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2011年10月29日 (土)

追悼! 世界一のプレゼンター『スティーブ・ジョブズ』②

宿命のライバルともいえるスティーブ・ジョブズとビル・ゲイツの若き日の関係は、映画『バトル・オブ・シリコンバレー』に詳しいですが、プレゼンターとしての比較もたいへん興味深いものがあります。マイクロソフト社のソフトを主にPCメーカーに売る(BtoB)立場と、製品とソフトを消費者に売る(BtoC)アップル社の立場の違いもありますので、その辺も含んで、偉大な2人の創業者の対比をご覧ください。

スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツの2007年プレゼン・トーク比較(※1) 
          スティーブ・ジョブズ    ビル・ゲイツ
        (マックワールド基調講演)   (CES*基調講演)
平均単語数       10.5          21.6
語彙密度        16.5%         21.0%
難解語          2.9%           5.1%
難読指数         5.5           10.7
*CES(Consumer Electronics Show):毎年開催される家電製品中心の展示会

聞きやすさ4項目すべてで スティーブ・ジョブズがビル・ゲイツを上回る
平均単語数:一文(句点「。」で終わるまで)を構成する単語の数。ビル・ゲイツ氏と比較し半分以上短いので、ジョブズ氏の方が歯切れも良く、聞きやすい。
語彙(ごい)密度:文章の読みやすさを示す指標。密度(%)が低いほど分かりやすい。
難解語:文に含まれる4音節以上の単語の数の平均値。%が低いほど理解しやすい。
難解指数:その文章を読んで理解するために必要と考えられる教育年数。ジョブズ氏の5.5は、小学六年生ならわかるレベルであり、一方のゲイツ氏は10.7で高校一年レベルに該当。なお、NYタイムズ紙は11~12(高校二~三年生にあたる)。

ジョブズ氏のプレゼンに欠かせない「3点ルール」ロードマップ
2007年1月9日、「今日アップルが電話を再開発する」のヘッドラインの前に、ジョブズ氏は「今日は革命的な製品を3つ、紹介する」と語り、劇的な効果を高めました。
最初は、タッチコントロールを持つワイドスクリーンのiPodを紹介(ぱらぱらと拍手)。続いて第二の製品は革命的な携帯電話だと紹介(会場から歓声が上がる)。
そして第三の製品は画期的なインターネット機器だと紹介(この後、詳しい説明と3種類の製品のデモか何かに移るのだろうと思い、聴衆はここで気を抜く)。

●しかし、この後に爆弾が用意されていました。ジョブズ氏は続けます。
「つまり、この3つだ。タッチコントロールにおるワイドスクリーンのiPod、革命的な携帯電話、画期的なインターネット機器。iPod、電話、インタネットコミュニケーター。iPod、電話――わからないかい? 3つに分かれているわけじゃないんだ。実はひとつ。iPhoneっていうんだ!」
その瞬間、会場は興奮状態になり、ジョブズ氏は、世界一革新的な会社というアップルの評判をさらに高める製品のプレゼンを成功させました。

ジョブズ氏がプレゼンの際に重視した7つの〝非言語コミュニケーション〟
①アイコンタクト
:ジョブズ氏がしっかりしたアイコンタクトを取れたのは、何週間もプレゼンテーションの練習をしたからでした。ですから、各スライドに何が描かれているのか、スライドごとに何を言ったらいいのかすべてを把握していたのです。
②開いた姿勢:ジョブズ氏は腕組みをめったにしませんでした。姿勢は常に聴衆に向かって開いており、聴衆との障害になりかねない演台は極力使わなかったそうです。
③手ぶり:ジョブズ氏は、両手は体の両脇にたらすべきだとされていたこれまでの慣習(にとらわれることなく、さまざまなしぐさでしゃべりを補強しました。

④抑揚:ジョブズ氏は、声の高さを上げたり下げたりして調子に変化をつけるようにしていました。「信じられない」「すごい」「クール」「大きい」など、ジョブズ氏が好んで使う言葉がありましたが、これらの言葉の調子が他と同じだったら、あれほどのインパクトは生まれなかったでしょう。
⑤間:2008年1月のマックワールドでジョブズ氏は、「今日は、3種類目のノートパソコンを紹介しよう」と言った後、ちょっと間を取ってから、「マックブック・エアだ」と続けました。さらに間を取ってから、「世界で最も薄いノートパソコンだ」とヘッドラインに聴衆の目を転じさせました。この「間」のタイミングが絶妙なのです。

⑥音量:ジョブズ氏がよく用いるパターンは、クライマックスに向けて盛り上げる段階で声を小さくし、最後に大きな声でドンと決めるというものでしたが、ときには、この逆をやることもあったそうです。
⑦スピード:しゃべるスピードも、ジョブズ氏は変化させました。デモのときは普通のスピードで、ヘッドラインやキーメッセージはゆっくりしゃべりました。

●アップル復帰後のジョブズ氏はどのプレゼンテーションにも黒のモックタートル(セントクロイ)、色あせたブルージーンズ(リーバイス501)、白いスニーカー(ニューバランス)で登場しました。今後、私が担当するプレゼン研修では、その雄姿を思い浮かべながら、世界一のプレゼンについて語り継いで行こうと思います。合掌。

※1:『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(詳細前号記載)

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