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2012年1月14日 (土)

アウトバウンドへの取り組み⑪ 「切り返し話法」(1)

昨年、〝アウトバウンド業務を新たに手掛けたコールセンター〟の研修を担当いたしました。このセンターでは、インバウンド(受信)経験は豊富なものの、アウトバウンド(発信)業務の経験が乏しいため、スタッフの前向きな取り組み姿勢に反して、レスポンス成果(アポイント成立)が伴わない悩みを抱えていました。事前ヒアリングの結果、最大の課題は「切り返し」トークにあるとの講師判断から、このスキル強化をメインテーマに据えて準備を進めました。

1995年以降「応酬話法」をタイトルにした本は1冊も発行されていない
「切り返し」のマニュアル作成の一助になればと、研修先業種ならびに業際関連の応酬話法事例を調べようと国会図書館にでかけましたが、そこで思いがけない状況に直面したのでした。じつは、私が参考にしようとした「応酬話法」をタイトル、もしくはサブタイトルに掲げた本はこの15年間、一冊も発行されていなかったのです。
国内で出版されたものは一通り蔵書されている国会図書館でのことですから、これには少々驚かされました。下は年代別の「応酬話法」タイトル書籍の出版数と、同じ選択基準で「セールストーク」「切り返し」の検索結果です(単位:冊)。

       「応酬話法」  「セールストーク」  「切り返し」
1960年代      3          1          0
1970年代      2          2          0 
1980年代     11          5          0
1990年代      3         19          1 
2000年代、     0         28          8
2010年代      0          2          1

この表を見ると、本のタイトルが時代とともに変化していることがよく分かります。東証のダウ平均が最高値を付けた1989年末(12月29日)を境に、「応酬話法」から「セールストーク」に流れが変わっています。
右肩上がりの時代は、「売らんかな」の応酬話法でよかったのでしょうが、モノが売れない時代になると、スマートに「セールストーク」で迫る風潮になったのでしょうか。

団塊以降の世代の営業マンに「応酬話法」という表現にアレルギーがあったかも
2000年代に入ると、「応酬話法」に比べ「セールストーク」ではインパクトが弱いとの判断が働いたのでしょうか、「切り返し」を盛り込んだタイトル本が8冊出ています。このジャンルの本のタイトルの移り変わりを見るだけで、マーケットが生き物だということを実感させられますね。

さて、本のタイトルは「セールストーク」「切り返し」に変わっても、その中に書かれているトークの核心部分はいずれも「応酬話法」そのものです。永年にわたり訪問販売、電話営業、コールセンターの現場で培われてきたノウハウは、以下のように「8つの応酬話法の基本型」としてまとめられているケースが多いようです。

「8つ応酬話法の基本型」とコメント例(※1)
①オーム返し法:「さようでございます。ですから、もっと・・・・・」
②逆転法(イエス・バット法、または肩すかし法ともいう):「はい、その通りです。しかし・・・・・」
③抹殺法(黙殺法、聞き流し法、またはお惚け法ともいう):これは、相手の状況をよく判断してやらないと失敗することがあるので、よほど注意しなければならない。
④否定法(正面撃退法):「ご冗談でしょう」「いや、そうではありません」などと相手の意見を否定して、こちらの正しい意見を述べる方法であるが、これも注意しないと失敗する。
⑤質問法(聞き返し法):「なぜでしょうか」「どうしてでしょうか」「・・・・・とおっしゃいますのは」「どのような理由で」と質問をして、さらに真意を探り出す方法をいう。
⑥例話法(※第三者話法):「お隣の○○さまには、たいへん喜ばれておりますよ」など、他の例を持ち出して気をひく。
⑦資料転換法:「これをご覧ください」などと、注意を手元の資料に向けさせる方法。
⑧ピストン話法:「ところで○○さま、・・・・・のようですね」と、まるで違った話を始め、一度はずして、また前に戻って続ける方法。

上記8つの応酬話法のうち、③抹殺法、④否定法、⑦資料転換法については、対面営業が前提になるでしょうから、コールセンターではよほどのことがない限り、この話法を使うことはないと思いますので、この点誤解のないようにお願いいたします。なお、⑥例話法ですが、参考文献に第三者話法は記載されておりませんでしたが、山本の判断で注記しました。コールセンターでは「第三者トーク」と表現し、スクリプトに盛り込まれているところが多いのではないでしょうか。
次回は、この8つの応酬話法について、具体的事例をそえて詳しく触れることにいたします。

※1『実例応酬話法』(吉岩松男=著者代表/河出書房)

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