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2011年3月 5日 (土)

メラビアンの法則⑮ 採用(就職)面接(2)

前回『メラビアンの法則』のマレービアン博士が面接に言及したところを取り上げましたが、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションが採用(就職)面接で重要なポイントとなることは、他の文献にも数多く取り上げられています。以下に、その代表的な例をいくつかご紹介いたします。中には、過剰(誤)解釈と思われるものもありますが、ここでは面接に有効であるとの観点でご覧いただければと思います。

面接官の否定要素は〝非言語コミュニケーションから伝わる〟ものが上位を占める
出典は研修シリーズ第35回の『メラビアンの法則』②でも取り上げたV・P・リッチモンド&J・C・マクロスキー著『非言語行動の心理学 対人関係とコミュニケーションの理解のために』(北大路書房)です。
「ボヴィ&シルは、1983年の調査で、面接者が認める、採用面接で不採用とするかもしれない否定的な要素のトップ10を示している。10個のうち6個が非言語的要素である。以下がそのリストである。

1.個人の外見が貧弱(※)
2.横柄、過剰に積極的、うぬぼれが強い、優越感を持つ、知ったかぶりに見える(※)
3.自己をはっきりと表現できない:貧弱な声、話しぶり、文法(※)
4.経歴についての計画の欠如:無目的あるいは無目標(※)
5.興味と意気込みの欠如:受動的、無関心(※)
6.自信と平静の欠如:神経質、落ち着かない(※)
7.正規外の活動に参加しない
8.金銭を過剰に強調する:支払いの最もよい仕事にしか興味がない
9.学校の成績が悪い:何とか切り抜けただけ
10.下位からスタートするのに気が向かない:すぐに多くを期待する
※印がついた要素は、外見的特徴、動作学、周辺言語と音調学、時間学、表情、視線行動を含んだ、非言語行動の多様な面を扱うものである。これらの非言語行動は、仕事(人材?:山本注)市場で競争するためには重要なことである。」

●10要素中に6つも非言語コミュニケーションから伝わる要素が含まれていることは興味深いですね。ただし、「4.経歴についての計画の欠如」が非言語行動(上記解説では時間学に属するのでしょうが…)に含まれているというのは、率直に勉強不足であり、驚かされました。非言語コミュニケーションは奥が深いようです。

応募者に対する評価の80~90%が「第一印象」という面接官は多い
●面接官の戒めとして初頭効果(第一印象を引きずったまま評価をしてしまう)がありますが、この調査結果のようなランクで応募者を観察し、評価しているとしたら、面接官が初頭効果の弊害から抜け出すのは容易なことではありませんね(これからの面接官研修では、さらにこの点を強調しなければならないと、こちらも反省です)。

面接官の〝面接に臨む姿勢〟が違うと、応募者にも何らかの変化が生じるか?
●次は、面接官が応募者に対して積極的に非言語コミュニケーションをしかけたら、どのような効果あるかの研究です。M・L・パターソン著『非言語コミュニケーションの基礎理論』(誠信書房)という専門性の高い書籍からの抜粋ですので、少々難解(正直にいえばわかりにくい)表現がありますが、面接の場面における非言語コミュニケーションの有効性を物語る事例でもありますので、懲りずにお付き合いください。

〝非言語コミュニケーション上手な面接官〟だと応募者との関係は良好になる
「雇用面接では、面接者の非言語行動が求職者の行動を左右することがある。例えば、ある実験では、求職者は非言語的な手段を介して、面接者から採用あるいは不採用の返事を与えられた。求職者がどの条件に割り当てられているかを知らない観察者(実際には被験者)が評定した結果、採用条件の求職者は、不採用条件のものと比較して、リラックスし、気楽で、のんびりしていると評定されたのである。

また採用条件の求職者は、面接者に対して友好的でよく喋り、面接官に好ましい印象を与えるのに成功したとも評定されたのである。ところで、模擬面接場面を用いた研究でも同様の知見が報告されており、特に非言語的なレベルで面接者の熱意が伝わってくるような場合には(たとえば、凝視、ジェスチャー、微笑などを頻繁に行う)、それに応える形で求職者もまた、好意的な評価を受けるようになったのである。」

〝非言語コミュニケーション上手〟の89%が二次面接に進み、下手はゼロだった
「求職者に非言語的なレベルで関与度を高めると(たとえば、面接者の方を凝視するとか、やる気を見せるとか、このよう場面で望ましいとされるパラ言語的手掛かりをそれと組み合わせて使用する)と、面接者から高い好意的な評価を引き出すのに有効であった。高い非言語的関与度を示した求職者の89%がその後の二次面接にも呼び出されたが、低い関与度の求職者の場合は誰1人二次面接に呼び出されなかった。」

一般的には、求職者の非言語行動は、面接者が下す評価を左右するほどの影響力を持つと仮定されている。なぜなら、面接者は次の点で求職者の非言語行動に特に注意を払うと思われるからである。 (a)そうした非言語行動は求職者に関する正確な情報を収集するのに、非常に有効な手掛かりであること。 (b)そうした情報(特に否定的な情報)は、ことばであまり表現されないと考えられているからである。」

聞く面接官より、見ている面接官の方が正しい情報を大量に発見できるとの研究
出典はウェレン・ラム&エリザベス・ウォトソン著『ボディ・コード からだの表情』(紀伊国屋書店)です。さらに表現が難解ですが・・・。なお文中の()は山本注。
「ある実験が、17人の経験豊かな面接者を使って行われた。彼らは1人の候補者に自分自身初めて面接(一次面接)するように求められたのだが、2番目の機会(二次面接)には話をすべて同僚に任すように求められた。彼らは、(一次面接で)詳細を知っていたので、聞くのをやめ見るように求められた。1人(の面接者だけ)は全然これができなかったが、その他の人は2番目の「面接」(二次面接)によって候補者にまったく新しい印象を抱いたことを報告した。

聞く代わりに、単に自分を引き離して見つめることだけで、これらの面接者達は自分の判断に影響を与えるような新しい印象(採否にかかわる判断材料)を得たのである。もしも彼らがこの状況に関するすべての情報について正確な評価を下すことができたとしたら、遙かに素晴しい面接者となっていたことだろう! 彼らは、言葉によって耳をふさがれていただけではなく、行動を観察し評価する適切な方法も持たなかったのである。」

●面接の難しさは古今東西、いずこも同じようですね。非言語コミュニケーションの理解が進むにつれ、面接官は判断しやすくなったはずですが、相変わらず「面接官スキルアップ研修」が行われている現状(講師業を営む者にとってはありがたいのですが・・・)は、その片方で求職者への「対策研修」があるからでしょうか。
さて次回は、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの中から、面接に欠かすことのできない〝ウソ〟の見破り方について、私(山本)が「面接官スキルアップ研修」で実際に取り上げる内容の一部を紹介させていただきます。

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