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2011年1月15日 (土)

メラビアンの法則⑧ 「表情」から感情を読み取る研究(2)ゴットマン他

先駆者ポール・エクマンの次は、「声の研究」及び前回も登場したジョン・M・ゴットマンです。氏の『「感情シグナル」がわかる心理学』(ダイヤモンド社)より、表情研究の歴史を振り返り、次に、表情の読み方から「ミクロの表情」と「本物の笑いかどうかを判断する3つの手掛かり」を紹介します。その後に、笑顔にちなむ山口百恵さんと桜田淳子さんの懐かしい話題を書き添えることにいたします。

表情の研究は、チャールズ・ダーウィンが〝起源〟なのだそうです
「イギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンが19世紀に行った調査で、ある種の感情については、世界中のどの民族も同じ表情で表現することが分かりました。ダーウィンは、宣教師など秘境に入った人たちに、現地の人々が喜びや怒りなどをどんな表情で表わすか、アンケート調査しました。地域によって違いがあれば、笑顔などの表情は文化的に形成されたものということになります。」

「調査の結果、笑顔などの表現は万国共通でした。そこからダーウィンは、ある種の表情は生まれつきのもの、生物学的に人類共通のものだと結論づけました。言い換えれば、うれしいときににっこりし、腹が立つときにふくれっ面をするのは、神経細胞ネットワークの「配線」と顔の筋肉の動きに組み込まれた反応なのです。そうした感情表現は、人間であることの一部といえます。」
※このダーウィンの仮説は、カリフォルニア大学サンフランスシコ校のポール・エクマンとウォーレス・フリーセン、メリーランド大学のキャロル・アイザードらの研究で1970年代に実証された、と、ゴットマンは同書に書いています。

深い感情は「ミクロの表情」と呼ばれ〝1秒の何分の1〟かの間にしか現れない
「深い感情を表す表情は瞬間的に現れて消えていくので、それに気づくには、ある程度の時間、相手の顔を見つめ続ける必要があります。〝1秒の何分の1〟かの間に、ちらっとかいま見える表情。心理学者が「ミクロの表情」と呼ぶ。ほんの一瞬の表情に貴重な情報が含まれています。本人が隠したがっている気持ちが、一瞬だけあらわになるのです。それほど深い意味のない表情、本人が意図的に相手に見せる表情ですら、10秒ほどしか続かないものです。思わず本音が漏れるような表情は、よほど注意して見ていないと見逃します。」

笑顔が本物かどうかを判断する3つの手がかりとは?(上記紹介書籍より)
ヘ% 頬の筋肉があがって、目尻の「カラスの足跡」ができるところに、しわができる。
ヘ% 左右対称の笑顔。つくり笑いはゆがむことが多い。右利きの人は左側、左利きの人は右側に偏った笑顔になる。
ヘ% タイミングが合う。本物の笑顔はパッと現れ、比較的長く続き、自然に消えていく。
こういう特徴がないなら、それはたぶん写真を写すときに「はい、チーズ」と言ってつくるような、感情のこもっていない笑顔でしょう。
※顔の左右対称については、後日、さらに詳しい日本人の研究を紹介する予定です。

●つくり笑いは見破られやすいとのことですが、前回紹介した『顔は口ほどに嘘をつく』(河出書房新社)にも「私たちは、顔面の筋肉や発声器官を制御する力に乏しく、身体の筋肉や言葉を制御する力に長けている。」との記述がありました。こうしたことから、自然な笑顔を瞬時につくる表情の制御力がスターの必須条件になるのでしょうが、山口百恵さんはこれが苦手だったとのこと。そのエピソード紹介の後は、どんなアイドルにも負けない〝赤ちゃんの微笑〟をもたらす最大の要素が〝人の顔〟だとする、興味深い観察を参考資料といたします。

桜田淳子は笑顔を1秒で作れ、山口百恵は笑顔への表情変化に10秒かかった
これは、阿久悠著『夢を食った男たち』(毎日新聞社)に出てくるお話です。「桜田淳子は笑顔を1秒で作れる。山口百恵は笑顔とわかる表情に変化するまで10秒かかる。この1秒と10秒の差は、全く別個性であることの証明で、大仰に言えば、14歳の少女が踏み歩いている人生の差、背負っている運命というものの重さの差、考えている幸福感への信頼の差、思い描くサクセスの差なのであるが、それらに気がつくのはもっと後である。後楽園ホール(1972年12月6日収録の第5回決戦大会で合格となる。ただしこの回の優勝者は韓国のシルビア・リーだった:山本注)での、2分少々の応募者と審査員の接触では、とてもわからなかった。」

●このエピソードを紹介している斎藤孝著『眼力 人を見抜く「カリスマの目」が持てる本!』(三笠書房)は、「山口百恵は、笑顔を作る遅さ、暗さ(阿久悠氏の周囲にいたスタッフは〝暗めの淳子がいますよ〟と言っていたくらいだったとか)が当時のアイドル観からすれば致命的な短所であった。だが、そのクセを技に変えられたら化ける。山口百恵はそれをやってのけたのだ。化ける可能性のある人というのは、クセの強い人である。一般的な見方で考えると、短所の多い人だ。その短所を潜在的な才能と見て、何かの拍子にプラスに転じることができれば、絶対値が大きい分、大化けする。」と解説されています。

【参考資料】 赤ちゃんは人の〝顔〟を注視しており、微笑の源も人の〝顔〟
福井康之編著『人と人とのかかわりの発達心理学』(福村出版)の「人の顔への好みと微笑反応」より、生後間もない赤ちゃんに関する記述から。
「生後3週間目ごろから、人の声や笛の音などによって誘発される微笑が観察される。顔いっぱいに広がる真の微笑みらしい微笑みがよく観察されるようになるのは生後6週間前後。この真の微笑を一番よく引き起こすのは人の顔(声も一緒に提示される方がなお良い)である。(中略)

乳児の視知覚についても、多数の研究によって、次のようなことが明らかになってきている。つまり、乳児は、無地よりもパターンのあるものを、直線よりも曲線を、無彩色よりも色のある刺激を、2次元で示した物体よりも3次元の物体を、単純なパターンよりも刺激的なパターンを、顔でないものよりも顔状のものを好んでよく見ることが知られている。

それの研究結果の成果であるが、生後5日前後の新生児でも、すでにより複雑なパターンを、特に顔状のものをよく注視していることが示されている。人の顔状の模様が出生直後から好まれることは、生得的な好みであることが示唆され、(中略)これも、先に共鳴動作やスピーチへの同調動作のところで述べたような、コミュニケーションの基礎や愛着形成の基礎として重要な役割を果たしていくことが予想されて興味深い。」

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