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2011年7月23日 (土)

沈黙② ビジネスでの活用事例

前回は「沈黙は金」に関する解釈でしたが、まとめの意味で、以前にもパフォーマンス学のパイオニアとして登場いただいた佐藤綾子氏の「沈黙」に関する見解からスタートいたします。今回は、ビジネスシーンで非言語メディアとしての「沈黙」がどのように活用されているかを取り上げますが、その理解の助けになるでしょう。

沈黙はもっとも雄弁な表現である、と思われる(※1)
「日本語でそれを表すものには『沈黙は金なり』とか『秘すれば花』、『言わぬが花』などがあるが、英語でも『雄弁なる沈黙(eloquent silence)』や『ゴールデン・サイレンス』などがあって、黙っていることが素晴しいことだと教えている。その一方で会話の間に気まずい沈黙が漂っているのをとても恐れている彼らは、『デッド・サイレンス』(しんとした静けさ)と言い『ストーニイ・サイレンス』(石のような沈黙)と言う。」

本当に「沈黙は金」なのかを、「営業」「面接」「クレーム」で検証すると
営業での沈黙(※2)
「お客様に質問を投げかけた後は黙ること。最初に口を開いた方が負けだ。
これは一見とても簡単なように思える。だが実際はそうではない。沈黙によるプレッシャーは相当なものだ。心臓がドキドキして、胸をかきむしりたくなる。しかし、そこでじっと我慢し、お客が口を開くのを待つことだ。
なぜ、黙っていることが大事なのだろう。それは、もしあなたが最初に口を開いてしまったら、沈黙を破って買うかどうかの意思表示をするというプレッシャーがなくなってしまうからだ」。

これでお分かりのように、クロージングで最も大事なのが沈黙なのだそうです。著者のトム・ホプキンスは、クロージングの際、本当に聞いてほしい大事なポイントでは、意図的に「間」をつくり、お客様の注意がこちらに向くまで(お客様が聞いてもいないのに、一方的にまくしたてても効果はない)、お客様を見つめて待つようにすることが大切とアドバイスしています。

面接での沈黙(※3)
「面接官が質問に費やす時間は、面接時間の20%以下に抑えるように気を配ります。
面接官はその間、求職者の話を聞きながら、適宜質問を挟んでいきます。
面接官の質問に求職者が答えても、先を急がずに数秒間、『沈黙』を保つのもコツです。すると、求職者のほうから再び口を開くことがよくあります。
人は基本的に、自分のことを知ってもらいたい傾向がありあます。人は沈黙が苦手で、自分の意志で話を進めようとするのです。

メモを書く時間を面接官が確保できているほど、穏やかな面接となります。求職者も、メモを書き終わるのを待つようになります。ここに『沈黙』が生まれます。
沈黙は求職者に、様々な心理変化を起こさせる効果を秘めています。
事実をすべて話し終えた求職者であれば、面接官がメモを書き終えるまで、じっと待ちます。

しかし、ウソを付いている求職者は異なった反応を見せがちです。ウソがばれないかと沈黙に耐えきれずに不安に陥り、語った内容を補足し始めようとします。沈黙は、求職者のホンネを見抜くことにおいて、基本的なポイントとなります。」
ものすごくわかりやすい解説ですね。私も面接官研修を担当させていただくおり、沈黙の効用を説きますが、今後はこの考え方を前面に出してみようかと・・・。

クレーム対応での沈黙(※4)
「自分が描いたシナリオ通りに事態が進展しないと、必ずと言っていいほど『どないすんのや!』などと恫喝してくるのが悪質クレーマーの手口です。恫喝することによって、相手の恐怖心をさらにあおり、暗に有利な回答を強要するわけです。
しかも、悪質クレーマーはここで実に巧みなテクニックを用います。いわゆる『5秒の沈黙』というテクニックです。

どんなテクニックかといえば、『どないすんのや!』と恫喝したら、その後、5秒間だけ返事を待つのです。恫喝された側は、次に何をされるかわからないという恐怖感が常にありますから、そこで沈黙されると恐怖感がさらに増幅されます。そうなると、早く何かの回答をしてしましたいという心理が働きます。
そんな心理状態で相手と応答を繰り返していると、不用意な言葉尻を捉えられ、新たな弱みを握られる結果になる危険性もあります。」ですから、賢い対応者は「5秒の沈黙」には、「10秒の沈黙」で応えるのだそうです。

※1:『経営パフォーマンス時代』(佐藤綾子著/東洋経済新報社)
※2:『営業の魔術』(トム・ホプキンス著/日本経済新聞社)
※3:『プロファイリングのプロが教える 面接で人を見抜く質問術』(毛利元貞著/日本実業出版社)
※4:『困ったクレーマーを5分で黙らせる技術』(援川聡著/幻冬舎)

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