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2012年1月

2012年1月28日 (土)

アウトバウンドへの取り組み⑬ 「切り返し話法」(3)

フランク・ベドガー氏(永遠のベストセラー『私はどうして販売外交に成功したか』の著者)は「お客の断りの62%はウソの断りである。真実の断りは38%にすぎない」と語っています。前回の「オーム返し法」は、「切り返し」というよりは一般的な応対といえますが、今回からは、現場が直面する最大の課題ともいえるお客さまの「断り」や「否定的な発言」をどうかいくぐるかのテクニックに入ります。まずは「逆転法」、そして「抹殺法」「否定法」です。

②逆転法(イエス←バット法、肩すかし法):「はい、その通りです。しかし…」
「その通りです」「なるほど」と受けた後、「しかし」と応酬に転じる話法。
ただ「しかし」は、反論や否定、極端に言うと対決的、批判的な強い印象を与える言葉でもある。そこで、「しかし」に代えて、「ならびに」「あわせて」「と同時に」「さらに」「これらのことも」「そうは言うものの」と置き換えると、ニュアンスがだいぶやわらぐ。(※1)

店頭でも、電話でも通用しそうなイエス←バット話法の3例(※2)
①「白はいいけど、汚れやすいのでね」←「はい、たしかに白は汚れやすいものです。それだけに白が貴重なのではないでしょうか。クリーニングして、パリッとした純白のコートは人目を引きますよ。胸を張って歩いてください」
②「予算より高すぎる」←「お買いになるときは、どなたもお値段を気になさいますが、長くお使いになるうちに、そのよさが分かり、いいものを買ったと、きっとお喜びになりますよ」
③「このデザイン、少しおとなしすぎない?」←「はい、少し静かなデザインですが、それだけに長くお使いになってもあきがきませんし、また、流行にとらわれませんので、いつも新鮮です」

●上記3例はいずれも店頭におけるBtoCのトーク例です。電話でも応用可能な素材と思い取り上げましたが、BtoBとなると、逆転法も少し工夫を加える必要がケースによってはありそうです。そこで、逆転法の一歩先をいく手法を簡単に紹介いたします。

「イエス←バット方式」の上を行く、ホワイ←ビコーズ(WHY BECAUSE)型(※5)
相手の言い分に「イエス」を言わず、「ホワイ」と質問するやり方。 
「一個につき3万円も高い」といわれたら、
「ハイ、たしかに」「まさしく」なんて認めるのではなく、
「どうして高いと思われるのですか」と、その理由を聞き出す。

③抹殺法(黙殺法、聞き流し法、またはおとぼけ法ともいう)
切り返しに失敗するとさらに切られることがあります。抹殺法は、まさにそうしたリスクを伴う手法であることは間違いありません。使用に際しては、相手の状況をよく判断してから仕掛けるようにしてください。

たっぷり〝間〟を取って攻勢をかわす。
無言と沈黙は、切り返す体制を整えるための準備、助走に相当します。相手のペースに乗るのを避けたいとき、相手のリズムを崩したいときに、意識的に〝間〟を取るのが大変有効です。ちょっとしたかく乱戦法ですが、意外に相手の調子を狂わせる効果があります。これは弱者の(とる)戦略といわれるものに近いですが、もし相手が強者なら、奇策を弄することも必要でしょう。(※3)

「・・・ウチは要らないよ」に対する〝沈黙の間〟の切り返し効用例
「といいますと、やはり・・・(沈黙の間をつくる)・・・う~ん」。このように間を入れることで、断りに理由があるかないかがはっきりしてきます。
「やはり○○だから要らない」と話の筋が通っているなら、「明確に要らない」パターンといえるでしょう。しかし、筋の通らない理由はベドガー氏のいうウソの断りの可能性が強いので、そのようなケースの「要らない」はまったく無視してよく、堂々と「相手の会社へのメリット」を説明すればよいと筆者は書いておられます。
なお、テレアポを目的とした電話の場合は、相手に「直接的な効果」を説明するのがポイントで、性能を語る(これは営業活動の範疇との認識)のは避けるようにとのアドバイスもあります。(※4)

④否定法(正面撃退法)
「ご冗談でしょう」「いや、そうではありません」などと相手の意見を否定して、こちらの意見を述べる高等戦術ですが、抹殺法同様大きなリスクを伴います。ところで、
アウトバウンドは、こちらから電話をかけることが原則ですので、否定法を使うこと控えるべきでしょう。したがって、本稿では否定法についてのコメントは控えます。

