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2010年1月 9日 (土)

「コールセンター事情」②検定制度導入の功罪

コール(コンタクト・カスタマー)センターは大別すると、お客さま(企業)からのアウトソーシング業務を中心に行うテレマーケティング会社が運営するコール(コンタクト)センターと、自社の製品・サービスに対するサポート業務を行うカスタマーセンターとに分かれます。

センター業務の最大の課題は品質の確保であり、運営上の課題は定着率ということになるでしょう。この二つの課題は、別なテーマのようで、実はスタッフの評価基準が確立されていないことから派生する、根は一つの問題なのだと私は思います。そうした点を踏まえ、もし検定が多くのセンターで採用されるようになったときの功罪を、コール(コンタクト・カスタマー)センターの教育を担当する立場から考えてみました。

検定の功罪①“お局様”的な存在は駆逐される!?
それぞれのセンターには、いろいろな意味で“お局様”的な存在の方がいらっしゃいます。この方たちが、うまく後輩をリードして下さることもあれば、マニュアルに盛り込めない、業務知識の伝道者として機能してくれているケースも多いように思います。ただし、これはプラスの面ですが、若いSV(スーパーバイザー)にとっては、組織を運営する上で、扱いにくい存在に映っていることも確かでしょう。

検定の導入は、こうしたベテランスタッフにとっては重荷になることが考えられ、退場を余儀なくされるかもしれません。また、お局様的な存在に振り回されてきた感のあるSVを含めた管理層が、排除の論理の手段として、限られた期間内での資格取得を至上命題として掲げることもあり得ます。大手のテレマーケティング会社やITに特化したセンターではそれほど心配はないと思いますが、中小規模のテレマーケティング会社もしくは、企業内のカスタマーセンターでは、導入のメリットと同時に、こうした弊害も顕在化するかもしれません。

検定の功罪②意欲ある人には活躍の場が広がる
大学生の就職対策の研修を担当させていただく折に、業務としてのコールセンター勤務や、就職先としてのテレマーケティング業界のことを尋ねられることがあります。これまでは、企業内のカスタマーセンターも多様であり、テレマーケティング会社も企業の生成の過程により運営方針が異なるケースがありますので、一般論でしか語ることができませんでした。

しかし、今後、検定がスタンダード化していくと、検定に対する取り組み姿勢で、そのセンターなり、企業の姿勢を判断できるので、具体的なアドバイスをしてあげられるように思います。経験のあるスタッフにとっては重荷になるかもしれない検定は、(導入企業を選択すれば)業種や職種として将来を展望するときに、努力が資格という明確な形になって反映されることになるので、意欲的な学生の皆さんには安心して薦められるようになるでしょう。

検定の功罪③健全なビジネスへの第一歩
厳しい経済環境の中で、多くのテレマーケティング業務がコストセンターかプロフィットセンターかの判断を迫られ、センター運営者がそのはざまで苦吟する状況が続いているようです。業務効率を高めるためにも、CS向上のためにもインフラの整備を怠ることができない現在のコール(コンタクト・カスタマー)センターはインフラへの投資が不可欠であり、ある意味では、工場的な存在といえると思います。

工場だとすると、設備投資分の回収のために稼働率が経営サイドの最大の関心事になって当然です。そのことが、テレマーケティグの世界に、安価でも仕事請ける受注優先体質を生みだしました。沖縄を代表とする遠隔地の各種優遇措置に応じてセンターを開設に走ったり、言語障壁の低い海外に進出したのは、この要因と無関係ではありません。しかし、その片方で、「品質」というかけがいのない代償を払ったことも事実でしょう。

システム開発のように、過当競争になっても、要件を満たす資格保持者のコストを一定額計上できる構造がなければ、“安かろう、よかろう”精神を、「品質」を盾に押し返すことは至難の業です。そうした、危機的な状況の中に、国家レベルの検定制度が立ち上がると、価格破壊により秩序を乱しかけたテレマーケティング業界も、本来の姿が取り戻せるのではないでしょうか。

新春2回目も多少力が入ってしまったでしょうか。本ブログ本来のテクニカル部分を抜きにして、理屈が優先してしまいましたが、私が言いたかった最大のポイントは、これからのセンター業務は、検定に代表されるように、本当のプロが活躍する場に変わっていくだろうということでした。次回からは、テレマーケティングの“プロとは”を主題に、私自身の信念でもある“ハートで語りかける”を絡ませて、これまで勉強してきたことをご披露したいと思っています。

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