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2012年3月 3日 (土)

《9つの非言語メディア》 目(「視線の交差(アイ・コンタクト)」と目つき)①

今回から、中断しておりました「非言語コミュニケーションの9つのメディア」を再開し、残っている3つのメディア「目」「動作」「身体」の中から「目」を取り上げます。スタートに際して、まず「目の5つの機能」から。(※1)
各種の研究調査の結果、対話時の目の5つの機能が明らかにされているそうです。
(1)話す・聞くの交替時期を調整する、
(2)相手の反応をモニターする、
(3)意思を表示する、
(4)感情を表現する、
(5)当該対人関係の性質を伝達する

(1)話す・聞くの交替時期を調整する 「モーガン・フリーマンのケース」
阿川佐和子さんが俳優のモーガン・フリーマンにインタビューしたときのこと、阿川さんが日本語で質問を始めると、それまでソファの背もたれに寄りかかったり、足を組んでリラックスした様子で話をしていたフリーマンさんが、突如、組んでいた足をほどき、前屈みになって、彼女の目をじっ見つめ、一生懸命、彼女の言葉に耳を傾けようとしたそうです。
阿川さんは、思わず吹き出してしまい、「日本語がお分かりにならないでしょうに、どうしてそんな真面目な顔で私の質問を聞こうとなさるのですか?」と笑いながら尋ねました。

すると、彼は「もちろん私は日本語がわからない。でも、あなたが真面目に質問をしてくれているときに、私も真面目な態度を取らなければ、失礼な気がしてね」と答えたそうです。そして、その目は、阿川さんを射抜くような鋭いものではなく、真摯で謙虚で、聞き手を安心させてくれるような温かみに満ちたまなざしだったとのこと(※2)。話を聞くに際して、視線と姿勢で相手を受け入れようとするモーガン・フリーマンさんて最高ですね。阿川さんに同じく、私も大ファンになってしまいそう。

(2) 相手の反応をモニターする 「仲間の写真を見せられたスパイの反応」
スパイの尋問で、共謀者を突き止める際に、縦3インチ横5インチ(7.5㎝×13㎝)のカード32枚をこのスパイに見せました。そこには彼が一緒に仕事をしたことがあり、彼を助けた可能性のある人物の名前が一つずつ書かれていました。その名前の人物について知っているかの尋問中、男性は特に2つの名前を見たときに目がまず大きく広がり、次にすぐ瞳孔が縮んで、わずかに目を細めました。無意識のうちにそれらを見たくないと思ったか、何らかの危険を感じているのが明らかとなったのです。目の反応のモニターから共犯者が特定できたという実話です(※3)。

(3) 意思を表示する  「自殺者を思いとどまるらせる力があるアイコンタクト」
アメリカで、善意から海岸近くに監視所を設け、自殺者を思いとどまらせる活動をしいる人がいらっしゃるそうです。この人によると、「僕が相手の目を見たときに、向こうが視線を合わせてきたら、救えるとわかる」とのこと。「目」は内面を映す鏡ともいわれますが、極限状態で目から生きる意志を見分ける洞察力もすごいですね(※4)。

(4) 感情を表現する  「必死の形相をヒンギスから笑われた阿川佐和子さん」
(1)で阿川さんのことを書きましたが、同じ本に元テニスプレーヤーのマルチナ・ヒンギスの話が出てきます。2時間の拘束時間が長いと抵抗を示す付き添い男性を、約束だからと無視してインタビューを始めた阿川さんに対し、今度はヒンギスさんが突然笑い出したそうです。「あなたの目は日本人らしくない」。このときの阿川さんの心情(背後に厳しい視線を感じつつ、必死でヒンギスさんに立ち向かっていた)が目に正直に表れ、それを指摘されたのでした(※2)。やはり感情は目に出るのですね。

(5)当該対人関係の性質を伝達する  「先に目を反らす方が能動的な性格」
一般的には、初対面のときに、先に眼を反らす人の方が、能動的な性格だと言われます。また、対話の中で相手よりも何とか優位に立とうとする気持ちが働くと、まず先に眼を反らそうとします。評論家の草柳大蔵氏によると、相手を自分のペースに引き込めるかどうかは、最初の30秒で決まるそうです。眼を反らされた方は、相手の心の動きが気になって、「何か気に入らないことでもあるのかな」とか、「私を嫌いなのかな」と気を遣い始めるので、それ以後は、視線が気になって、完全に相手のペースにはまってしまうのだとか(※5)。

●今回は、対話時の「目の5つの機能」について事例を交えながらの解説でしたが、少し堅かったかもしれませんね。次回は少しくだけて、俳優のイッセー尾形さんが一人芝居で演じるという女20変化(かなり有名らしいです)などを取り上げ、女性の美しさと「目」の関係について触れてみたいと思います。

※1:『非言語コミュニケーション』(マジョリー・F・ヴァーガス著/新潮社)
※2:『聞く力――心をひらく35のヒント』(阿川佐和子著/文藝春秋)
※3 : 『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』(ジョー・ナヴァロ他著/河出書房新社)
※4:『瞬間説得 その気にさせる究極の方法』(ケヴィン・ダットン著/NHK出版)
※5:『ビジネスの心理法則』(多湖輝著/ごま書房)

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