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2011年1月29日 (土)

メラビアンの法則⑩ 裏付けとなる「表情」の研究(1)日本人の研究①

『日本経済新聞』2010年11月25日の「春秋」に和辻哲郎氏が昭和10年(1935年)の随筆『面とペルソナ』に「顔面ほど不思議なものはない。誰かのことが意識に上ると、その名前と一緒に、必ず顔が出てくる。顔の視覚的な記憶なしには、人物を思い浮かべることはできない」と書いていたとありました。視覚的な記憶に残る表情が、その人の人物評価に大きく影響することは、大哲学者でも同じだったようです。さて、今回から2回は、日本人の手になる「表情」に関する研究(実験)を紹介します。その1回目は、これまでも何回か登場いただいた佐藤綾子氏です。

『読顔力』(PHP研究所)に紹介された  著名人が見せた決定的瞬間!
「ホンネ」はすべて顔に表れる(目次52項より抜粋。別項は参考資料として別記)
1 まばたきの急増は?           困惑と、ウソの図星(クリントン元大統領)
2 表情がクルクル変わるのは    「うまくしたい」演技欲求(クリントン元大統領)
3 舌唇の舌なめずりは?       無意識の焦りのサイン(元防衛事務次官M氏)
9 口の両端だけを小さく上げる笑いは?  「社交的余裕」なのです(小泉元首相)
22 唇を固く結んだ強いアイコンタクトは?       固い決意(ゴルフの宮里藍選手)
24 相手の視線を避けるのは?         「回避欲求」(女優の浅丘ルリ子さん)
25 眼を細く開けて見つめるのは?     内心の「疑い」(小沢民主党元幹事長)
27 遠くを見つめるような視線は?          夢と希望のサイン(ワタミ渡邉社長)
37 顔の表情変化が少なくなるのは? 鈍感か不調のサイン(安倍・福田元首相)
41 表情筋すべてに力が入って目も口も大きく開く話し方は? 
                                                                    達成感(ゴルフの石川遼選手)
42 閉じていた目を急に見開くのは?  
                                         何かを思いついた「覚醒」(菅直人議員:出版時点)
51 アゴを突きだし微笑んで、上から見下ろすのは?  
                                                                優越感と支配欲求(麻生元首相)
52 頬と目のまわりと口のまわりが一緒に収縮するのは?  
                                                 正直な喜びのサイン(女優の沼尻エリカさん)
※さすがに経験豊富な佐藤綾子氏の著書です。ぜひお目通し頂きたいと思います。

『メラビアンの法則』の根拠となった実験を、日本でやってみると・・・
佐藤綾子著『「言いたいこと」が言えない人たちへ』(PHP研究所)より
「私の研究室では、もう何年もの間、次のような顔の表情研究をしています。
これは『どうぞ』『どうも』というような簡単な言葉を使って、相手がこちらの自己表現に対して好感を持つか反感を持つかを、モデルを使ってビデオに映しておき、何人かの被験者に答えを聞くのです。

その結果、①顔の表情、②声などの周辺言語(声に関係するすべての音声要素)、③言葉の3つを変数とした場合、
好意の総計(トータル・ライキング)100%=顔の表情60%+周辺言語32%+言葉8%
という答えが出ています。好意の伝わる度合いは、顔の表情によるものが大きいというわけです。
このデータはアメリカのマレービアンの採った配分とほぼ同じものです。日米ともに、顔の表情が大変大きなメッセンジャーだということがお分かりでしょう。」
※『メラビアンの法則』は好意の総計=0.55+0.38+0.07(数値の並びは、佐藤氏の実験データの順番と同じ:山本注)。

一瞬の「読顔力」はどのくらい頼れるのか。読顔には何秒かかるのか? の実験
出典は佐藤綾子著『一瞬の表情で人を見抜く法』(PHP研究所)で、実験方法と結果は以下の通り。
「まず、男女7名の大学院生をビデオに採りました。彼らには、10秒間の簡単な自己紹介をしてもらいました。名前、趣味、将来のプランの3項目を話して終わりです。この7名を分析対象として、実際のデータを社会人と大学生によって採ることにしました。
次に、このビデオの音を消して、顔の表情だけを抽出して、2秒、5秒、10秒の画像を作りました。これを男女40人の社会人に見せました。(その後の大学生男女30人ずつ合計60人の大学生で実験した結果も同じだった)
『注意力を集中して、回答用紙に記入してください』という説明をして、第一印象を上位から3項目(36項目中)あげでもらったのです。実験結果の2つの結論は、
第一は、人は2秒で相手を正確に十分読み取れる。
第二は、最初の2秒の印象は、5秒観察しても、10秒観察しても変わらない。

