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2010年2月 6日 (土)

元横綱 朝青龍関のこと

先日、あるスポーツ施設の新入社員向けマナー研修を担当させていただきました。〝ゆとり世代〟といわれる彼らの受け入れには、入社後のコミュニケーション・ギャップが大きいことから、各社とも頭を悩ませていらっしゃるようです。そこで、スポーツマインドの〝ゆとり世代〟に通じる人物を通してマナーを語ることを思い立ちました。

その結果、誰もが知っているスーパースターのプロゴルファー石川遼選手と横綱・朝青龍関のお二人に対象を絞り、私なりに勉強して当日に臨みました。ところが、その朝青龍関が突如の引退です。今回は、哀惜の気持ちを込めて、元横綱のエピソードを交えながらの木の葉ブログです。

2008年3月大阪場所、千秋楽の優勝インタビュー
モンゴルでのサッカー問題を挟み、4場所ぶりに復活優勝した(当時)横綱朝青龍関は「わしは大阪好きやで! ほんま好きやで! まいど、おおきに!」と、インタビューに答え、大阪体育館を埋め尽くした満員の観衆から大歓声を受けました。ところが、翌日、この発言を問題視する意見が『日刊スポーツ』の評論コラム『土俵』に掲載されて・・・。

そのコラム担当が、かつての大横綱の大鵬さんだったことから、この問題は一躍世間の注目を集めることになりました。ちなみに、若い方たちは大鵬さんをご存じない(あまり若くはありませんが、私も実はほとんど存じ上げません)でしょうから申し添えますと、大鵬さんはあの有名なフレーズ「巨人、大鵬、卵焼き」の「大鵬」のことで、幕内優勝回数32回の角界記録保持者です。

横綱の言葉にはもっと重みがあるべきだ
「大鵬さんの評論コラム『土俵』では、相星決戦を分析した後、
《今回の優勝インタビューも、大阪弁を使って地元のファンを喜ばせたかもしれないが、横綱の言葉にはもっと重みがあるべきだ。かつて表彰式で外国の航空会社の人が、各地方場所の方言を使ってファンを喜ばせたが、横綱と彼とは立場が違う》と書かれていました。」『土俵の真実 杉山邦博の伝えた大相撲半世紀』(杉山邦博&小林照幸著、文藝春秋社刊)より。

元横綱・朝青龍関のこの発言には、場所後の横綱審議委員会の場で議論があり、「方言でのインタビューの締めくくりを容認する方もいらっしゃれば、改めて指導を、と話された方もいたそうです。」と杉山さんは書かれています。なお、杉山さんによると「『君が代』斉唱から内閣総理大臣賞授与式までが協会の公式行事で、その後に行われるNHKアナウンサーによる優勝力士インタビューはその対象外」だそうです。
プロスポーツマンのファンへのサービス精神を是とするか、国技としての品位、横綱の品格を重視するかの立場の違いが、見解の相違となったのでしょう。

言葉は、受け止める人によって全く評価が異なります。「プロとして、ハートで語る」ことも、場の状況によって使い分けが大事なのだということを改めて学ばせていただきました。こうした解釈を踏まえ、マナー研修の場では、この事例を「公の場での発言と、私的な発言の違い」を知る素材として語り継いでいこうと思っています。

品格に対する元横綱・朝青龍の考え方
内館牧子さんに代表される横綱の品格の指摘に対し本人はどう思っていたか…。
「俺ね、品格っていうもんが、今でもよくわからない・・・。誰もがその人なりの品格を持っているんじゃないですか? 品格っていう言葉はどういう意味ですか?」
「横綱として、きちんとした言葉遣いをするとか、みんなのお手本になるようにするとか、そういうことは大切だと思うんですよ。でも、俺は品格を持った機械じゃないから。人間なんだから、言いたいこと、思ったことは言えるべきなんじゃないのか。違いますか?」
写真集『横綱 朝青龍』(撮影・野村誠一/2008年9月ゴマブックス刊)より。

実は、研修で取り上げたのは、マナーとしてのガッツポーズについてだったのですが、受講者の関心が高かったことから、言葉遣いのところでも元横綱に登場していただきました。元横綱の愛嬌のある語り口は、素人目にも切れのある豪快な取り口と併せ、人気の原動力だったかもしれません。

「プロとして、ハートで語った」であろうあのシーンを回想するにつけ、文化の重さと、融和の難しさを感じます。国内のコール(コンタクト・カスタマー)センターにも、外国語対応で海外の方が就業いただくケースもあるようですが、コミュニケーション・ギャップの大きさは〝ゆとり世代〟の比ではありません。心して取り組んでいただければと、願うばかりです。

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