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2011年3月19日 (土)

メラビアンの法則⑰ 採用(就職)面接(4)

マレービアン博士は『メラビアンの法則』とは別の研究で、「接近性と好意は、1枚のコインの裏表のようなものである。つまり、好意は接近性を促進し、接近性は行為を引き起こすのである」と書かれています。前回、M・L・パターソン著『非言語コミュニケーションの基礎理論』(誠信書房)から〝非言語コミュニケーション上手な面接官だと応募者との関係は良好になる〟を取り上げましたが、マレービアン博士の見解の裏付け研究のような感じがいたしますね。

●さて、採用(就職)面接シリーズの最終回は、ジュリアス・ファスト著『ボディ・ランゲージQ&A』(読売新聞社)より、面接の可能性と限界を知ることになるかもしれない、ある人事担当役員と著者との質疑応答を取り上げます。なお、今後ノンバーバル(非言語)コミュニケーションで取り上げる予定の”服装〟に関して、面接に失敗した女性とのQ&Aがありますので、概略を付記します。

●このシリーズをまとめる過程で、過剰(誤)解釈例があまりに多いのに改めて驚かされましたが、中にはノンバーバル(非言語)コミュニケーションの研究者・専門家の著作にも登場いたします。次回はその中からいくつかを紹介して、シリーズの締めくくりといたしますが、中には、「採用(就職)面接」対策がメインの就活本もありました。今回は、この事例を参考資料(過剰解釈部分太字)とさせていただきます。

Q.「面接試験で攻撃的タイプの人間を読み取るボディー・ランゲージは?」
ある工場の人事担当役員からの質問。「採用面接のとき独立的な精神の持ち主を何とか探したいといつも努力している。私(自身の)のボディー・ランゲージを使ってこのような独立型の人間を見つけることができるか? またこのようなタイプのボディー・ランゲージを読み取ることはできるか?」

A.意図的に「独立心の強い」振りを演じることができるので判断は難しい
著者のジュリアス・ファストの回答。「残念ながら、1つのパーソナリティ特性として、独立的であるかどうかを間違いなく調べることのできるような、そして信頼できるボディー・ランゲージの手がかりなどというものはありません。もし質問者が積極性と独立心を混同しているとすると・・・。これまでにも攻撃性をよい姿勢――つまり背筋がちゃんとしていて自信に満ちた姿勢――や「解放的で敏捷な顔つき」と結びつけて説明してきた人がいました。しかしこうした特徴はただ全体的な印象に過ぎないのであって、誰でもそういう振りをすることはできる。それは、依存的な人間も可能」

どういうタイプが「独立的」なのかについての科学的なアプローチ
『ジャーナル・オブ・ソーシャル・サイコロジー』にリポートされた、「ノース・ダコタ大学の心理学者マイケル・J・ゴールトンとジョン・D・タイラーの研究から。2人は、(ボディー・ランゲージを観察するだけではっきりしたことはわからないため)さまざまな心理検査を使って、学生たちがどのくらい依存的あるいは独立的であるかを明らかにするテストを行った。その結果、彼らは24人の学生――その半分ずつが依存型と独立型とに分類されている――を選び、そして彼らを対象として6分間のインタビューを行った。」

面接の6分間に、ポジティブとネガティブなボディー・ランゲージを使い分ける
「面接での質問はすべて、学生たちをエキサイトさせないようにあらかじめ計算された「非おどし型」のもとした。ただし、質問者のボディー・ランゲージは、前半の3分間のインタビューではポジティブなボディー・ランゲージ(学生と面と向かい、体は前にかたむけ、アイ・コンタクトをつねに保ち、そして何度もほほえみを浮かべた)を使い、後半の3分ではネガティブなボディー・ランゲージ(椅子にふんぞり返り、顔をそむけ、アイ・コンタクトを避け、ほほえみは一切浮かべない)を用いた。」