つまり、初対面の相手に対して2秒で第一印象をつかみ出し、その印象は、5秒、10秒と画像を次々とコマ送りして延長しても、〈明るい〉〈まじめである〉〈たよりない〉〈元気である〉〈努力家である〉などの評価はまったく変化しなかったのです。
しかも、これらの印象は、実験サンプルとして協力してもらった7人の大学院生を丸1年間知っている私から見ても、同一評価を下す内容だったのです。」

●佐藤綾子氏は、研修シリーズ第34回の「メラビアンの法則」の初回でも紹介しましたが、日本のパフォーマンス学のパイオニアであり、非言語コミュニケーション分野での活躍は目を見張るものがあります。今回は、その佐藤綾子氏の実験・研究に焦点をあてましたが、大いに読み応えがあったのではないでしょうか。さて、最後は、今回最初に紹介したものの、その他項目(書籍中に著名人記載のない項目)一覧です。

【参考資料】 〈ホンネ〉はすべて顔に表れる 上記以外の38項目
4  横への泳ぎ目は?                             隠された自信のなさ
5  上向きの泳ぎ目は?                         過去の回想のはじまり
6  下向きの泳ぎ目は?                        「思案中です」のサイン
7  口もとだけ笑って目のまわりが動かないのは?              ウソツキ
8  アゴを上げ鼻腔をふくらませるのは?                 優越感と得意の絶頂
10 口を大きく開けた笑いは?                        愉快な気持ちの表れ
11 鼻に寄ったたてジワやよこジワは?                           嫌悪と軽蔑
12 眉間のシワは?                              口に出せない「ノー」
13 突然の目の見開きは?                     良くも悪くも驚きの表れ
14 ほんの少し眉が「ハの字」で、唇が「への字」になるのは?     深い悲しみ
15 「頬キュン・目尻デレッ」は?                               喜びと愉快さ
16 頬の筋肉だけが盛り上がるのは?                        「してやったり」
17 顔中の筋肉が垂れ下がるのは?                   「だた今、放心状態」
18 眉がほんの少しつり上がるのは?                        押し殺した怒り
19 左右の頬の筋肉が非対象に持ち上がるのは?              意地悪と悪巧み
20 目じりに「カラスの足跡」がでるのは?                          正直な嬉しさ
21 唇を小さくとがらせるのは?               幼児性か、不満の意志表示
23 相手を強く見つめるのは?                                 「説得欲求」
26 まぶたを閉じて無表情になるのは?                              しみと怒りと忍耐
28 額にシワを寄せたときは?                          こぼれ出た困惑の気持ち
29 相手と同じ方向へ視線を動かすのは?                                  好意の表れ
30 相手の目を見つめ微笑むのは?                          「親和欲求」を伝達中
31 下唇を噛むのは?                                                 悔しさと後悔
32 首を傾げるのは?                                         「疑問」の意志表示
33 アゴを引くのは?                                      「確信あり」の意志表示
34 アゴを突き出すのは?                                          「高慢チキ」の癖
35 鼻にシワを寄せた笑いは?                                           ズバリ、嘲笑
36 会議中に鼻の下をこするのは?                                           「思案中」
38 顔をパッと上気させるのは?                                シャイか怒りの露呈
39 顔が青くなるのは?                                          恐怖か怒りの反応
40 ちょっぴり目じりを下げた笑いは?                                   押し殺した快感
43 視線を外して筆記具をもてあそぶのは?        「適応動作」で欲求不満のしるし
44 目を見て小さなあいづちは?                                          同意と励まし
45 女性が「うつろな目」をして髪を指でもてあそぶのは? 「欲求不満」の見えかくれ   
46 眉間を揉むしぐさは?                              疲労と行き詰まりのサイン
47 両肩が上がった「出目金」状態は?                                       激しい恐怖
48 下まぶたがゆるんで、唇の両端を強く引いて上にあげるのは?  心からの幸福  49 コンスタントでまったく同じスマイルは?                        ゴマカシか詐欺師  
50 下からのすくい目は?                「あなたについていきます」の服従欲求

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