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2011年3月

2011年3月26日 (土)

メラビアンの法則⑱ こんなにもある過剰(誤)解釈例

今回は、「メラビアンの法則」に対する過剰(誤)解釈」事例(該当部分太字)です。これまでに取り上げた事例は、・ジャネット・G・エルシー著『4分間交渉術』(TBSブルタニカ)・ジョン・M・ゴットマン&ナン・シルバー『愛する二人別れる二人――結婚生活を成功させる七つの原則』(第三文明社) ・ジョン・M・ゴットマン&ジョアン・デクレア著『「感情シグナル」がわかる心理学』(ダイヤモンド社) ・竹内一郎著『人は見た目が9割』(新潮新書) ・上田晶美著『ハナマル式就活のすべて』(学習研究社)でした。

ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの研究者・専門家の書籍から
ウェレン・ラム&エリザベス・ウォトソン著『ボディ・コード からだの表情』(紀伊国屋書店)より
「行動の観察は、厳密な原則とその原則から正しく理解され得ることについての明快な知識とに依存している。しかし、言葉を使わない(ノン・バーバル)行動に気づいていれば、言葉だけに頼る場合よりも、ずっと自分たちの置かれた状況について敏感で注意深く博識でいられるということも、やはり真実なのである。ある研究者(アルバート・メーラビアン)が厳密な研究法を使って発見したところによれば、人々を一緒にして何かについて話し合うように設定された形式ばらない会合では、獲得された知識のわずか7%が実際に話された言葉から引き出されたものであった。その会合で伝わった新たな知識は、38%が人々の語調から、55%がそれに伴う身体の動作から得られたのである。」
ジョン・M・ゴットマン&ジョアン・デクレア著『「感情シグナル」がわかる心理学』(ダイヤモンド社)※第37回に紹介済み。

「顔の表情」がボディー・ランゲージ(含むイメージ)に置き換えられている例
ニコラズ・ブースマ著『90秒で“相手の心をつかむ!”技術』(三笠書房)より
1967年に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学教授(現・名誉教授)のアルバート・メーラビアンが、コミュニケーションに関する有名な研究を行った。その結論で教授はこう報告している。
「送り出すメッセージを相手に信じてもらうためには、コミュニケーションの3つのV(外見〈Visual〉、声の調子〈Vocal〉、言葉〈Verbal〉)で、同じ内容のシグナルを発していなければならない」
「矛盾するコミュニケーションを解読する」と題した論文で、教授は、コミュニケーションの3つのVが発するメッセージを、相手はどんな割合で重視しているかを報告した。
調査の結果、外見(ボディランゲージなど)が55%、声の調子が38%、言葉が7%の割合で、相手はメッセージを受け止めていることがわかった。
3つの単語の頭文字をとって、教授はこれを「コミュニケーションの3つのV」と名づけた。この3つのVが互いに矛盾するメッセージを送っていれば、相手に信用してもらえない。

ブライアン・トレーシー&ロン・アーデン共著『魅せる力』(ダイヤモンド社)より
UCLAのアルバート・メラビアン博士は、コミュニケーションに関する重要な実験を行っています。その実験から博士は、人と人の直接的なコミュニケーションの場合、ボディランゲージがメッセージの55%を占めている、と結論づけています。さらには、声のトーンがメッセージの38%を占め、言葉そのものはわずか7%でしかないことを明らかにしています。人間にはボディランゲージを瞬間に読み取ってその人を判断してしまう驚くべき能力があるのです。

「顔の表情」が「視覚情報」or「視覚要素」に置き換えられている例
リカルド・ベリーノ著『3分間で成功を勝ち取る方法』(ゴマブックス)より
カリフォルニア大学の名誉教授(心理学)でボディランゲージ研究の草分けとも言えるアルバート・メーラビアンは、40年以上にわたってこの研究をしている。
彼は、対面しての会話でメッセージを伝える際に作用するさまざまな要素を分類した。そして、調査結果に基づいて、メッセージを伝える上での重要度に応じたパーセンテージをふり分けた。以下はそれをまとめたものだ。
コミュニケーションの3つのV
1 言語要素(Verbal Elements) 言葉・単語・・・・・7%
2 音声要素(Vocal Elements) 声のトーン・抑揚・声の質・リズム・間・語尾・感嘆詞・・・・・38%
3 視覚要素(Visual Elements) イメージやボディランゲージといった言語・音声以外の要素・・・・・55%
なんと、成功するためには視覚要素の方が言語・音声要素よりも大きいのである。しかも言語・音声で見ても、言葉
そのものの意味よりも、それを話すトーンの影響の方が大きくなっている。
言い換えれば、中味も大切だが、その中味をどう伝えるかはもっと大切だということだ。大して重要でないメッセージでも、情熱を持って一所懸命に伝える人の方が、すばらしいメッセージなのにだらだらと退屈な言い方で伝える人よりも関心を持ってもらえるのだ。

