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2010年11月20日 (土)

「面接担当官・就活研修から」⑤面接が担う いくつかの役割機能

このシリーズも今回が最終回です。テーマにしてきた「面接に関するキーワード」を中心に書き連ねてきましたが、キーワードだけでこれだけのボリュームになるとは、書き始めには想定外のことでした。しかし、〝生の声〟にこそ真実が隠されているのだということがわかり始めて、まだまだ書き足りないというのが正直な感想です。最終回は、面接官の役割を中心に書き、まとめとします。

面接という場面は、いくつかの役割機能を担っている
「『会社のことについて熱意を持って話してくれた』は印象がよいのに、『一方的に話された』というのは印象が悪い。この差はどうして出てくるのだろうか。それは、面接という場面は、いくつかの役割機能を担っているにもかかわらず、それを意識しないまま一部の役割機能のみにとらわれてしまうと、印象が悪くなりやすいということである。これらの役割機能をすべて意識して、バランスよく面接を行わないと、応募者からの印象に大きくマイナスの影響を及ぼすことになってくるわけである。」『採用力を確実に上げる 面接の強化書』には、このように書かれています。

キーワード「最初に本題と違うトークがあった」から連想する、落語の「まくら」
毛利元貞著『プロファイリングのプロが教える 面接で人を見抜く質問術』に以下文章があります。「面接官には、求職者の心理状況を理解したうえで、気遣う配慮が求められます。いきなり本題に入るようなことはせずに、面接開始から3~5分を『ウォーミングアップ』に使います。緊張や不安をほぐすため、面接官は何気ない会話を交わしつつ、お互いの『自己紹介』などを通じて、場を整えていきます。」

「このウォーミングアップは、落語の『まくら』に似ています。『まくら』とは、本題に入る前のイントロを示します。落語家は、短い小話を一つ二つしておいて、観客との息を合わせたところで、サッと本題に入るものです。時事ネタを使うこともあれば、自分の身の回りに起きた面白話や失敗談を使うこともあります。まずは身近なネタを用いて、お客さんの興味を引きつけるわけです。面接にも同じような方法を使います。プロファイリングを用いた面接術では、この『まくら』を大切にします。」

キーワード「自分の話を聞いてくれなかった」で思う、パレートの「20-80の法則」
マーケティングの世界では、パレートの「20-80の法則」が有名です。つまり、〝80%の売り上げは、20%の顧客からもたらされる〟といった考え方のようです。実は、面接でもこのバランスが大切だと、ほとんどの専門書が書いていますね。
そうです、面接中に面接官が話すのは20%に抑え、応募者に80%語らせることが大事なのだと。しかし、キーワードには「一方的に話された」もありました。どうも、面接を〝応募者をよく知り、理解する〟場ではなく、〝会社や面接官の立場を理解してもらう場〟と勘違いしている面接官が多いのではないでしょうか。

アメリカの「ゲイトウッド」が作った〝面接官の12の留意ポイント〟(右に該当するキーワード)
1.面接官が話しすぎて、必要な情報が得られない【←自分の話を聞いてくれなかった】
2.質問が場当たり的で、受験者すべてに共通な情報が少ししか得られない【←意図のわからない質問が多かった、どんな人を採りたいのか不明確】
3.職務遂行と関連のない質問をしやすい【←雑談のような話題ばかりだった】
4.受験者の緊張をほどくことができず、本音の情報を引き出せない【←高圧的・圧迫質問】
5.自信過剰で、軽率な判断に陥りやすい【←説教された、短所ばかり指摘された】
6.人物理解の枠組みが固定的で、ステレオタイプで人を判断しやすい【←形式的/マニュアル通りの質問】
7.表情、容姿、態度など、言語外の情報に左右されやすい【←内定したものの、自分のことが本当に欲しいのかわからなかった】
8.多くの応募者を一度に評価することにより、寛大化傾向、中心化傾向(当たり障りのない評価)、厳格化傾向などが現れる【←書類にメモばかりしていた、目を合わせず書類だけ見ている】
9.ひとつの優れた(あるいは劣った)点で全体を評価してしましやすい「ハロー(後光)効果」
10.前の応募者の質に影響を受けやすい「対比効果」
11.面接の最初の1分で評価をしてしましやすい(第一印象の影響)
12.自分と似た点を持った受験者を高く評価しやすい(自己類似好感効果)

●1~8まで、「面接の悪い印象のキーワード」がぴったり当てはまりましたので、「ゲイトウッド」の〝面接官の12の留意ポイント〟は、どうやら、このまま日本でも通用しそうです。前々回に警鐘を鳴らした、面接でのノンバーバル(非言語)コミュニケーションへの過信(特に第一印象)への戒めは、7と11に重複指摘されています。いずれの機会に、改めてこの問題を取り上げてみたいと思っています。

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