※1:『「切り返し話術」の上手い人が成功する』(守谷雄司著/成美堂出版)
※2:『上手な接客セールス話法』(中村卯一郎著/ビジネス社)
※3:『絶対に負けない!「とっさの切り返し話術」』(中川昌彦著/成美堂出版)
※4:『稼ぐ営業マンは空気が読める』(深田周三著/ぱる出版)
※5:『ビジネスマンが交渉に強くなる本』(谷川須佐雄著/テイ・アイ・エス)

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2012年1月21日 (土)

アウトバウンドへの取り組み⑫ 「切り返し話法」(2)

切り返しには5つの「目的」があるといわれています。(※1)
①相手の主張や攻勢をはね返すこと
②自己を防衛すること
③その場の主導権を握ること
④相手を攻め、自分が優位に立つこと
⑤活発で魅力的なコミュニケーションの実現

この「目的」達成には、先人が作り上げてくれた応酬話法の基本型が大いに役立ってくれることでしょう。以下4回、これを取り上げることにいたします。
今回は「オーム返し法」ですが、これを理解するためにはNLPのバックトラッキングを知っておくことで理解が深まると思います。NLPの関連用語と具体例をそえることにいたしますので、参考になさってください。

①オーム返し法:「さようでございます。ですから、もっと・・・・・」
話に詰まったときの巻き返しに有効なのがオ-ム返し法です。 
「今までのお話のポイントは、こういうふうに考えていいんですね」と、これまでの会話を要約したり、そっくりそのまま復唱してみること。これだけで、しらけたムードの少なくとも何分の一かは取り除かれます。(※2)

オーム返し法はNLPのバックトラッキングを知ることで理解が深まる
NLPは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略です。
バックトラッキングについては、(財)日本NLP協会のHPで以下のように解説しています。
バックトラッキングとは、日本語で「オウム返し」と呼ばれ、相手の言ったことを返すことを指します。その目的は、相手の話をちゃんと聞いていることを示すことと、相手に自分が発した言葉を再認識してもらうことにあります。
そのため、できるだけ相手の使った表現そのものを返す必要はありますが、一語一句同じでなくてはならないというわけではありません。

バックトラッキングには、3つのポイントがあります
1、相手の感情(感情のフィードバック)、2、話の内容の事実(事実のフィードバック)、3、話の要約(要約のフィードバック)。
その他、相手の話が長くなってきた場合は、話の内容の事実を確認したり、話を要約したりして、聞き手の理解を確認するためにバックトラッキングを利用したりもします。
バックトラッキングは、相手とのラポール(信頼関係)を築くために有効な方法としても挙げられ、これを行うと、相手は自分の話がよく理解され、受け入れられているという感覚を持ちます。
人の話を聞くことが仕事であるカウンセラーやセラピスト、コーチの方々など、よい聞き手を目指す方には、ぜひ身につけていただきたいスキルの一つです。

事実のバックトラッキング(フィードバック)(※2)
営業では、YESをとることが会話のうちでは重要といわれています。YESとりとかYES SET(イエスセット)と呼ばれています。
人はずっと脳内でYESという状態を続けると、一種のマヒ状態を起こして、オープンマインドになりやすい傾向があります。これはお客さまの緊張感や猜疑心のバリアをなくすことにつながります。

バックトラッキングは、YESを会話の中でとってしまう強力な手法です。
お客様が「今日は涼しいですね」と言ったら、あなたは(そうですね)では、バックトラッキングになっていません。
お客様が「今日は涼しいですね」と言ったら、あなたは(涼しいですね)、もしくは(今日は涼しいですね)と返す。これが事実のバックトラッキングです。

感情のバックトラッキング(フィードバック)
お客様が、悲しい顔で「今日、残念なことがあってさ」と言ったら、(悲しいと感じられているんですね)と返す。言葉に表れない感情に同調するのも、バックトラッキングの奥深いところです。

要約のバックトラッキング(フィードバック)
「昨日ディズニーランドに行ってさ」(ディズニーランドへ行って)←事実を返す
「すごい混雑しててさぁ」(こんざつしてて)←事実を返す
「もうね、長いやつなんか2時間も並んで、まいっちゃったよ」(うんざりされたんですね)←感情を返す
「当分ディズニーランドには行かないかなと」(当分行かないと)←事実を返す
(○○さんはディズニーランドで、混雑の中2時間も並ぶこともあって、もう当分行かないかなぁと、ちょっとうんざりされているわけですね)←要約して返す

※1:『絶対に負けない!「とっさの切り返し話術」』(中川昌彦著/成美堂出版)
※2:『“検討します”を言わせない営業術』(浅井隆志著/PHP研究所)

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2012年1月14日 (土)

アウトバウンドへの取り組み⑪ 「切り返し話法」(1)

