クレーム関連近刊より抜粋編(1)
最近出版された本に『飲食店のクレーム&トラブル接客対応術』があります。コール(コンタクト・カスタマー)センターとは異なる領域のクレーム対応を扱っておりますが、その中に電話に関する記述が5ヶ所ありました。このブログにこれまで書いてきたことと少し視点は異なりますが、勉強にはなると思います。
クレームは、場所を選ばず起こることを知る
クレームやトラブルは、店内だけで起きるとは限りません。楽しそうに食事をして帰られたお客が、あとで「料理が出るのが遅かった」と、電話やメールをしてくることもあります。特に電話だと、いきなり怒鳴りちらす人もいます。直接だと面と向かってきついことは言いにくいものですが、電話だと相手の顔が見えない分、またお店で言えなかった分だけ、容赦なく文句を言う人が多いのです。
クレームは場所を選ばず、いきなり発生する
興奮しているお客からは、クレームの原因をなかなか聞き出せません。クレーム電話は営業時間外に来ることが多いため、受ける側も、〝接客モード〟になっていない場合があり、焦って的確な受け答えができないこともあります。お客は、店にいるときだけが「お客様」なのではなく、電話するときも、メールでクレームするときもお客様として振る舞います。対応者がそのことを理解していないと、お客の怒りはさらに悪化します。だから、「クレームは場所を選ばず、いきなり発生するもの」ということを、普段から知っておくことが大事なのです。
ドタキャンを軽く考えるお客に予防線を
お客「もしもし、予約したんだけど、インフルエンザにかかっちゃって。キャンセルしてくれる」
店員「今日ですか。恐れ入りますが、当日のお取消しの場合は・・・」
こうした場合でキャンセル料を請求したい場合は、その場ではお客の要望に応じないのが基本です。「後ほど担当からご連絡させていただきます」と伝え、後で担当者が、すでに料理を準備してしまった旨などの詳細を説明したほうが、店のペースで交渉が運びやすくなるからです。
予約を電話で受けた際は「○名様でコースのご注文ですね。料理の準備もございますので、前日に確認のお電話をさせていただきます。よろしくお願いいたします」
さらには、キャンセルの電話を受けた際も「ご予約いただいた○○様ですね、はい。○名様で料理のご用意、できております」と、〝予約を確かに受けている〟ことを確認するように話すことが大切です。店が責任をもって予約を受けたことをお客に伝えられますし、キャンセルすることの重大さを実感してもらうことにもなります。キャンセル料の交渉もしやすくなるでしょう。
今回は電話シーンだけを取り上げていますが、飲食店特有というより、センター業務にも通じると感じました。「ドタキャンを軽く考えるお客に予防線を」の
キャンセル電話に対し、重みを持たせるために“一呼吸置く”や、責任感を醸成するための“状況説明”は、予約受付時の“重みづけ”同様、大変参考になります。
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