小谷重徳編著、河瀬雅秀著『サービス業の経営革新』(日科技連出版社)より
ある研究によると、人を判断する情報としては目から得られる「視覚情報」が55%で、話す言葉で得られる「言語情報」は7%にすぎないという結果がある。

非言語部分が9割or93%と、ひとくくりに表現されている例
ダニエル・ゴールマ著『EQ~こころの知能指数』(講談社)より
理性が言語モードであるのに対し、情動は非言語モードだ。ある人の発言内容がその人の声の調子や身ぶりその他の非言語的メッセージと矛盾する場合、本当の気持ちはその人が「何を」言うかではなく、「どのように」言うかに表れる。感情のメッセージは9割以上が非言語的手段によって伝えられる、というのがコミュニケーション研究における経験則だ。

小暮桂子&青木かおり共著『感性がビジネスを支配する ビジネスを変える非言語コミュニケーション』(ファーストプレス)より
実は、人間は初対面の相手に対する印象を作るときに、93%もの部分を話している内容(コンテンツ)以外の要素、たとえば話し方や声、装い、しぐさ、表情などといったコンテクストから判断しています。

●以上、各項目で2例ずつ紹介させていただきました。『メラビアンの法則』を取り上げている書籍は、心理学の研究者以外のものでは、そのほとんどが過剰(誤)解釈例と思われますが、マレービアン博士のお膝元のアメリカでこれだけ数多くの過剰(誤)解釈(その発生経緯については第35回に詳述)が溢れていれば、日本での現状はある程度やむを得ないのかもしれません。
今回最後にご紹介するのは、過剰解釈もある程度受け入れられるのではとの、日本の権威のお一人からの見解です。

式にはしぐさの影響力が含まれないが、非言語チャンネルに補完的に組み込まれ…
工藤力著『しぐさと表情の心理分析』(福村出版)より
「この式では、感情を伝達する手段の93%は非言語のチャンネルであり、ことばのインパクトは、わずかに7%に過ぎないことを示しています。私たちの研究では、顔と声のチャンネルのインパクトに関する結果は、マレービアンらのこの式をほぼ支持しています。この式には、しぐさの影響力が含まれていませんが、おそらく、この式の非言語チャンネルに補完的に組み込まれていて、現実には、一定の寄与をしていると考えていいでしょう。こうしたしぐさの各チャンネルは、感情の強度に貢献しているとみなすことができます。」

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2011年3月19日 (土)

メラビアンの法則⑰ 採用(就職)面接(4)

マレービアン博士は『メラビアンの法則』とは別の研究で、「接近性と好意は、1枚のコインの裏表のようなものである。つまり、好意は接近性を促進し、接近性は行為を引き起こすのである」と書かれています。前回、M・L・パターソン著『非言語コミュニケーションの基礎理論』(誠信書房)から〝非言語コミュニケーション上手な面接官だと応募者との関係は良好になる〟を取り上げましたが、マレービアン博士の見解の裏付け研究のような感じがいたしますね。

●さて、採用(就職)面接シリーズの最終回は、ジュリアス・ファスト著『ボディ・ランゲージQ&A』(読売新聞社)より、面接の可能性と限界を知ることになるかもしれない、ある人事担当役員と著者との質疑応答を取り上げます。なお、今後ノンバーバル(非言語)コミュニケーションで取り上げる予定の”服装〟に関して、面接に失敗した女性とのQ&Aがありますので、概略を付記します。