昨年、〝アウトバウンド業務を新たに手掛けたコールセンター〟の研修を担当いたしました。このセンターでは、インバウンド(受信)経験は豊富なものの、アウトバウンド(発信)業務の経験が乏しいため、スタッフの前向きな取り組み姿勢に反して、レスポンス成果(アポイント成立)が伴わない悩みを抱えていました。事前ヒアリングの結果、最大の課題は「切り返し」トークにあるとの講師判断から、このスキル強化をメインテーマに据えて準備を進めました。

1995年以降「応酬話法」をタイトルにした本は1冊も発行されていない
「切り返し」のマニュアル作成の一助になればと、研修先業種ならびに業際関連の応酬話法事例を調べようと国会図書館にでかけましたが、そこで思いがけない状況に直面したのでした。じつは、私が参考にしようとした「応酬話法」をタイトル、もしくはサブタイトルに掲げた本はこの15年間、一冊も発行されていなかったのです。
国内で出版されたものは一通り蔵書されている国会図書館でのことですから、これには少々驚かされました。下は年代別の「応酬話法」タイトル書籍の出版数と、同じ選択基準で「セールストーク」「切り返し」の検索結果です(単位:冊)。

       「応酬話法」  「セールストーク」  「切り返し」
1960年代      3          1          0
1970年代      2          2          0 
1980年代     11          5          0
1990年代      3         19          1 
2000年代、     0         28          8
2010年代      0          2          1

この表を見ると、本のタイトルが時代とともに変化していることがよく分かります。東証のダウ平均が最高値を付けた1989年末(12月29日)を境に、「応酬話法」から「セールストーク」に流れが変わっています。
右肩上がりの時代は、「売らんかな」の応酬話法でよかったのでしょうが、モノが売れない時代になると、スマートに「セールストーク」で迫る風潮になったのでしょうか。

団塊以降の世代の営業マンに「応酬話法」という表現にアレルギーがあったかも
2000年代に入ると、「応酬話法」に比べ「セールストーク」ではインパクトが弱いとの判断が働いたのでしょうか、「切り返し」を盛り込んだタイトル本が8冊出ています。このジャンルの本のタイトルの移り変わりを見るだけで、マーケットが生き物だということを実感させられますね。

さて、本のタイトルは「セールストーク」「切り返し」に変わっても、その中に書かれているトークの核心部分はいずれも「応酬話法」そのものです。永年にわたり訪問販売、電話営業、コールセンターの現場で培われてきたノウハウは、以下のように「8つの応酬話法の基本型」としてまとめられているケースが多いようです。

「8つ応酬話法の基本型」とコメント例(※1)
①オーム返し法:「さようでございます。ですから、もっと・・・・・」
②逆転法(イエス・バット法、または肩すかし法ともいう):「はい、その通りです。しかし・・・・・」
③抹殺法(黙殺法、聞き流し法、またはお惚け法ともいう):これは、相手の状況をよく判断してやらないと失敗することがあるので、よほど注意しなければならない。
④否定法(正面撃退法):「ご冗談でしょう」「いや、そうではありません」などと相手の意見を否定して、こちらの正しい意見を述べる方法であるが、これも注意しないと失敗する。
⑤質問法(聞き返し法):「なぜでしょうか」「どうしてでしょうか」「・・・・・とおっしゃいますのは」「どのような理由で」と質問をして、さらに真意を探り出す方法をいう。
⑥例話法(※第三者話法):「お隣の○○さまには、たいへん喜ばれておりますよ」など、他の例を持ち出して気をひく。
⑦資料転換法:「これをご覧ください」などと、注意を手元の資料に向けさせる方法。
⑧ピストン話法:「ところで○○さま、・・・・・のようですね」と、まるで違った話を始め、一度はずして、また前に戻って続ける方法。

上記8つの応酬話法のうち、③抹殺法、④否定法、⑦資料転換法については、対面営業が前提になるでしょうから、コールセンターではよほどのことがない限り、この話法を使うことはないと思いますので、この点誤解のないようにお願いいたします。なお、⑥例話法ですが、参考文献に第三者話法は記載されておりませんでしたが、山本の判断で注記しました。コールセンターでは「第三者トーク」と表現し、スクリプトに盛り込まれているところが多いのではないでしょうか。
次回は、この8つの応酬話法について、具体的事例をそえて詳しく触れることにいたします。

※1『実例応酬話法』(吉岩松男=著者代表/河出書房)

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2012年1月 7日 (土)

