« 身だしなみについて③ | トップページ | 病院のホスピタリティ③ »

2010年7月10日 (土)

病院のホスピタリティ②

一回飛びましたが、再び病院のホスピタリティシリーズです。
鎌田先生の著書によると、かつての諏訪中央病院は地元のタクシーの運転手さんも知らない小さな病院で、医者がいつかずに困っていたそうです。東京からやってきた医者は皆、1、2年で帰ってしまい、鎌田先生も赴任早々は1年で東京に帰るつもりだったとか。それが、患者さんや地元の人に「もう少しいてください」と言われるたびに、先生は帰るタイミングを失ったばかりか、小さな地域の、健康と命を守るのに夢中になって働いていたら院長に昇りつめ・・・。

脳卒中死亡率全国2位を改善するため年間80回地域の公民館に出かける
外来に患者さんがぜんぜん来ない。待っているだけではダメだとわかり、鎌田先生たちは地域に出かけていきました。そして、年間80回も「健康づくり」の話と指導をしたのです。東京の仲間からは、「病院を再建するなら、地域が不健康で患者さんがたくさん増えて、治療を求めて病院に来るようにしないとダメだろう。地域を健康にしてどうするんだ」とあきれられたとのこと。
しかし結果として、地域の保健・医療・福祉にかかわるいろいろな方と、お互いを尊敬し合う関係を築くことができて、病院は地域の人たちの信頼を勝ち得たそうです。

赤字4億円のローカル病院が、全国的に有名な〝魔法の病院〟に変貌
鎌田先生が赴任当時、諏訪中央病院は4億円の赤字を抱え、満足な医療機器も揃っていないさびれた医者4人の病院でしたが、今日では日本有数の長寿地域でありながら、医療費が低い、〝魔法の病院〟と本やテレビで言われるまでになっています。その原動力は、鎌田先生にけん引され高められた病院全体のホスピタリティ医療でした。次に紹介するのは、1982年に同病院が日本で最初に始めたデイケアでの超ホスピタリティ・シーンです。

寝たきりになってお風呂に入っていない人たちをお風呂に入れちゃう運動
1982年(鎌田先生34歳の頃)、諏訪中央病院は日本で初めてのデイケアを始めました。たくさんのボランティアが参加してくださり、その活動はいまでも続いているそうです。当時、開始した活動「寝たきりになってお風呂に入っていない人たちをお風呂に入れちゃう運動」は、お年寄りの体をボランティアと看護師で洗ってあげるというものでしたが・・・

鎌田實先生が評価する〝超ホスピタリティ〟
「障害の軽い脳卒中のおばあちゃんが、背中を流してもらったあと、今度は自分がボランティアの背中を流してあげると言いだしました。右方麻痺のおばあちゃんでした。すると60歳くらいのボランティアのおばさんが、私たちが見守っているにもかかわらず、即座に水着を片肌脱ぎして背中をおばあちゃんに差し向けたのです(鎌田先生は、このボランティアの方の行為を超ホスピタリティと称賛されています:山本注)。おばあちゃんは動く左手で嬉しそうに洗ってあげました。ボランティアのおばさんが『ありがとね、ありがとね』と言うたびに、おばあちゃんはもっと嬉しい顔を見せました。」

●「いつも何かをしてもらう側にいたおばあちゃんが、久し振りに人に何かをしてあげることができた、その喜びは看護や介護する側には案外、気づかないことではないか」と鎌田先生は温かい眼差しでこのエピソードを語っていらっしゃいます。ボランティアさんが片肌脱いだあたりは、ビジュアル的にも〝アート〟に近いかも・・・(鎌田先生ご免なさい)。
さて次回は、諏訪中央病院と同じように高い評価を得ている亀田メディカルセンターの「医療コンシェルジュ」の試みを紹介いたします。

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

|

« 身だしなみについて③ | トップページ | 病院のホスピタリティ③ »

ホスピタリティ・CS研修」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 病院のホスピタリティ②:

« 身だしなみについて③ | トップページ | 病院のホスピタリティ③ »