●このシリーズをまとめる過程で、過剰(誤)解釈例があまりに多いのに改めて驚かされましたが、中にはノンバーバル(非言語)コミュニケーションの研究者・専門家の著作にも登場いたします。次回はその中からいくつかを紹介して、シリーズの締めくくりといたしますが、中には、「採用(就職)面接」対策がメインの就活本もありました。今回は、この事例を参考資料(過剰解釈部分太字)とさせていただきます。

Q.「面接試験で攻撃的タイプの人間を読み取るボディー・ランゲージは?」
ある工場の人事担当役員からの質問。「採用面接のとき独立的な精神の持ち主を何とか探したいといつも努力している。私(自身の)のボディー・ランゲージを使ってこのような独立型の人間を見つけることができるか? またこのようなタイプのボディー・ランゲージを読み取ることはできるか?」

A.意図的に「独立心の強い」振りを演じることができるので判断は難しい
著者のジュリアス・ファストの回答。「残念ながら、1つのパーソナリティ特性として、独立的であるかどうかを間違いなく調べることのできるような、そして信頼できるボディー・ランゲージの手がかりなどというものはありません。もし質問者が積極性と独立心を混同しているとすると・・・。これまでにも攻撃性をよい姿勢――つまり背筋がちゃんとしていて自信に満ちた姿勢――や「解放的で敏捷な顔つき」と結びつけて説明してきた人がいました。しかしこうした特徴はただ全体的な印象に過ぎないのであって、誰でもそういう振りをすることはできる。それは、依存的な人間も可能」

どういうタイプが「独立的」なのかについての科学的なアプローチ
『ジャーナル・オブ・ソーシャル・サイコロジー』にリポートされた、「ノース・ダコタ大学の心理学者マイケル・J・ゴールトンとジョン・D・タイラーの研究から。2人は、(ボディー・ランゲージを観察するだけではっきりしたことはわからないため)さまざまな心理検査を使って、学生たちがどのくらい依存的あるいは独立的であるかを明らかにするテストを行った。その結果、彼らは24人の学生――その半分ずつが依存型と独立型とに分類されている――を選び、そして彼らを対象として6分間のインタビューを行った。」

面接の6分間に、ポジティブとネガティブなボディー・ランゲージを使い分ける
「面接での質問はすべて、学生たちをエキサイトさせないようにあらかじめ計算された「非おどし型」のもとした。ただし、質問者のボディー・ランゲージは、前半の3分間のインタビューではポジティブなボディー・ランゲージ(学生と面と向かい、体は前にかたむけ、アイ・コンタクトをつねに保ち、そして何度もほほえみを浮かべた)を使い、後半の3分ではネガティブなボディー・ランゲージ(椅子にふんぞり返り、顔をそむけ、アイ・コンタクトを避け、ほほえみは一切浮かべない)を用いた。」

独立型も依存型も、面接者のボディー・ランゲージに同じ反応を示した???
「このインタビューは、隠しビデオで録画され、そして注意深く分析された。その結果、研究者たちが発見したのは、ポジティブなボディー・ランゲージに対しては、学生たちはすべてポジティブに反応し、ネガティブなボディー・ランゲージには、ネガティブに反応するということだった。つまり学生は、独立型であるか依存型であるかということには関係なく、面接者のボディー・ランゲージにそのまま反応しただけだったため、実験は失敗に終わった。しかし、ポジティブなボディー・ランゲージを使えば、相手から多くのことを聞き出せるという事実がこの実験から明らかになった。」

●ビジネスマンに採用面接時の印象を聞くと、大半が面接官のことをよく覚えています。採用の判定をしてくれたからと思いがちですが、どうやら、自分のポジティブな面を引き出してくれたノンバーバル(非言語)コミュニケーションに好感を抱いていたのかもしれませんね。このスキルは年齢とともに磨きがかかっても、劣化することはあまりないでしょうから、入社後も好印象が持続し、心の中に定着していくのかもしれません。さて次は、女性には関心の高い面接時の服装に関するQ&Aです。

Q.気に入らない洋服で面接試験を受けたら落ちましたが、関係あるでしょうか?
不採用になった求職中の女性からの質問。「たいして考えもしないで、あまり気に入っていない洋服を着て面接に行ってしまった。その結果時間がたつにつれ落ち着かなくなって、面接の際はもうメタメタで結果もダメ。この洋服の選択は不採用の原因と考えられるか?」

