なるべく使いたくない否定・非難・批判語(3)
皆さんのコール(コンタクト・カスタマー)センターにも、きっと色々な「無理」や「難題」を持ち込まれるお客さまがいらっしゃることでしょう。応対者側の常識からすると「嘘だろ」「考えられない」「よく、そんなこと言うよね」等々。なかには、笑ってしまうような〝奇想天外〟なできごともあろうかと。
今回は、前回予告の以下の「英文」解釈から始めます。
欧米のコールセンターでは「お客様はいつも正しい」!?
「お客様はいつも正しい」の英文は「CUSTOMER IS ALWAYS RIGHT」です。テレマーケティング協会のスタッフ研修で活躍中の後藤啓子さんの著書『すごい!電話術』には、「これは相手の話の内容が正しいという意味ではなく、『お客様がそう思っていることが正しい』ということを意味します。」と解説しています。
『すごい!電話術』より「相手の話に共感、受容する」
相手はわざと間違ったことを言っているのではなく、勘違いや今までの経験、ちょっとした行き違いで「そのように思っている」ということです。「お客様は間違っている」という思い込みからスタートすると、「そうではありません」という会話になりますが、「お客様がそう思っていることは正しい」と考えれば、「なぜそのように考えたのだろうか」という気持ちになり、「もっと相手の話を聞こう」という会話になるはずです。この会話が相手の話に共感や受容を表現することになります。
「相手の話を否定、拒否、批判しない」
引き続き『すごい!電話術』より。
「お客様がそう思っていることが正しい」と考えることで、頭から相手を否定したり、拒否することがなくなります。ただし、相手の内容が間違っていることは訂正しておかなくてはなりません。「商品の使い方がわからないのですが」という問い合わせに、「説明書に書いてありますけど」と伝えると、「なぜ説明書を読まないのか」と批判されているように相手は取ってしまいます。「はい、商品の使い方ですね。それでは説明いたします。今お手元に説明書はございますか」と手元で説明書を見てもらいながら、快く説明しましょう。
必ず「YES & BUT 方式」で応対しましょう
まったく見当違いのことを言われたときに、「それは違います」「できません」と言いたいところですが、そこはぐっと言葉を飲み込んで、とにかく「そうですか~」「そうですね~」と相手の話を聴くようにしましょう。そして、ある程度話を聴いてから、「大変申し訳ございませんが、私どもとしましては・・・」と切り返します。
繰り返し説明する場合は、異なった表現を心掛ける
「ですから」「だから」「なので」「何度も申しあげておりますが」
何度言ってもお客さまにご理解いただけない場合、このような言葉がつい口から出ていませんか? 同じことを繰り返し説明する場合は、言葉を変える必要がありますし、かみくだいた優しい言葉を選んで話す工夫もしてみてください。
前々回、山本志のぶ「木の葉」ブログ が50回となり、私の思い入れから、少々長めのシリーズで3回書いてまいりました「なるべく使いたくない否定・非難・批判語」を今回で終了します。専門用語が飛び交い、読みづらいところがあったと思いますが、お付き合いありがとうございました。次回から正常ベースに戻すとともに、年が改まったところで、新しい分野への取り組みにもチャレンジしたいと思っております。
新年もどうぞよろしくお願いいたします。
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