プロとして、ハートで語る①
さて、今回は前回予告の通り、“プロとして”の話し方と、“ハートで語る”を、プロ中のプロで講談師という伝統話芸の達人・一龍斎貞水(いちりゅうさい・ていすい)氏の著書『心を揺さぶる語り方 人間国宝に話術を学ぶ』(日本放送出版協会刊)から、7章構成のタイトルの中より4つ選んでご紹介いたします。
「表現力」を高める準備と工夫
本当にその人の心から出ている言葉には、
直接的に相手の心を動かす力があります。
それに近いものを
自分の中に養うことが大事です。
どんな「心」に向けて語るか
人の心が動くのは、
詳しく説明されたときとは限りません。
共感したり、自分で考えたり、
我が身に置き換えて想像したりしたときです。
「花鳥風月」と「心」の色合い
心にも色合いというものがあると思います。
多彩な絵の具や繊細な筆のような言葉を
たくさん持っていることが、
その色合いに気づく心の繊細さを育てます。
話術を上達させる近道
現場で役立つ話術は、現場でしか学べません。
それをいかに集中して見て「盗む」か。
その真剣さによって、
上達の早さが違ってくると思います。
私がこの本に魅かれたのは「心を揺さぶる語り方」というタイトルでした。講談は漫才や落語よりはなじみが薄いと思いますし、実のところ私もよく知りません。しかし、読み進んでまいりますと、忠臣蔵にまつわる話や松下幸之助氏のパナソニック(旧松下電器)創業前の苦労談など、話術以外にも興味深いお話が盛りだくさん。そして、今回是非とも取り上げさせていただこうと思ったのは、「話術には『人を思いやる心』が重要」と書かれていたからでした。
著者はこの他に、
詰め込み過ぎ、先を急ぎすぎではいけません。
「間」がなさすぎる話では、
お客様が心を動かされる暇もありません。
とも書かれていますが、この辺りは、【話術を上達させる近道】で取り上げた「現場で役立つ話術は、現場でしか学べません」と同じく、丸々コール(コンタクト・カスタマー)センターの電話応対に当てはまる内容ですね。話術のプロから学びつつ、コールセンターのオペレーター(TSR・エージェント)が、プロでなければ通用しない時代の“良き教材”と思いご紹介いたしました。
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