A.服装そのものよりも、自身の服装に対する態度の方が就職試験はマイナス
著者のジュリアス・ファストの回答。「おそらくそうだと思う。もっとはっきりいえば、あなたの服装に対する態度が、就職面接をダメにしたということだろう。わたしたちが周りの世界に投射しているイメージは、同時に私たちが自分自身の内側に投射しているイメージでもある。だから、このイメージに不満を持っている場合には、結局のところ私たちは、自分自身に不満を感じているということにもなる。着るものや顔、そして体の姿勢、等々は私たち自身についてのステートメントであり、同時にまた自分自身についてどのように感じているかを物語っている。」

アドバイス:就職のための面接では、自信の持てる快適な服装を心掛けること!
「私のライフスタイルはカジュアルなのよ」といつも言っている女性が、ジーンズとTシャツ姿でいて、このステートメントがうまくその目的を達しているさまが、彼女が会った人たちの目の表情に見られるとき、それはさらに彼女の態度をより強くするかたちでフィードバックされることになる。
就職のための面接、あるいは似たような状況でうまくやるためには、あなたが着ているものが快適であるという自信を持つべきです。自信があれば、その感じは表面に現れてくる。」

【参考資料】 上田晶美著『ハナマル式就活のすべて』(学習研究社)より
アメリカの心理学者マレビアンは、人の第一印象に関する実験を行い、以下のような結果を得た。
第一印象の構成要素
見た目 55%、 ②声、話し方 38%、③話の内容 7%
これに従えば、やはり第一印象の構成要素は「見た目」が大きいということになる。服装や動作、振る舞いについて、きちんとできるように確認しておこう。
意外と大きい要素が「話し方」だ。大きな声で名前を言うだけで、「元気がよさそう」という印象になる。
「話の内容」は第一印象ではあまり関係ないように思えるが、もちろん面接全体ではこれが一番重要になる。
「人は見かけが9割」なんて言う人もいるくらいだが、マレビアンの実験を見ると、意外と「話し方、声の大きさ」などの比重が高いことがわかるだろう。特に就職活動は誰もが似たようなダーク系のスーツを着ていて、あまり見た目の差がつかない。だからこそ、声で違いが出る。大きな声を出せば健康そうに見える。実際に健康かどうかも重要だが、健康そうに見えることも重要だ。

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2011年3月12日 (土)

メラビアンの法則⑯ 採用(就職)面接(3)

面接では、入室してきたときの第一印象(初頭効果)が評価に大きく影響する傾向があるようです。仮に、第一印象がよかった場合は特に、面接官はこの評価に矛盾するメッセージ(マレービアン博士によればインプレッション)が応募者から発せられるかどうかを見極める必要があります。
最近の応募者は面接対策がかなりできているので、言葉(バーバル)で読み取るのは難しいと言われています。そうなると、非言語(ノンバーバル)領域の観察が重要となり、『メラビアンの法則』が大変重要な意味を持ってくることになります。

●私(山本)が「面接官スキルアップ研修」を担当させていただき、時間的ゆとりがある場合に限りますが、面接場面のロールプレイングで、この矛盾するメッセージ(ウソ)を応募者に意図的に演じてもらうことがあります。以下にその概略を記し、研修の際に解説で使うさまざまな事例のうちから、いくつかをご紹介いたします。
なお、ウソの見分け方にもそれぞれの解釈があるようですので、ここでは『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』(ジョー・ナヴァロ&マーヴィン・カーリンズ著/河出書房新社)に取り上げられたものに限定して、3つのサインを示した後に、著者が実際に体験した生々しい現場を再現することにいたします。

山本志のぶ「面接官スキルアップ研修」での〝ウソ〟3つのサインとシグナル例
(1)顔にかかわるサイン:「一瞬目を閉じる」「唇をきつく結ぶか、唇を隠す」「首をかしげながらイエスという、もしくは、ノーと言いながらうなずく」
(2)なだめの行動のサイン:「膝をこする」「手を首か顔に持っていく」「首をかしげながらイエスという、もしくは、ノーと言いながらうなずく」
(3)足or脚のサイン:「足をいすの下の方に10センチほど引く」「足のつま先を広げる」「足のかかとを上げ下げする」