独立型も依存型も、面接者のボディー・ランゲージに同じ反応を示した???
「このインタビューは、隠しビデオで録画され、そして注意深く分析された。その結果、研究者たちが発見したのは、ポジティブなボディー・ランゲージに対しては、学生たちはすべてポジティブに反応し、ネガティブなボディー・ランゲージには、ネガティブに反応するということだった。つまり学生は、独立型であるか依存型であるかということには関係なく、面接者のボディー・ランゲージにそのまま反応しただけだったため、実験は失敗に終わった。しかし、ポジティブなボディー・ランゲージを使えば、相手から多くのことを聞き出せるという事実がこの実験から明らかになった。」

●ビジネスマンに採用面接時の印象を聞くと、大半が面接官のことをよく覚えています。採用の判定をしてくれたからと思いがちですが、どうやら、自分のポジティブな面を引き出してくれたノンバーバル(非言語)コミュニケーションに好感を抱いていたのかもしれませんね。このスキルは年齢とともに磨きがかかっても、劣化することはあまりないでしょうから、入社後も好印象が持続し、心の中に定着していくのかもしれません。さて次は、女性には関心の高い面接時の服装に関するQ&Aです。

Q.気に入らない洋服で面接試験を受けたら落ちましたが、関係あるでしょうか?
不採用になった求職中の女性からの質問。「たいして考えもしないで、あまり気に入っていない洋服を着て面接に行ってしまった。その結果時間がたつにつれ落ち着かなくなって、面接の際はもうメタメタで結果もダメ。この洋服の選択は不採用の原因と考えられるか?」

A.服装そのものよりも、自身の服装に対する態度の方が就職試験はマイナス
著者のジュリアス・ファストの回答。「おそらくそうだと思う。もっとはっきりいえば、あなたの服装に対する態度が、就職面接をダメにしたということだろう。わたしたちが周りの世界に投射しているイメージは、同時に私たちが自分自身の内側に投射しているイメージでもある。だから、このイメージに不満を持っている場合には、結局のところ私たちは、自分自身に不満を感じているということにもなる。着るものや顔、そして体の姿勢、等々は私たち自身についてのステートメントであり、同時にまた自分自身についてどのように感じているかを物語っている。」

アドバイス:就職のための面接では、自信の持てる快適な服装を心掛けること!
「私のライフスタイルはカジュアルなのよ」といつも言っている女性が、ジーンズとTシャツ姿でいて、このステートメントがうまくその目的を達しているさまが、彼女が会った人たちの目の表情に見られるとき、それはさらに彼女の態度をより強くするかたちでフィードバックされることになる。
就職のための面接、あるいは似たような状況でうまくやるためには、あなたが着ているものが快適であるという自信を持つべきです。自信があれば、その感じは表面に現れてくる。」

【参考資料】 上田晶美著『ハナマル式就活のすべて』(学習研究社)より
アメリカの心理学者マレビアンは、人の第一印象に関する実験を行い、以下のような結果を得た。
第一印象の構成要素
見た目 55%、 ②声、話し方 38%、③話の内容 7%
これに従えば、やはり第一印象の構成要素は「見た目」が大きいということになる。服装や動作、振る舞いについて、きちんとできるように確認しておこう。
意外と大きい要素が「話し方」だ。大きな声で名前を言うだけで、「元気がよさそう」という印象になる。
「話の内容」は第一印象ではあまり関係ないように思えるが、もちろん面接全体ではこれが一番重要になる。
「人は見かけが9割」なんて言う人もいるくらいだが、マレビアンの実験を見ると、意外と「話し方、声の大きさ」などの比重が高いことがわかるだろう。特に就職活動は誰もが似たようなダーク系のスーツを着ていて、あまり見た目の差がつかない。だからこそ、声で違いが出る。大きな声を出せば健康そうに見える。実際に健康かどうかも重要だが、健康そうに見えることも重要だ。

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