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2010年9月11日 (土)

レストラン・飲食店のホスピタリティ⑤

今回で、このシリーズを終わりますが、最終回はレストランの接客者(ウェイター・ウェイトレス)の立場からホスピタリティを考えてみます。チップ制度のあるアメリカで、どのようなシチュエーションでチップが決まるのでしょうか。文献から2例紹介し、お客さま(対象はアメリカ人となりますが…)の心情に迫ってみたいと思います。

ミントキャンディーは、はたして〝チップの額〟に影響をおよぼすか?
研修シリーズ第9回(2010年4月24日)に名著として紹介した『影響力の武器』の続編ともいうべき『影響力の武器 実践編』が2009年に出版されましたが、その中に、ミントキャンディーの扱い方で、接客者にとって大切な収入源であるチップの額が大きく変わるという、大変興味深いことが書かれていますので紹介します。

3つの条件による実験が、微妙な顧客心理を見事に浮き上らせた
行動科学者によるある実験によると、チョコレートやキャンディーがチップの額に驚くほどの影響力があることが分かりました。「設定された3つの条件のうち、最初の条件では、伝票を渡す際にウェイターが客1人につき1つキャンディーを渡しました。キャンディーを全くもらわなかった人たちと比べて、この群のチップ平均額は3.3%と、わずかながら多くなっていました。」

レストランには不思議な〝キャンディー方程式〟が存在するらしい
「2番目の条件では、キャンディーの数を1人2つずつに増やしました。すると、1個いくらもしないキャンディーを足しただけなのに、何ももらわなかった場合と比べると、チップの額は14.1%も多くなりました。この結果は、何かをもらうとその分だけ返さなくてはならないと感じてしまう返報性の原理を知っていれば、当然予測可能です。では、どのような要因によって、こうした贈り物やサービスの説得力が増すのでしょうか。その答えは、3番目の条件の結果が教えてくれます。」

1個いくらもしないキャンディーがお客に〝魔法をかける〟瞬間
「3番目の条件では、ウェイターはまずキャンディーを1人1個ずつテーブルで渡しました。そして、いったん客のテーブルから離れる素振りを見せてから、途中でわざわざ戻ってきて、ポケットから2個目のキャンディーを人数分だけ取り出して渡したのです。この一連の動作は、客に対して「おっと、みなさんはいいお客さんですから、もう1つずつキャンディーをサービスしておきますよ」というふうに見えます。さて、結果をみると、この条件ではチップが23%も多くなっていました。」

キャンディーも使わず、もっとチップを増やす方法がある?
「ある調査では、客の言葉とまったく同じに注文を繰り返しただけ(言い換えも、うなずくのも、「はい」もなしで、ただその注文を一語一語繰り返すだけ)で、ウェイターに支払われるチップが70%も増えました。
なぜ、相手を正確に真似すると、その人からそれほど気前のよい反応を引き出すことができるのでしょうか。恐らくこれは、自分に似た人を好むという人間の持って生まれた性質に関係していると考えられます。」これも出典は上記と同じです。

●ホスピタリティというと、お客さまに喜んでいただける〝最良のおもてなし〟へと気持ちが一気に向かいがちですが、ミントキャンディーの例などを見ると(ただし、3番目のポケットから取り出すのは少々いただけませんが・・・)、接客側に多少の遊び心があってもよいような気がいたしました。また、ウェイターのオウム返しが効果絶大というのも面白いですね。ビジネスマナー研修の「報・連・相」では、相手の発言に対する〝確認の大切さ〟を必ず取り上げますが、このお話をすることで、講師の説得力が増しそうな気がいたします。

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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