顔にかかわるサインから 「一瞬のまばたきで警備員のウソを見破った」例
「97名の犠牲者を出したプエリトリコのホテル火災で、放火犯として捜査線上に浮かびあがった警備員にいくつかの質問をした。その折、「出火当時どこにいたのか?」の質問に対してだけ「目をふさぐ動作」が表れた。ところがおかしなことに、「放火したのか?」というと質問には不安な様子を見せない。この反応から、男は放火にかかわったのではなく、出火当時の居場所に隠さなければならない事情があると判断。問い詰めると、勤務中に持ち場を離れ、ガールフレンドに会いに行っていたことが分かった。」

顔にかかわるサインから 「共犯者の写真を見ると瞳孔が収縮し見破られた」例
「スパイの尋問で、共謀者を突き止める際に、縦3インチ横5インチ(7.5㎝×13㎝)のカード32枚をこのスパイに見せた。そこには彼が一緒に仕事をしたことがあり、彼を助けた可能性のある人物の名前が一つずつ書かれていた。その名前の人物について語らせる作業中、男は特に2つの名前を見たときに目がまず大きく広がり、次にすぐ瞳孔が縮んで、わずかに目を細めた。無意識のうちにそれらを見たくないと思ったか、何らかの危険を感じているのが明らかとなった。」

なだめの行動のサインから 「ストレスを感じると、本能的に手が身体に向かう」
「わしたちはストレスを感じると、首をそっと撫でたり、顔をさすったり、髪の毛をもてあそんだりする。本人は無意識なのに、脳が「今すぐ、なだめて」というメッセージを出すから、直ちに手が反応し、自分を快適な状態に戻す行動を起こしているにすぎない。
膝をこするしぐさは嫌な出来事があるとすぐ現れるので、とても大切だ(膝をこするしぐさは、脳がなだめを求めていることを示す)。膝をこするしぐさが強まったり、回数が増えたりすれば、ウソをついているのか、または話したくない話題に質問が近付いたのかもしれない。」

足or脚のサインから 「逃げる方向に自然と足が向いてしまってバレル!」
●税関の申告をするとき、からだを検査官の方に向けながら足先を出口に向けている旅行客は、乗り継ぎを急いでいるだけの可能性もあるが、その行動は疑いを抱くに十分とのこと。研究によれば、検査官に「申告するものは何もありあません」と言いながら足先をそむけている人は、申告すべきものを隠し持っている可能性が高いことがわかっているそうです。

ボディー・ランゲージから 「左に曲がったと言いながら手は右を差した」例
ある事件の容疑者の尋問では、男の言葉はなるほどと思わせるもので、内容も理にかなっていた。綿の畑を抜けてから左に曲がり、歩いてまっすぐ家に帰ったのだという。ところが、このとき、容疑者は口では左に曲がったと言っているのに、手で右の方向を指していた。右方向には事件現場に通じる道があった。

ボディー・ランゲージから 「面接のとき手をテーブルの上に出すと印象が良い」
「学生相互に面接をする実験で、会話の間半数は手を机の下に隠し、残りの半数は手を見えるようにさせた。15分の面接の後の手を隠していた学生たちへの評価は、「落ち着きがない」「引っ込み思案(本心を明かさない)」「ずるい」「何かをごまかしている」。一方、手を見せていた方は、「率直で親しみやすい」とみなされ、何かをごまかしているとされた学生は一人もいなかった。」

●上の例はテーブル越しの面接例ですが、この分野の研究者によると、テーブル越しだとボディ・ランゲージの80%が隠れてしまうそうです。その点椅子での面接は応募者の発する非言語メッセージを観察しやすいメリットがあります。にもかかわらず、面接官が書類ばかり見ている(ということは、サインを見逃しているので、ウソをついた応募者はラッキー!)との応募者からの指摘も多いようです。

