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2009年11月21日 (土)

文末表現を崩さない・途中止め(1)

今回から、久しぶりに再び「電話応対技術編」です。コール(コンタクト・カスタマー)センターの電話応対研修で実感することですが、文末に「けじめをつけて話す」ことができない人が多いようです。代表的な例が「途中止め」で、これには〈体言止め〉及び〈で止め〉〈が止め〉〈も止め〉があります。今回は文学作品の表現を借りて〈体言止め〉と読点〈、〉について書きます。

文学では感動を与える〈体言止め〉ですが・・・
今年(2009年)は太宰治の生誕100年で盛り上がりましたが、彼の代表作である『人間失格』の最後の方に、この文章(一行目が体言止め)があります。
「人間、失格。
もはや、自分は、完全に、人間ではなくなりました。」

「感情を伝えきれない言葉」は電話応対ではタブー
「体言(名詞)止めは言葉では表現しきれない感情を伝える手法として用いられますが、本来は名詞の後に何らかの記述が続くものを、あえて省略し、感極まったという気持ちを投影させる技法です」(中村明著『センスをみがく文章上達事典』より)。電話応対では、この使い方を誤りクレームに発展させてしまうことがあります。

マスコミ報道が〈体言止め〉表現を誤解させる一面も
2002年7月太陽企画出版刊『電話王の話す技術・聞く技術』斎藤ますみ著に以下の記述があります。
「たとえば、『稲葉様でいらっしゃいますね』といわず、『あ、稲葉様』で終わってしまう〈体言止め〉もその一つで、お客様に対して丁寧さに欠ける印象になります。(中略)テレビや雑誌のインタビューなどでは、こういったスタイルが多く見られます。時間や紙面に制限がある中で、より多くの情報を伝えたいため、できる限り省いてもいい言葉はカットし、本題のみが浮かび上がるようにしているのです。
つまり、そこには、インタビューされる人よりも、視聴者や読者を〝お客様〟とする考え方があります。第三者的立場の人がいる場合なので〈途中止め〉が許される、
例外的なケースといえます。」

お客様から「電話番号」「名前」をお聞きする応対例
「お電話番号は 0000‐0000、それでは~」と、なりがちですが、
→「お電話番号は 0000‐0000でございますね(ですね)、それでは~」
「お名前は○○ △△様、それでは~」と、してしまいそうですが、
→「お名前は○○ △△様でいらっしゃいますね、(ですね)それでは~」と、電話番号や氏名を復唱するときは、最後までしっかりと話しましょう。

不用意な読点〈、〉は会話を途切れさせる
〈体言止め〉ほどではありませんが、会話の最後が不用意に読点〈、〉の場合
会話が途切れ、お客様に不快な印象を残すことがあります。『人間失格』の二行目は最初の9文字に読点〈、〉3個です。目で見れば感動も伝わるでしょうが、これを耳で読まされたら、理解できないばかりか、不快を感ずるかもしれません。

今回、木の葉のブログとしては格調高く、太宰治の代表作に素材を求めました。「書く文章」と「話す文章」の違いを知り、併せ、真似てはいけないところを示すことで、電話応対における文末表現の大切さを解説しようとの試みでしたが、背伸びした分、少々消化不良気味になってしまった感は否めませんね。次回は「途中止め」〈で止め〉〈が止め〉〈も止め〉について具体的に書きます。

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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