アウトバウンドへの取り組み⑩ アウトバウンドのロールプレイング

コールセンターのスタッフ教育でロールプレイングは不可欠でしょうが、実際に研修を担当させていただいてみると、マネージャーやSVクラスに、意外とこのスキルが備わっていないケースが見受けられます(モニタリングに関しては、ある程度こなせているようですが…)。そこで、今回はコールセンターの指導者を対象に、法人対象(BtoB)のロールブレイングの基本的な進め方を紹介し、併せて、やってはいけないフィードバックについても触れることにいたします。

ロールプレイングの仕方(※) 
①途中で切らないこと

ロープレの途中でうまくいかないからといってリセットしてしまっては、困難な局面を打開する力がつきません。架電者役の人がもしも黙りこんでしまったら、相手役は「もしもし? もしもし? 切りますよ!」といって追い込むくらいでちょうどよいのです。とことん厳しい練習を重ねることによって、本番で上手くアポイントを獲得する力が付きます。

②しっかりフィードバックしてもらうこと
ローブレでは、相手役の人からしっかりフィードバックをしてもらうことが重要です。フィードバックのポイントは、架電者と同じ立場からのコメントではなく、〝ターゲット企業側としてどう感じたか〟という視点でコメントを述べることです。1回終わるごとに、そのフィードバックをこれからどう生かすかをイメージし、必ずそれが固まってから次の回に行くようにしてください。

③弱いところを徹底的に強化すること
受付突破率、アポイント獲得率などの各種指標を見れば、担当者のどこが弱いのかがわかるはず。そこを強化するというテーマをしっかり持って、ロープレに臨むこと。相手役も、そのテーマに留意して演じてあげることが重要。

④ターゲット企業にもなってみること
テレアポの最大のポイントは、相手の心理を読んで話の主導権を握ること。よって、ロープレの際には、ターゲット企業になってみて、攻められる方の心情を経験してみることが必須となる。ターゲット企業役になったときには、いつも自分が困っている相手の断り文句や質問を繰り出してみて、応酬話法の研究をしてみる。

●上記①~④の参考文献は20007年7月刊行の『法人営業の基本としかけがよ~くわかる本』です。④の最後に「応酬話法」という言葉で出てきましたが、今回の冒頭にお断りした通り、この本は法人営業用に書かれたものなので、この表現になったものと思われます。ニュアンスとしてはコールセンターで主に使われる「切り返し」と受け止めていただいたらよろしいでしょう。なお、「応酬話法」と「切り返し」については次号以降に詳しく取り上げる予定です。

電話の相手役は、経験豊富な指導的立場の人が務めることが望ましい
やはり上記④に、相手の立場を理解する意味で企業(相手)側になってみることも大切と書かれていますので、誤解のないように申し添えますが、ロールプレイングは、お客様役の知識が豊かであればあるほど教育効果が出ます。その観点からすると、経験豊富な指導的立場の人が必ず参加し、お客様役を演じることが望ましいでしょう。なお、そのようなシチュエーションが整った場合は、経験の浅い人が架電者役と同時に観察者に回ると、意外な発見があり、理解が進むことがありますので申し添えます。

やってはいけないフィードバック(※) 
評価する、指摘する

×「会社案内がもう一歩だったね。もう少し丁寧に」(アドバイス)
○「ちゃんと企業案内をしてくれなかった気がするな」(お客様の印象)
×「話があちこちに飛んでいるよ。もっと整理した方がいい」(指摘)
○「話がバラバラでよく理解できなかったなあ」(お客様の印象)

感情をむき出しにする
×「もういいよ! もっと簡潔に喋れないのか。もう1回やり直しだ」(感情的)
○「なんとなく聞いていていらいらしてきたよ。あなたの話し方に原因があるんじゃないかな」(お客様の印象)
×「何でいきなり日程設定するんだよ。最初は現状確認から入れっていっているだろう」(感情的)
○「いきなり質問されて、えって思っちゃったよ。失礼な人だと思ったよ」(冷静なお客様の印象)

●ロールプレイングは2人から可能ですが、職場で実施する場合は、10人程度で実施し、互いのトークを観察しあうことをお薦めいたします。特にチームが異なるグループが構成できると、その場でトークのすり合わせが可能になります。そして、これを繰り返すことでコールセンターのレベル合わせが進むという効果も期待できます。

※『法人営業の基本としかけがよ~くわかる本』(橋本直行著/秀和システム)

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2012年1月 1日 (日)

アウトバウンドへの取り組み⑨ 話し方の基本 相手のタイプに合わせる

明けましておめでとうございます。「木の葉」ブログも4年目に入ります。この間、週1回のペースを守ってまいりましたので、今回が通算では167回目です。少しでもお役に立てる事柄を、今後も発信していこうと思っております。

