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2011年6月25日 (土)

「対人的空間」②座る位置、立つ位置

警察官が容疑者を取り調べる場合には、相手との間にテーブルや机は置かずに、なるべく近く面と向かって対するのがよいとされているそうです。取り調べが進むにつれて、相手の片膝を自分の両膝で挟むほどに接近して個人的空間を侵害すると、容疑者はたまらず降参してしまうとのこと(※1)。このように、対人関係では座る位置、立つ位置が、その後の相互の関係に大きく影響するようです。

自分に自信がある人、敵対する相手がいる人の場合は相手の近くに座る
アメリカの心理学者ウィリアム・E・レイボルトの実験によると、自分に自信のある人は相手の近くに座り、自信がない人ほど相手の遠くに座る傾向があることが示されたとのこと。また、心理学者のスティンザーは、小集団の生態をさまざまな角度から研究し、「スティンザー効果」といわれるいくつかの傾向や法則を導き出した。その一つに「かつて口論した相手が同じ会議に出席したときは、その相手の正面に座る傾向がある」というのがある。(※2)

●向かい合わせの席は、視線がまともにぶつかるため、攻撃性や競争心を刺激しやすくなるようですね。もしあなたが会合の進行役を務めスムーズな会の運営を願うのであれば、ライバル関係にある2人は距離を離して対角線上に座ってもらうのが望ましいようです。なお、別の「スティンザー効果」として、「ある意見が述べられると、次に発言するのはその賛成者ではなく、反対者である」というのもありますのでご参考まで。

人は誰でも、安心感があれば近くに座り、危険を察知したら遠くに座る
ある研究によると、学生に対し教授からの「緊張型」「中間型」「賞賛型」の言葉を助手から伝えてから教授と面談をすると、想定の通り、賞賛型(成績が極めて優秀と告げられていた)は教授の席の至近距離に座り、緊張型(君の成績は極めて悪いが、ベストを尽くしていないのではないか)は至遠距離に座ったそうです(※1)。そりゃぁ~そうですよね。

●上記2つともアメリカの研究成果ですが、日本人のシマウマ的思考(白黒をつけない)とは違いますね。しかし、人間の本質は日米にそれほど違いがないことがわかって安心できるところもあります。さて、次は神戸製鋼さん関連の研修を承ったときのにわか勉強から、ラクビーの名選手、そして名指導者として鳴らした平尾誠二氏のコーチ論から立ち位置についてです。

「情熱家は遠く、理論家は近く」 ラクビー平尾流コーチング時の立ち位置
「自分を理論化だと考える人間は、自分が思う間合いより部下に近づいた方がいい。情熱家だと自認している人間は、より距離を置いた方がいいということである。
ただ、気をつけなければいけないのは、心地よい場所が見つかったからといってそれは必ずしも「定位置」でなないということだ。チームや組織が変化すれば、指導者の立つべき位置も当然変わってくる。組織が成熟してくれば、もっと距離を置いて見守った方が効果的かもしれないし、世代交代があって若手中心になった時などは、熱を感じさせるためにも近寄った方がいいかもしれない。」(※3)

●あのスマートな平尾氏が、いかついラガーマンを颯爽と指導している様を思い浮かべると〝超カッコイーイ〟とラクビー音痴の私も思ってしまいます。さて、「対人的空間」の最後は、だれしもが経験しているエレベーター内の微妙な人間模様です。今は、エレベーター内にセキュリティー用のカメラが取り付けられているものが多いですから、このような調査は簡単なのでしょうね。

日本人のエレベーター内の立ち位置(個体間距離)は ほぼ決まっている
「電車の席は両端が埋まり、次いで真ん中が埋まり、そしてその間が埋まるという順番で席が埋まっていきます。別に誰に教わったわけでもありませんが、たいていどこに行っても同じ様子がみられるのではないでしょうか。
似たような状況で、エレベーターの中の立ち位置も観察していると非常に面白いです。一人なら、パネルの近く、二人なら対角線、3~4人なら四隅、さらに一人が入ればその真ん中というように、できるだけ均等な距離を取ろうとします。そして、みんなお互いに目を合わさないように、下か上を見るのです。このような行動は、日本人であればほぼ同じだと思いますが、文化の違う外国の人と一緒のとき、他者との適切な距離感が違うせいか、戸惑うことが多い気がします。」(※4)

※1:『非言語コミュニケーション』(マジョリー・F・ヴァーガス著/新潮社)
※2:『あなたは人にどう見られているか』(松本聡子著/文藝春秋社)
※3:『人は誰でもリーダーである』(平尾誠二著/PHP研究所)
※4:『つながる脳』(藤井直敬著/NTT出版)

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