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2009年9月

2009年9月26日 (土)

クレーム関連近刊より抜粋編(3)

このところ各地で食中毒騒ぎが起きています。日頃よく利用していたり、街中で見かけるお店が登場すると、一挙に他人事ではなくなります。もし、自分がお店の従業員だったら、電話による“クレーム”にきちんと対応できるだろうか。そんな時流に乗ったテーマを『飲食店のクレーム&トラブル接客対応術』から取り上げます。

「お宅の料理で、子供が下痢をした」
以下は、仕込中の電話のため従業員が出たケース。
お客「ちょっと、昨日お宅で料理を食べた後、子供が下痢をしたんですよ、どうしてくれるんですか!」
従業員「それは・・・」
お客「きっとあのハンバーグが原因だわ」
従業員「・・・」

子供が下痢をしたという怒りと不安が募って、親から電話がかかってきました。
この場合、難しいのはお客が店の食中毒を疑っていること、そして電話対応であることです。急な電話でお客の怒りに触れると、適切な対応ができなくなることがあります。
お客も冷静さを失って、状況説明がうまくできない場合が多いのです。さらに携帯電話が普及した今日は、電波状況が悪くて聞きとりづらい場合が多々あります。これがお客をイライラさせることになりかねません。

【従業員対応例1】
店員「大丈夫でございますか?病院にはいかれましたか?」
お客「大丈夫じゃないから、電話してるんじゃないの。どうしてくれるのよ」
店員「私、フロア係の中村と申します。少し事情をお尋ねしてよろしいでしょうか?」
お客「事情?とにかく子供が大変なの」
店員「お母様でいらっしゃいますでしょうか?」
お客「そうですけど・・・」
店員「ご心配のところ恐縮ですが、昨日、お召し上がりになった料理名とお食事の時間を教えていただければ、状況を精査いたしますので。レシートはお持ちですか?」
お客「食事はハンバーグ定食。時間は夜7時半よ。レシートは捨てちゃったわ」
店員「ハンバーグ定食で、昨夜7時半にお召し上がりですね。ありがとうございます」

先ずは、下痢になったという子供客への安否、そしていたわりの言葉をかけましょう。冷静さを失っているお客は、それでも文句を言い続けるかもしれませんが、傾聴の態度によって、お客の感情をなだめることが大切です。
早口で聞き取りにくい場合は、相手の言葉を復唱し、さらにメモを取ります。

「本当にうちの料理を食べたんですか?」など、お客を疑う言葉は慎まなければなりません。「当店の料理以外に食べたものはございますか?」と丁寧に尋ねたところで、お客の怒りが収まらないうちは、冷静な返事は期待できません。ある程度冷静さを取り戻したら、事実関係を確認しましょう。

まずは、自分の名前を名乗り、権限の有無を伝えることです。自分がそのまま対応する場合は会話を続け、権限がない場合は、お客の申し出を責任者に報告する旨伝えます。
次に、客観的な情報収集に努めること。メニュー名、食事時間、他に子供が食べたもの、そしてお客の氏名と連絡先(電話番号)を聞いておくこと。意外と忘れがちなのが、電話をかけてきた人と食中毒の被害者の関係の確認。この場合、「お母様ですか」というくだりで確認しています。

以上、ここまでは最初に電話を受けた人が最低限、聞き取っておきたいことです。さらに、被害者の年齢、性別、体調、医療機関へ行ったかどうか、一緒に食事したほかのメンバーの体調、さらにできれば排泄物や吐瀉物の保存の依頼までするとよいでしょう。

電話後は、すぐ店の責任者に報告。責任者へしっかりバトンタッチし、再度電話する際、お客に同じことを繰り返し聞かないようにします。一方で、他に同じハンバーグを食べたお客から同様のクレームが来ているかどうかの確認、冷蔵庫に残っている食材の精査などを進めます。

■上記は食品を扱う職場では、いつ遭遇してもおかしくない事例ですが、とっさの場合、怒りを鎮めながら、落ち着いて必要事項の確認ができるでしょうか。とても難題ですが、このような場合、受電者がもっとも心掛けなければいけないのは文中にもある通り“傾聴の姿勢”です。次回は別の【対応例】を2つ紹介します。

2017年11月9日(木) 土下座事件に代表される増殖するクレーマーにも決して負けない!『優良顧客へ導くクレーム対応力アップの実践』~クレームを言う心理とタイプ別対応法~ (株式会社アークブレイン様主催公開セミナー) 

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2009年9月19日 (土)

クレーム関連近刊より抜粋編(2)

今回も引き続き『飲食店のクレーム&トラブル接客対応術』の電話応対シーンから二つ取り上げます。飲食店事例は、自分にも心当たりがあったり、十分起こりうるシチュエーションですので、双方の心理がわかりやすいですね。電話応対には格好の教材といえるでしょう。長文ですので、要点のみの紹介となります。