ボディー・ランゲージを読み取る視線は「上から下」ではなく「下から上」へ
「ボディー・ランゲージを読み取ろうとするとき、相手の顔から観察をはじめ、上から下へと焦点を移動させていく人が多い。ところが、虚勢を張って本心を隠すために一番よく利用されるのが顔だ。だから私のアプローチは全く逆になる。FBIで無数の事情聴取をこなしてきた私は、最初に容疑者の足と脚に注目しそこから少しずつ観察の対象を上に移していって、最後に顔の表情を読み取ることを覚えた。正直さという点についていうなら、足から頭に移るにつれて誠実さは薄れていく。
顔の表情に人をだます性質があるのは当然だろう。私たちが顔でウソをつくのは、小さい頃からそう教えられて育ったからだ。子どもが目の前に置かれた料理に正直嫌な顔をすれば、『そんな顔をしないで』と、親に一喝される。」

●このように、物ごころついてから鍛えられてきている(『なぜ人は10分間に3回嘘をつくのか――嘘とだましの心理学』という本があるくらいですから…)ので、ウソを見分けるのはとても難しいのでしょうね。1980年代に始まったいくつもの研究によれば、大半の人たち(裁判官、弁護士、臨床家、警察官、FBI捜査官、政治家、教師、母親、父親、配偶者を含む)にとって、ウソを暴く確率は五分五分しかない。ウソ発見器でさえ、操作する人によって60%から80%の精度しかないそうです。

●ウソを含むボディ・ランゲージに関する「8つの俗説とその真実」という興味深いものが2006年刊行の『ハーバード・ビジネススキル講座 対話力』(ダイヤモンド社)に掲載されています。『メラビアンの法則』シリーズ(20回を予定)終了後に、ボディ・ランゲージを取り上げる予定ですので、その折に詳しくご紹介いたしますが、次回その予告編的に、面接でのボディ・ランゲージを取り上げます。

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2011年3月 5日 (土)

メラビアンの法則⑮ 採用(就職)面接(2)

前回『メラビアンの法則』のマレービアン博士が面接に言及したところを取り上げましたが、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションが採用(就職)面接で重要なポイントとなることは、他の文献にも数多く取り上げられています。以下に、その代表的な例をいくつかご紹介いたします。中には、過剰(誤)解釈と思われるものもありますが、ここでは面接に有効であるとの観点でご覧いただければと思います。

面接官の否定要素は〝非言語コミュニケーションから伝わる〟ものが上位を占める
出典は研修シリーズ第35回の『メラビアンの法則』②でも取り上げたV・P・リッチモンド&J・C・マクロスキー著『非言語行動の心理学 対人関係とコミュニケーションの理解のために』(北大路書房)です。
「ボヴィ&シルは、1983年の調査で、面接者が認める、採用面接で不採用とするかもしれない否定的な要素のトップ10を示している。10個のうち6個が非言語的要素である。以下がそのリストである。

1.個人の外見が貧弱(※)
2.横柄、過剰に積極的、うぬぼれが強い、優越感を持つ、知ったかぶりに見える(※)
3.自己をはっきりと表現できない:貧弱な声、話しぶり、文法(※)
4.経歴についての計画の欠如:無目的あるいは無目標(※)
5.興味と意気込みの欠如:受動的、無関心(※)
6.自信と平静の欠如:神経質、落ち着かない(※)
7.正規外の活動に参加しない
8.金銭を過剰に強調する:支払いの最もよい仕事にしか興味がない
9.学校の成績が悪い:何とか切り抜けただけ
10.下位からスタートするのに気が向かない:すぐに多くを期待する
※印がついた要素は、外見的特徴、動作学、周辺言語と音調学、時間学、表情、視線行動を含んだ、非言語行動の多様な面を扱うものである。これらの非言語行動は、仕事(人材?:山本注)市場で競争するためには重要なことである。」

●10要素中に6つも非言語コミュニケーションから伝わる要素が含まれていることは興味深いですね。ただし、「4.経歴についての計画の欠如」が非言語行動(上記解説では時間学に属するのでしょうが…)に含まれているというのは、率直に勉強不足であり、驚かされました。非言語コミュニケーションは奥が深いようです。

応募者に対する評価の80~90%が「第一印象」という面接官は多い
●面接官の戒めとして初頭効果(第一印象を引きずったまま評価をしてしまう)がありますが、この調査結果のようなランクで応募者を観察し、評価しているとしたら、面接官が初頭効果の弊害から抜け出すのは容易なことではありませんね(これからの面接官研修では、さらにこの点を強調しなければならないと、こちらも反省です)。

