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2009年12月19日 (土)

なるべく使いたくない否定・非難・批判語(2)

今回も、区切りの50回の続きです。あるビジネスセミナーで、アイデアの発想法について質問を受けたことがあります。その際、有力な手法としてA・F・オズボーンが考案したブレーン・ストーミングを簡単に紹介しました。実際にこの手法を使ったことはなくても、名称はご存知の方も多いと思います。

アイデアを生む集団活動の場での否定・非難・批判を考える
ブレーン・ストーミング法(以下BS法)は5~8名(8~15名などいろいろな説あり)のメンバーで行う集団技法です。ちなみにBSという名前は、脳(ブレイン)から発想する対象に向かって強襲する(ストーミング)ことに由来するそうです(これを「精神に異常をきたした患者さんの錯乱状態における発作」の意と解説した本もありますが・・・)。

BS法には議論を進める上で4つの規則があります。1つ目は、とにかくたくさんのアイデアを出すことが大切との観点から「アイデアの質の良し悪しを問わない」。2つ目は、感情を抑圧しないために「人の発言を決して批判しない」。3つ目は、先入観や固定概念にとらわれない「自由な発想をする」。そして4つ目は、メンバーから出てきたアイデアを結び付けたり、アイデアそのものを練り上げる「結合改善を図る」。

この4つの中でもっとも重要視されるのが2つ目の「人の発言を決して批判しない」です。人の脳には、批判されると効率が一気に鈍る傾向があるそうで、普段から自分でも気づいていない潜在したアイデアを、各人から引き出すことを目的にしたBSでは最大の障害になります。

BS法のような利害関係を伴わない集団活動でも、ひとたび発言を批判されると、思うようにアイデアを出すことができなくなってしまいます。これが、対面、もしくは電話での会話であれば、批判を受けた側のダメージは想像をはるかに超えたものになるでしょう。

そして、私たちがさらに理解すべきことは、この手法がビジネスの場はもちろんのこと、日常会話でも「YES」「NO」のはっきりしたアメリカで開発されたということです。否定・非難・批判に慣れているであろう、彼の国の人々に対しての必須ルールなのだということです。

最近出版された塩澤実信著『ベストセラーの風景』(展望社刊)に石原慎太郎氏と盛田昭夫氏との対談『「NO]といえる日本』(光文社刊)のことが書かれていました。この本はバブル経済に浮かれる時期に出版された「日米関係」に関する警告の書だったそうです(なんか、現在にも当てはまりそうな内容ですね)。

その中に、盛田氏のこのような発言があるそうです。
「・・・・日本人というのは儒教の影響でしょうか、人間関係の中で『ノー』ということをはっきり言いにくいバックグラウンドがあります。
上下の序列関係等縦の線では、下は上に『ノー』と言うことが失礼にあたると考える。上も下の『ノー』を生意気と捉えるような雰囲気がまだ根強く、身分制度の残滓(ざんし)のように存在します・・・」。

世界を股にかけた(一年の三分の一は米国にいらっしゃたそうです)偉大な経済人の言葉には説得力がありますね。そして、改めて電話応対での〈否定・非難・批判〉の重さを感じさせられました。

テレマーケティングの先進国(主に欧米)のコールセンターでは「お客様はいつもに正しい(CUSTOMER IS ALWAYS RIGHT)」という言葉がよく語られます(次回で詳述)。
日本でも似たようなニュアンスの言葉を聞くことがありますね。すでに亡くなって久しいかつての大物歌手が「お客様は神様です!」と舞台で見得を切りました。最近では、渡辺謙・樋口可南子共演で映画になった『明日の記憶』の作者でもある荻原浩著『神様からひと言』の中に出てきました。
食品メーカーの〝お客様相談室〟をメイン舞台とした興味深い作品(2006年にTV放映)ですが、この会社の社訓が何と「お客様の声は、神様のひと言」でした。
日米欧、共通して「お客様は神様」のようですので、敵(かな)わないのは当然です。どうか皆さんも、どんなひどいことを言われても、神様(お客さま)に逆らわないように、これからも電話応対頑張ってくださいね。

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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