●コールセンターのアウトバウンドの研修で数多く受ける質問の中に「苦手な相手にはどう対応したらよいのか?」があります。この質問への回答はなかなか難しいのです。なぜなら、人によって〝苦手なタイプ〟が異なるからです。私は、相性によるところが大きいと思っているので、「あなたはどういうタイプの人ですか?」と質問者本人に確認を取ってから、対処法をアドバイスするようにしています。

●孫子の兵法に「彼を知り己を知れば百戦危うからず」がありますが、BtoBの場合はある程度相手先企業を調べられますが、担当者のことはBtoCの場合と同じようによく分かりません。そうなると、彼(電話をする相手)に向かい合う前に出来ることは自分を知り、その相性から見えてくる苦手なタイプを特定し、そのタイプへの対処法をマスターすることがポイントになるでしょう。

話している相手はどんなタイプか? 相手のタイプを見極めて説得する (※1)
1.冷静で論理的に考えるタイプ

こちらがあいまいな表現をすると鋭く追及し、「それはどういう意味ですか?」「その理由は?」「どういうデータで説明しているのですか?」と次々確認してくる。
このタイプは物事を順序立てて論理的に考えようとします。電話の目的がはっきりしないと嫌がるタイプです。自分の時間管理もきっちりとしていて無駄話や、要領を得ない話を嫌います。
対処法:事前に資料やデータに目を通しておき、質問にはすぐに答えられることが求められます。このタイプに電話をかけて何かを依頼するときは、事前に5W2H(2つめのHはHow much:山本注)の会話の要領をメモしておきます。電話の最初に「電話の目的」を簡潔に伝え、手順よく話します。無駄な世間話は避けたほうがよいでしょう。

2.クヨクヨ悩んで決めてくれないタイプ
結論を自分で出すのが嫌なタイプです。なぜ嫌なのかというと、自分の出した結論がよくなかったり、うまくいかなくなることを想像してしまうからです。(注記:2011年4月から大学を出て社会人になるゆとり世代の特徴的な傾向でもある)不安感が強く、また他人にどう思われるかが気になるタイプともいえる。
対処法:一方的な説明や熱心な説明がかえって相手を不安にするので、まずは相手が何を心配しているのかを聞きだ(質問)して、それを取り除いてから説明に入る。声も少し明るめで軽快な調子や、あるいは落ち着いた安定感のある調子が望ましい。早口やもごもごとしていては、不安を助長する。説明内容は、相手にとって良い結果になるという利点を付けて説明する。

3.目立ちたがり屋で自己顕示欲の強いタイプ:
「君、そんなことも知らないの」「私はいつも利用しているから、そんなことはとっくに知っているよ」など「自分だけは知っている」と強調したり、自分のことばかり話してこちらの言うことを聞いてくれないタイプ。自分が否定されたり無視されることを嫌う。
対処法:このタイプは会話の最初に相手をほめる表現を入れることによって、案外簡単に説得ができる。ただほめるのではなく、「相手の何か」に対してほめる。このタイプは最初から「何か」を発信(いつも予約している等)してくれているので、それを見逃さないようにする。このタイプは相手は「わかっているな」と感じれば、結果にあまりこだわらずに了解してくれる。

4.物事にこだわる頑固なタイプ
妙に何か一つのことにこだわって、話が長くなるタイプ。そのような話をしているわけではないのに、自分の意見にこだわってこちらの話を聞いてくれなかったりする。ときには、「あなたの返事の仕方が悪い」とか、「そういう言い方は気に入らない」などと話しの内容とは異なることで文句を言う。何が気に入らないのかをはっきりとは言わない。
対処法:このタイプを説得するには時間がかかる。なぜなら、そのこだわりが論理的なものではなく、その人の価値観で決められているから。対応のポイントは相手が何にこだわっているかを早く理解すること。そのためには相手の話を中断せず、じっくりと最後まで聞くこと。少しだけ聞いて推測で判断したり、結論を急ぐと失敗する。ときには質問して理解しようと努力する真摯な姿勢が相手を動かす。

●この資料の著者・後藤啓子氏はNTTの公開講座で講師を務め、今回引用させていただいたもののほかに『3択100問 今日から使える電話応対』などがあります。ご興味のある方は参考にしてください。なお、タイプ分類にはさまざまな手法がありますが、私が研修で使うものにCSI(Communication Style Inventory)の「4つのタイプ」があります。これには4タイプを「信長」「秀吉」「光秀」「家康」になぞらえる解説書もありますが、たいへん分かりやすいので、ご興味のある方にはお薦めです。

※1:『すごい!電話術』(後藤啓子著/PHP研究所)

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