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2010年8月 7日 (土)

サービスとホスピタリティ④建設会社のホスピタリティ

先月(7月)のことですが、古都の老舗の建設会社さんからCS講演会のご依頼がありました。山本哲士氏が『ホスピタリティ原論』の中で書かれている「20世紀はサービスの時代であった。21世紀は『ホスピタリティの時代』である」との認識が徐々に定着しつつあると、私自身実感しているものの、〝建設会社のホスピタリティ〟は少し先走り過ぎかとも思い、文献をあたったところ、以下の資料にたどり着きました。

ホスピタリティが必要不可欠な産業とは
服部勝人著『ホスピタリティ・マネジメント入門』の「ホスピタリティが必要不可欠な産業」から重要度が高い順(A→E)に列記。
A.医療・福祉・介護事業、宿泊産業、外食産業、旅行産業、観光・レジャー産業
B.生活関連産業、商業・流通産業、金融・保険業
C.情報・通信産業、建築・不動産産業
D.保安・管理・修理業、公共事業
E.農林水産業、製造業
以上のようになっており、建築・不動産業は立派にCにランクされていました。そこで、確信を持って、「建設会社のホスピタリティ」を、お話ししてまいりました。以下は、その一部のご紹介です。

隆寺宮大工棟梁・西岡常一著『木のいのち、木のこころ』より
集合研修は会社として初めての試みとのことでしたので、できる限り受講者目線でのお話を心掛けよう思い、世界最古の木造建築で、日本最初のユネスコ世界遺産指定(1993年12月)の法隆寺宮大工の棟梁、そして薬師寺の再建も指揮した西岡常一さんの『木のいのち、木のこころ』から、建設に携わる人の心得とおぼしきものを拾い上げました。

宮大工としての厳しい修行の始まりは〝礼儀作法〟から
「17歳のとき本格的な大工修行が始まって、腕を磨く話はともかく、じつにやかましく言われたのは、行儀作法だった」とか。法隆寺には修学旅行生に代表される観光客ばかりでなく、世界中の人がやってきます。特に海外からのお客さまからは専門的な質問が寄せられることが多いことから、棟梁の立ち会いが求められる。「だから行儀作法はきちんとせなあかん」と当時の棟梁(祖父)から厳しく指導されたそうです。やかましくしつけられたためか、宮様がおいでになると、お給仕はいつも若き日の西岡棟梁だったとのこと。

法隆寺宮大工棟梁の口伝「塔を建てず伽藍を建てよ」とは
西岡棟梁は、薬師寺の金堂の再建を依頼された時、天平建築の最高峰といわれる三重塔(東塔)の向かい側に礎石のみ残していた西塔の再建も念頭に置き、材料の檜(ひのき)を台湾から調達(日本には古い檜がないため)したそうです。ちなみに、千年生きた檜は建材として千年の風雪に耐えるとのこと。つまり、1400年前の法隆寺には、1400年以上の檜が使われていたということになりますね。これは、本当にすごいことです。

「塔を建てず伽藍を建てよ」に共通する「3人のレンガ職人の話」
西岡棟梁の「塔を建てず伽藍を建てよ」を読んだとき、思い出したのが、海外の文献(最近は日本でも)に数多く紹介されている、この「3人のレンガ職人の話」でした。
あるとき、子供が3人のレンガ職人に出会い、「何をしているの?」と尋ねた。
第1の職人は、「セメントを混ぜているんだよ」と答えた。
第2の職人は、「この壁を作るのを手伝っているんだよ」と答えた。
第3の職人は微笑みながら、こういった。「大聖堂を建てているんだよ」。

●たとえば、この子供が大きくなって、自分の家を(あるいはビルを)建てることがあったら、どのレンガ職人さんに頼みたいと思うでしょうか。建造物はその大小を問わず、施主のロマンを形にすることでしょうから、答えは明白と思います。この第3のレンガ職人さんの答えは、小さな質問者に対する「ホスピタリティ精神」の表れと筆者は考えます。

●建設会社は街中に自社の社名を掲げて工事します。工事そのものは下請けさんも交えて進められますが、地域社会の人々は、その現場で働く人たちの言動で会社を冷静に評価します。幌(ホロ)で囲まれると、その内側に何があるのか子供は気になります。その好奇心への回答はとても大事です。後日、どんなに立派な作品が披露されても、挨拶や応対がきちんとできていなかったり、清掃をおろそかにする会社は、地域社会の人々には、やはり信用できない会社なのです。
さて、次回からは「レストラン・飲食店のホスピタリティ」を予定しておりますが、アップ日がちょうどお盆の中日にあたりますので、家族を亡くした人々がこうした施設で受けた「弔いのホスピタリティ」を書きます。

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