面接官の〝面接に臨む姿勢〟が違うと、応募者にも何らかの変化が生じるか?
●次は、面接官が応募者に対して積極的に非言語コミュニケーションをしかけたら、どのような効果あるかの研究です。M・L・パターソン著『非言語コミュニケーションの基礎理論』(誠信書房)という専門性の高い書籍からの抜粋ですので、少々難解(正直にいえばわかりにくい)表現がありますが、面接の場面における非言語コミュニケーションの有効性を物語る事例でもありますので、懲りずにお付き合いください。

〝非言語コミュニケーション上手な面接官〟だと応募者との関係は良好になる
「雇用面接では、面接者の非言語行動が求職者の行動を左右することがある。例えば、ある実験では、求職者は非言語的な手段を介して、面接者から採用あるいは不採用の返事を与えられた。求職者がどの条件に割り当てられているかを知らない観察者(実際には被験者)が評定した結果、採用条件の求職者は、不採用条件のものと比較して、リラックスし、気楽で、のんびりしていると評定されたのである。

また採用条件の求職者は、面接者に対して友好的でよく喋り、面接官に好ましい印象を与えるのに成功したとも評定されたのである。ところで、模擬面接場面を用いた研究でも同様の知見が報告されており、特に非言語的なレベルで面接者の熱意が伝わってくるような場合には(たとえば、凝視、ジェスチャー、微笑などを頻繁に行う)、それに応える形で求職者もまた、好意的な評価を受けるようになったのである。」

〝非言語コミュニケーション上手〟の89%が二次面接に進み、下手はゼロだった
「求職者に非言語的なレベルで関与度を高めると(たとえば、面接者の方を凝視するとか、やる気を見せるとか、このよう場面で望ましいとされるパラ言語的手掛かりをそれと組み合わせて使用する)と、面接者から高い好意的な評価を引き出すのに有効であった。高い非言語的関与度を示した求職者の89%がその後の二次面接にも呼び出されたが、低い関与度の求職者の場合は誰1人二次面接に呼び出されなかった。」

一般的には、求職者の非言語行動は、面接者が下す評価を左右するほどの影響力を持つと仮定されている。なぜなら、面接者は次の点で求職者の非言語行動に特に注意を払うと思われるからである。 (a)そうした非言語行動は求職者に関する正確な情報を収集するのに、非常に有効な手掛かりであること。 (b)そうした情報(特に否定的な情報)は、ことばであまり表現されないと考えられているからである。」

聞く面接官より、見ている面接官の方が正しい情報を大量に発見できるとの研究
出典はウェレン・ラム&エリザベス・ウォトソン著『ボディ・コード からだの表情』(紀伊国屋書店)です。さらに表現が難解ですが・・・。なお文中の()は山本注。
「ある実験が、17人の経験豊かな面接者を使って行われた。彼らは1人の候補者に自分自身初めて面接(一次面接)するように求められたのだが、2番目の機会(二次面接)には話をすべて同僚に任すように求められた。彼らは、(一次面接で)詳細を知っていたので、聞くのをやめ見るように求められた。1人(の面接者だけ)は全然これができなかったが、その他の人は2番目の「面接」(二次面接)によって候補者にまったく新しい印象を抱いたことを報告した。

聞く代わりに、単に自分を引き離して見つめることだけで、これらの面接者達は自分の判断に影響を与えるような新しい印象(採否にかかわる判断材料)を得たのである。もしも彼らがこの状況に関するすべての情報について正確な評価を下すことができたとしたら、遙かに素晴しい面接者となっていたことだろう! 彼らは、言葉によって耳をふさがれていただけではなく、行動を観察し評価する適切な方法も持たなかったのである。」

●面接の難しさは古今東西、いずこも同じようですね。非言語コミュニケーションの理解が進むにつれ、面接官は判断しやすくなったはずですが、相変わらず「面接官スキルアップ研修」が行われている現状(講師業を営む者にとってはありがたいのですが・・・)は、その片方で求職者への「対策研修」があるからでしょうか。
さて次回は、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの中から、面接に欠かすことのできない〝ウソ〟の見破り方について、私(山本)が「面接官スキルアップ研修」で実際に取り上げる内容の一部を紹介させていただきます。

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