プロとして、ハートで語る②マナー研修での〈石川遼選手のこと〉
前回は、普段にも増してブログを読んでいただく方が多く、いかに石川遼選手の人気があるかを実感いたしました。その人気にあやからせていただいたとはいえ、ご愛読いただいた皆さんに、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。さて、今回は、石川遼選手の「プロとして、ハートで語る」姿勢がどのようにして身についたのかを書きたいと思います。
石川選手の心がけは「誰にでも同じ態度で接すること」
以下は『とっておきの接客術』(桐原千寿著、2009年4月実業之日本社刊)に紹介された、石川遼選手に関する記述です。
「石川選手が心がけているのは、誰にでも同じ態度で接するということだそうです。先輩にも、取材に見えた方にも、同じ態度で丁寧に受け答えするようにしているそうです。17歳なのに立派だと感心しました。まだ若いこともあって、石川選手に会う人の中には彼を子ども扱いする大人もいるでしょうし、ゴルフの勉強もせずに取り囲む取材記者もいるのではないかと思います。ただ、彼が誰にでも同じ態度で丁寧に接していれば、石川選手の態度を反映して、自然に会う人の態度もきちんとした礼儀正しいものになっていくのではないかと思います。」
世界の王(元ソフトバンク監督)に学ぶ
引き続き、『とっておきの接客術』より
「新聞で読んだのですが、彼が誰にも丁寧にするのは、あるパーティで元ソフトバンクの王監督と会ったとき、若い自分にも丁寧に話してくれたことがきっかけだということです。世界的に高名な人ほど、人に対して丁寧に接するのです。品格ある人とはどういう人かも思い知ることができるエピソードだと思いました。」
ゴルフ界のドン・杉原輝雄プロも認める
杉原輝雄プロについては、ゴルフ愛好家で知らない方はいらっしゃらないでしょうが、ゴルフをなさらない方のために申し添えますと、162センチのお身体で、73歳の現在も、病と闘いながら、トーナメントで活躍する名選手です。ショートゲームの巧みさや長尺ドライバー(47インチに取り組んだことも)と同じぐらい有名なのが、「辛口」評論です。
その杉原輝雄プロが昨年末、NHKの国谷裕子さんがキャスターを務める『クローズアップ現代』に出演され、石川遼選手のことを褒めていらっしゃいました。杉原輝雄プロのお立場から、ゴルフに取り組む姿勢が中心でしたが、「マスコミへの受け応えも素晴らしい。先輩プロも大いに学ぶべきだ」とおっしゃったことを記憶しています。
石川遼選手の話すスピードは1分間に365文字
日本の音声分析の第一人者といわれる鈴木松美氏によると、NHKのアナウンサーは1分間に350~400文字(かな文字換算:山本注)程度と(『ジャパネットたかた 思わず買いたくなる“しゃべり”の秘密』金子哲雄著・ぱる出版刊)に書かれていました。石川遼選手は365(かな)文字(『プレゼンテーションの教科書』(脇山真治著・日経BP刊より、次回詳細記載予定)だそうです。
石川遼選手が、NHKのアナウンサーとほぼ同じ速さで話しているのは、単なる偶然でしょうか。前回、今回の内容に照らして考えると、意図して取材側が聞きやすい早さを心得て話しているように思われます。だとしたら、お見事というしかありません。次回は、上記文献から石川遼選手と、話のプロであるアナウンサー、テレビ露出度の高い芸能人などとの比較を見ながら「プロの語り」を取り上げてみます。
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