「クレーマーと思われたくない」
謙虚さの中に隠れる本音を汲んでこそ――の副題がついて、以下に続きます。
お客「あの、さっきヒレカツ弁当買ったんですけど、家で開けてみたらエビフライ弁当が入っていて・・・」
店員「え、それは…申し訳ございません」
お客「いえ、確認すればよかったんだけど・・・」
店員「大変失礼ですが、その時のレシートはお持ちですか?」
お客「捨てちゃったかも…7時くらいに買ったんですけど、これじゃ分かりませんよね…やっぱりいいです」

店側としては、「そんなに怒っていないようだし、謝るだけでいいか?」と、軽く流すこともできます。しかし、それではお客の嫌な気持ちは残ったまま。店側のミスかもしれないのに、放置したままになります。何とかお客の不満を満足に変えたいところです。

【対応例】
店員「わざわざお電話いただき、ありがとうございます。お客様、もし5分ほどお時間いただけるなら、店の伝票と、その時間に対応したスタッフに確認します。恐れ入りますがお名前とご連絡先を・・・」
店としての対応は様々だと思いますが、まずは、わざわざ確認の電話をくれたことに感謝と共感を示しましょう。「店のミスかもしれないことを、わざわざ知らせてくれる」ことに感謝を示すことで、お客のもやもやした気持ちを汲むことができるはずです。

「忘れ物?ありませんよ!」
(〝NO〟の答えが速すぎると誠意を疑われる)
お客「さっき宴会していたものですが、帽子がなくて、忘れものにありませんか?」
店員「さあ…ないと思いますけど」
お客「えっ・・・?お宅に間違いないと思うんだけど」
店員「報告がきてないので…すみません、また後でいいですか」
お客「むっ!なんだその言い方、大事な帽子なんだぞ。お前のところにあったらどうするつもりだ!」

クレーム対応では、クレームが起きたその場で問題を解決することが、お客にとっても店の運営にとってもベストです。しかし一般的に、忘れものの問い合わせなどは、「ある」場合も、「ない」場合も、即答を避けるのがベターです。

【対応例】
店員「そうですか。すみません。どのような帽子でしょうか?」
お客「黒色の、テンガロンハットだけどね。ほら、カウボーイがかぶっているやつさ」
店員「あ、あの形ですね。え~っと・・・そうですね、すみません。今のところ届出はないのですが。私、副支店長の○○と申します。詳細は今わかりかねますが、閉店時にもう一度探すことにしますので、明日もう一度お電話いただけますでしょうか?」
お客「うん、わかった。お昼ごろかけていい?」
店員「はい。ほかのスタッフが電話に出てもわかるようにしておきます」

店側がお客に「誠意」を示すためには、お客のいうことをよく聞くことです。問い合わせがあった帽子の色や形、置き忘れたと思われる場所など、その帽子を特定するために必要な情報を聞き出します。
また、会話に「え~っと(忘れものリストを探す様子)」などの間を入れたり、「これから努力して探す(見つかるかもしれない)という希望を込めたニュアンスを出すと、お客に共感の気持ちを伝えることができるでしょう。

長い引用でしたが、いかがでしたか。「忘れ物?ありませんよ!」に、「え~っと…」の表現がありますね。飲食店の店員さん(副店長は?)の対応であれば許容範囲でしょうが、コール(コンタクト・カスタマ―)センターでは適切とはいえませんので念のため。

2017年11月9日(木) 土下座事件に代表される増殖するクレーマーにも決して負けない!『優良顧客へ導くクレーム対応力アップの実践』~クレームを言う心理とタイプ別対応法~ (株式会社アークブレイン様主催公開セミナー) 

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2009年9月12日 (土)

クレーム関連近刊より抜粋編(1)

最近出版された本に『飲食店のクレーム&トラブル接客対応術』があります。コール(コンタクト・カスタマー)センターとは異なる領域のクレーム対応を扱っておりますが、その中に電話に関する記述が5ヶ所ありました。このブログにこれまで書いてきたことと少し視点は異なりますが、勉強にはなると思います。

クレームは、場所を選ばず起こることを知る
クレームやトラブルは、店内だけで起きるとは限りません。楽しそうに食事をして帰られたお客が、あとで「料理が出るのが遅かった」と、電話やメールをしてくることもあります。特に電話だと、いきなり怒鳴りちらす人もいます。直接だと面と向かってきついことは言いにくいものですが、電話だと相手の顔が見えない分、またお店で言えなかった分だけ、容赦なく文句を言う人が多いのです。

クレームは場所を選ばず、いきなり発生する
興奮しているお客からは、クレームの原因をなかなか聞き出せません。クレーム電話は営業時間外に来ることが多いため、受ける側も、〝接客モード〟になっていない場合があり、焦って的確な受け答えができないこともあります。お客は、店にいるときだけが「お客様」なのではなく、電話するときも、メールでクレームするときもお客様のとして振る舞います。対応者がそのことを理解していないと、お客の怒りはさらに悪化します。だから、「クレームは場所を選ばず、いきなり発生するもの」ということを、普段から知っておくことが大事なのです。

