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2010年3月13日 (土)

質問:「苦情対応で大事なことは?」を、トヨタ自動車の不具合対応を絡めて考えるその2

前回、「誠意」に関する日本語と英語のニュアンスの違いがかなりあることを書きました。なぜこのような手間をかけたかと申しますと、以下にご紹介する『日本苦情白書』による「誠意とは何だと思いますか?」の質問に対して、私の日本語の解釈をはるかに超えた、回答が寄せられていたからでした。
前回の「苦情対応の際、納得できるときはどんな場合ですか」を念頭に置きながら、ご覧いただければと思います。

誠意とは何だと思いますか(体験から感じるものを、2つまで回答)
正直・・・・・・・・・・・・・・・26・2% 
熱心・・・・・・・・・・・・・・・13・6% 
礼儀正しい・・・・・・・・・・11・7% 
言葉遣い・・・・・・・・・・・・・6・6% 
前向きな態度・・・・・・・・18・6% 
こちらの話を聞く・・・・・・22・4% 
その他・・・・・・・・・・・・・・・0・9%
10%以上が5項目もあります。ひと言に「誠意」といっても、その概念は、人によって〝異なる〟のだ、ということが、この調査結果に明確に表れているのではないでしょうか。

苦情対応における「誠意」は、英語のニュアンスが断然強い
この「誠意とは」の回答に対して、日本語の解釈と共通するワードもしくはニュアンスはゼロ(前回参照)に対して、英文和訳(※)はワードで〈正直〉、ニュアンスで〈言葉遣い⇔誠実な言葉〉〈前向きな態度⇔誠実な行動〉が該当し、どうやら英語解釈の方が合致する度合いが断然高いようです。
※【sincerity】1 誠実,誠意,正直(honesty);表裏のないこと 2 誠意のある言葉,誠実な行動;純粋な気持ち 

この調査対象者が、監修者の関根眞一さんの講演会参加者である(クレーム・苦情対応に関心のある人たち)ことも、微妙に影響しているでしょうが、産業構造が大きく変化し、クレーム(苦情)発生頻度の高いサービス産業(情報通信を含む)が急激に発展したことで、我が国の「誠意」の受け止め方が、欧米の傾向に近づいてきているといえるのではないでしょうか。

このように、「誠意」の受け止め方に多様性があることを認識した上で選択したトヨタ自動車の対応姿勢であれば、米国にも通用しそうな気もします。しかし、もし従来の日本流「誠意」の範疇を出ないものであったとすると、『週刊ポスト』誌に代表される懸念(怒りを増幅させる)が、現実のものとなるかもしれません。

さて、ここで電話応対業務でのクレーム(苦情)対応の本題に戻ります。これだけ苦情に対する納得概念が多岐にわたると、「対処のしようがない」との悲痛な声が、あちこちから聞こえてきそうですが、必ずしもそうではないと、私は思います。
前回のアンケート「苦情対応の際、納得できるときはどんな場合ですか」の中に、人が納得するのは【誠意がある、態度が良い】が64・2%とありました。これまで述べてきたように【誠意がある】の概念は、人によってさまざまですが、もう一方の【態度がよい】は、応対姿勢に対する評価ですから、私の経験からすると、それほどの違いは出ません。
冒頭に、大事なのは「誠意をもって対応する姿勢」との見解を記しましたが、この姿勢が「態度がよい」という評価につながると、確信しているからでもあります。

その「誠意をもって対応する姿勢」は、“接遇の基本”をマスターすればおのずと身につきます。応対スキルは短期間では容易に身に付きませんが、 “接遇”は人間の心構えの問題であり、スキルを身につけるのはそれほど難しいことではありません。日常性格の中で、素直に自信を顧みることができる人には、すでにその大半が身に付いているスキルでもあるのです。

自身のおさらいの意味合いもあって、いささか力が入り、勢いで2回にわたり長々と書きつらねてしまいました。最後まで読んでくださった方、お付き合いいただき、ありがとうございました。
これを契機に、私も心新たに、研修の場で“接遇教育”の重要性を、根気よく説いていこうと思います。
前回、今回と、タイトルを「クレーム対応研修から」にしました。次回も、研修の場で披露した内容を予定しておりますので、これを契機に「研修から」シリーズに切り替えることにします。引き続きご愛読をお願いいたします。

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