(ズシン)」と響くのが上手な話し方」
人がその気になり、行動するのは、相手の話を聞き、その内容が「頭」で理解でき、さらに「心」でも感情的に納得できた時では…。人間は感情の動物でもあり、いくら「頭」で論理的に理解しても、気持ち面で腑に落ちなければ、決してYESとは言いません。相手の「頭」と「心」の両方に働きかけ、「頭心(ズシン)」と響くのが上手な話し方なのです。
5種類の挨拶と効用
①存在を知らせるあいさつ:「おはようございます」「こんにちは」→相手に自分が来たことを、そこにいることを知らせる
②慰労のあいさつ「お仕事お疲れ様です」「遅くまで大変ですね」→相手の苦労を認め、それを慰めて気分をよくさせる
③関係を維持するあいさつ「久しぶりですね」「お変わりありませんか」→「あなたのことを忘れていない」ということを相手にアピールする
④サービス精神のあいさつ「そのネクタイお似合いですね」「ますますきれいになりましたね」→相手を褒めることによって自分の印象をよくする
⑤確認のあいさつ「昨晩はありがとうございました」「この前は楽しかったですね」→過去の出来事を未来に、昨日の出来事を今日につなげる
5種類の効果を発揮する相槌
① 同意の相槌:「そうですね」「ごもっとも」・・・同意されれば、話し相手は安心して話せる。逆に、否定されると話す意欲が減退する。
② 共感の相槌:「なるほど」「大変ですね」「心配だね」・・・話し相手の立場や気持ちになった相槌は「もっと話したい」という気持ちを話し相手に抱かせる。
③ 促進の相槌:「それから?」「すごいですね」「どうなった?」・・・話し相手の中には「口の重たい人」もいる。相手が話したくなるように相槌と言葉で後押しして、支援する。
④ 整理の相槌:「要するに」「一言でいうと」「ポイントは~」・・・区切りの良いところで話を整理してあげることで、話の軌道修正や整理、確認ができる。
⑤ 転換の相槌:「ところで」「そういえば」「~はいかが?」・・・同じことを繰り返して話す人に対して効果的。聞き手の聞きたい方向へ話を運ぶことができる。
「マナー研修」といっても、大学生の就活対策と企業でのビジネスマン向けでは内容が大変異なります。コール(コンタクト・カスタマ)センターで、BtoCのクレーム対応や、BtoB(法人対象の受電)を専門に担当するケースは、やはり難易度が高いですね。今回は、そうした観点から、ビジネスマン向けの著書をあえて取り上げてみました。
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