ドタキャンを軽く考えるお客に予防線を
お客「もしもし、予約したんだけど、インフルエンザにかかっちゃって。キャンセルしてくれる」
店員「今日ですか。恐れ入りますが、当日のお取消しの場合は・・・」
こうした場合でキャンセル料を請求したい場合は、その場ではお客の要望に応じないのが基本です。「後ほど担当からご連絡させていただきます」と伝え、後で担当者が、すでに料理を準備してしまった旨などの詳細を説明したほうが、店のペースで交渉が運びやすくなるからです。
予約を電話で受けた際は「○名様でコースのご注文ですね。料理の準備もございますので、前日に確認のお電話をさせていただきます。よろしくお願いいたします」
さらには、キャンセルの電話を受けた際も「ご予約いただいた○○様ですね、はい。○名様で料理のご用意、できております」と、〝予約を確かに受けている〟ことを確認するように話すことが大切です。店が責任をもって予約を受けたことをお客に伝えられますし、キャンセルすることの重大さを実感してもらうことにもなります。キャンセル料の交渉もしやすくなるでしょう。

今回は電話シーンだけを取り上げていますが、飲食店特有というより、センター業務にも通じると感じました。「ドタキャンを軽く考えるお客に予防線を」の
キャンセル電話に対し、重みを持たせるために“一呼吸置く”や、責任感を醸成するための“状況説明”は、予約受付時の“重みづけ”同様、大変参考になります。

2017年11月9日(木) 土下座事件に代表される増殖するクレーマーにも決して負けない!『優良顧客へ導くクレーム対応力アップの実践』~クレームを言う心理とタイプ別対応法~ (株式会社アークブレイン様主催公開セミナー) 

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2009年9月 5日 (土)

マナー関連近刊より抜粋編(3)

今回は、今年の2月Gakken刊の櫻井弘著『上手な話し方の基本とコツ』の引用です。「挨拶と効用」「効果を発揮する相槌」のいずれもが5種類にわかりやすくまとめられています。それにも増して、是非とも記憶に留めてもらいたいのが最初に登場する「頭心(ズシン)」と響くのが上手な話し方」。電話にも共通する人間の本質と思います。

「頭心(ズシン)」と響くのが上手な話し方」
人がその気になり、行動するのは、相手の話を聞き、その内容が「頭」で理解でき、さらに「心」でも感情的に納得できた時では…。人間は感情の動物でもあり、いくら「頭」で論理的に理解しても、気持ち面で腑に落ちなければ、決してYESとは言いません。相手の「頭」と「心」の両方に働きかけ、「頭心(ズシン)」と響くのが上手な話し方なのです。 

5種類の挨拶と効用
①存在を知らせるあいさつ:「おはようございます」「こんにちは」→相手に自分が来たことを、そこにいることを知らせる
②慰労のあいさつ「お仕事お疲れ様です」「遅くまで大変ですね」→相手の苦労を認め、それを慰めて気分をよくさせる
③関係を維持するあいさつ「久しぶりですね」「お変わりありませんか」→「あなたのことを忘れていない」ということを相手にアピールする
④サービス精神のあいさつ「そのネクタイお似合いですね」「ますますきれいになりましたね」→相手を褒めることによって自分の印象をよくする
⑤確認のあいさつ「昨晩はありがとうございました」「この前は楽しかったですね」→過去の出来事を未来に、昨日の出来事を今日につなげる

5種類の効果を発揮する相槌
① 同意の相槌:「そうですね」「ごもっとも」・・・同意されれば、話し相手は安心して話せる。逆に、否定されると話す意欲が減退する。
② 共感の相槌:「なるほど」「大変ですね」「心配だね」・・・話し相手の立場や気持ちになった相槌は「もっと話したい」という気持ちを話し相手に抱かせる。
③ 促進の相槌:「それから?」「すごいですね」「どうなった?」・・・話し相手の中には「口の重たい人」もいる。相手が話したくなるように相槌と言葉で後押しして、支援する。
④ 整理の相槌:「要するに」「一言でいうと」「ポイントは~」・・・区切りの良いところで話を整理してあげることで、話の軌道修正や整理、確認ができる。
⑤ 転換の相槌:「ところで」「そういえば」「~はいかが?」・・・同じことを繰り返して話す人に対して効果的。聞き手の聞きたい方向へ話を運ぶことができる。

「マナー研修」といっても、大学生の就活対策と企業でのビジネスマン向けでは内容が大変異なります。コール(コンタクト・カスタマ)センターで、BtoCのクレーム対応や、BtoB(法人対象の受電)を専門に担当するケースは、やはり難易度が高いですね。今回は、そうした観点から、ビジネスマン向けの著書をあえて取り上げてみました。

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