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2010年8月14日 (土)

レストラン・飲食店のホスピタリティ①

ある公開講座で、「ファミレス言葉」には注意しましょうとアドバイスしたところ、飲食業に内定した学生さんから、「飲食業のホスピタリティ」は何で学んだらよいかとの質問がありました。その場で、参考文献を紹介しましたが、説明が不十分と思いましたので、その回答を兼ねてのブログです。ただし、前回予告の通り、今回は、お盆に合わせてレストラン・飲食店での「弔いのホスピタリティ」といたします。

いつも二人連れのご婦人が、その日は珍しくお一人で見えた
新宿のあるお店のランチタイムのこと。三月に一度くらい車いすで老母と一緒のご婦人が久し振りに一人で来店なさった。
店長「今日はお一人ですか」とお聞きしたところ
「実は母は他界致しました。亡き母とよく来たお店にまた来たくて」とのこと。

店は、混んでいたが、車いすが入るいつもの大きめの席を用意し、いつもお母様がお座りいただいた位置にお箸と、ナプキンを用意した。そして、お母様のことを覚えていたサービス員が次々とその前に来て手を合わせた。
『勝てるホスピタリティの実践』の「お客様から届いたサンクスレター」より。
※このお店は東京の日本橋人形町に本社のある老舗の肉料理専門店です。私も先日奮発して利用してみましたが、〝お礼の手紙〟の内容を実感するおもてなしを受けました。

〝美しき空席〟ロサンゼルス郊外の瀟洒なレストランでのこと
眼下に海を見下ろす瀟洒なレストランで夕食をとった時のこと。花をいっぱい飾って、2本の特別に大きなローソクをともした窓辺の予約席がありました。しかし、自分たちのデザートの時間になり、予約席のローソクがすっかり短くなっても誰も現れません。
マネージャーにわけを聞くと、そこには哀しいいわれがありました。

「ちょうど5年前の今夜、結婚式を挙げた若夫婦が、このテーブルでお祝いの食事をなさいました。船の乗組員のご夫婦で、やはり今夜のように花を飾りローソクを立てましてね、とても幸せそうでしたから私どももはっきり記憶しているのです。次の年の記念日もやはり二人で見えたのですよ。そして同じテーブルで食事をなさったのですが、3年目には5ドルの為替と電報だけが来たのです。奥さんは乳がんで亡くなられ、自分は航海中で来られない、しかしあのテーブルは自分たちのために予約済みにしてくれないかと。それから毎年決まって為替と電報が来るのです。去年はヨコハマ、今年はロンドンから…」

●ここまでで、十分「レストランのホスピタリティ」は発揮されていますが、それ以上に筆者の胸を打ったのは、このマネージャーが、送られてきた5ドル以上の花を飾り、従業員ともどもテーブルの近くを通るたび、そこにいない予約者への敬意を怠らず、また、その対価である5ドルを奥様の眠っている教会に、そのつど寄付をしていたとの記述でした。
母の本棚より拝借した『心に残る とっておきの話』より。 

夫婦のもとに運ばれてきた〝3人分のお子様ランチ〟
東京ディズニーランドに若い夫婦が訪れ、レストランでお子様ランチを注文しました。お子様ランチは9歳以下のメニューでマニュアルでは大人からのオーダーはお断りすることになっています。このとき、キャスト(ディズニーランドのアルバイトスタッフの呼称)の青年は、マニュアル通りではない対応をしました。

「失礼ですが、お子様ランチはどなたが?」
「私たち夫婦にやっと恵まれた娘は体が弱く、一歳の誕生日を待たずに亡くなりました。子供の一周忌に、いつかは子供と一緒にと思っていたディズニーランドに来 ました。マップに、ここにお子様ランチがあると書いてあったので思い出に・・・」 そう言って夫婦は目を伏せました。

キャストは「ご家族の皆さま、どうぞこちらのほうに」と 四人席の家族テーブルに夫婦を移動させ、それから子供用の椅子を一つ用意し、そして「お子さんはこちらに」とまるで亡くなった娘さんが生きているかのように小さな椅子に導きました。
しばらくして3人分のお子様ランチが運ばれてきました。
※株式会社オリエタルランド相談役・堀 貞一郎氏の講演より

●人それぞれに、悲しい別れがあります。私も、一瞬、時の流れを押しとどめる〝お盆〟という行事が、とても大切であることがわかる年齢にさしかかっているのかもしれません。そんな心情が手に取らせたのでしょうか、最近読んだ川本三郎著『いまも、君を想う』の中に、「弔いのホスピタリティ」そのものといえる、こんな一節がありました。この紹介を今回の結びといたします。

「神戸で地震があったあとに来日し、サントリーホールで演奏会を開いたチェロ奏者ロストロボーヴィチは、地震の死者を追悼するために最後にバッハの無伴奏チェロ組曲を弾いたが、その前に、マエストロは観客にこうお願いしたという。「死者を追悼するために弾くので、演奏のあとに拍手をしないでほしい。静かに祈りを捧げましょう」

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