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2010年1月 2日 (土)

「コールセンター事情」①2010年に変化の兆し

明けましておめでとうございます。本年も、「木の葉」ブログをよろしくお願いいたします。さて、年明け早々難しいテーマになりますが、「コールセンター事情」2010年に変化の兆し――です。これを取り上げるきっかけは、昨年12月17日『日本経済新聞』朝刊に以下の記事(全文転記)が掲載されたからです。

小さな記事なので、見逃した方が多いかもしれませんが、コール(コンタクト・カスタマー)センターでお仕事をする人たちにとっては、近い将来、とても重要な意味を持ってくるかもしれません。そして、これからコールセンター業務に関心を持ち、就活の対象としてこの分野を検討する学生の皆さんにとっては、是非とも知っておいていただきたいと思い、新春のテーマといたしました。

NTTコムなど、コールセンター職員に初の資格制度
NTTコミュニケーションズなど13社は、コールセンター職員の初の資格制度を創設する。このほど準備組織を発足。経済産業省の支援も得る。顧客応答業務に必要な知識を体系化し、職員の能力を客観的に把握できるようにする。制度に従って人材を適切に評価、サービス品質の向上や離職率の低下につなげる。

準備組織はNTTコムのほか、ソフトバンクBB、日興コーディアル証券、ソニーカスタマーサービス(東京・大田)、日立電子サービス(東京・港)など、顧客応答の大口需要家企業を中心に構成。コールセンター運営受託会社の参加も今後募る。

来年(2010年:山本注記)3月をメドに制度の運営団体「日本コンタクトセンター教育検定協会」(仮称)を設立し、資格制度の枠組みを整える。応答員や管理者などの職種ごとに4段階の資格を設定。関連法規の内容など業務上の知識について、6月以降に試験を実施する方針だ。

2008年10月で終了した「JTAテレコミュニケーター検定」
上記の『日本経済新聞』の記事に関連して、同様の資格制度が一年前まであったことを簡単に紹介します。JTAは日本テレマーケティング協会の略称ですが、2003年10月にテレマーケテレマーケティング事業に従事している方々の自己研鑽のためのツールとしてスタートした同検定が、2008年の10月で終了しました。

同協会の終了に関するコメントは「この5年間でコンタクトセンターを取り巻く環境の著しい変化並びにそこで働くテレコミュニケーター個々人のスキルも格段に向上したこともあり、『JTA テレコミュニケーター検定』の当初の目的であるテレコミュニケーターの登竜門としての役割を終えたものと判断しております。」でした。

経済産業省によるカスタマーサービスのスキル標準
先の『日本経済新聞』の記事に「経済産業省の支援も得る」とありました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、経済産業省は2002年12月に「ITスキル標準―ITサービス・プロフェッショナル育成の基盤構築に向けて―」と題するITスキル・スタンダード協議会報告書を発表しています。下記アドレスで参照可。興味のある方はご覧ください。
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g21226b01j.pdf
(1)マーケティング、(2)セールス、(3)コンサルタント・・・と続き、(10) オペレーション の中に〈カスタマーサポート〉が取り上げられています。同じく、下記アドレスで参照可。
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g21226b11j.pdf

経済産業省の「ITスキル標準」制定の考え方
以下に同省の「ITスキル」制定の考え方を、協議会報告書から抜粋します。
「1990年代以降、IT用途の多様化により、顧客の業務内容を理解することはもちろん、業務プロセスの改革そのものに踏み込んだ提案ができるスキルが必要になり、また、IT技術の多様化・深化により、技術ごとの専門化が進展し、インターネットの普及によるオープン化の進展がこれに拍車をかけるにいたった。

このように、マーケットで求められるスキルが多様化・深化し、これを担う人材も多様化する中で、戦略的な人材育成・スキル開発を行う際に利用できる客観的な指標を整備することの重要性が増大している。これは、一義的には、顧客への情報サービスを行っている各企業の課題であるが、企業に対する人材供給を行っている大学・各種学校等の教育機関及びITサービス業に従事する各個人にとっても重要な意義を有する。

したがって、このような指標の作成は、各企業や教育機関が独自に行うことも可能ではあるが、基本的な部分については、政府がパブリック・ドメインとして整備し、提供していくいことにより、ITサービス・プロフェッショナルの育成にかかわる諸組織の有機的な連携が可能となり、ひいては我が国において提供されるITサービスの質の向上につながるものと考えられる。」

少々長くなりましたが、ここで語られていることと、JTAが「テレコミュニケーター検定」を中止した背景とはほとんど重なります。こうした情報を総合的に判断すると、今回の『日本経済新聞』の記事にある13社の試みは、次第に当該業務に携わる人々の支持を得て、そう遠くない時期に、カスタマーセンター(コールセンターの位置づけにあるセンター全体共通)のスタンダード・スキルとして定着するかもしれません。次回は、もしこの仮説が実現の運びとなり、コール(コンタクト・カスタマー)センターに検定が導入された場合の功罪について考えてみます。

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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