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2012年3月17日 (土)

目(「視線の交差(アイ・コンタクト)」と目つき)③

今回は、そのものずばり「アイ・コンタクト」についてです。最初はプレゼンテーションにおけるスティーブ・ジョブス、続いて、メリル・ストリーブが3度目のアカデミー賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で久しぶりに脚光を浴びた、サッチャー元英国首相。その後に、対面でのアイコンタクトについて触れます。

スティーブ・ジョブズがしっかりしたアイコンタクトを取れるのは・・・(※1)
彼が、何週間も前からプレゼンテーションの練習をするからだ。だから、各スライドに何が描かれているのか、スライドごとに何を言ったらいいのかすべてを把握している。もうひとつの理由は、スライドがとてもビジュアルだからだ。言葉が書かれておらず、写真だけのことが多い。書かれている場合もごく少しだけ――スライド一枚に単語がひとつだけだったりする。スライドをビジュアルにすると、情報はスピーカーが聴衆に伝えなければならなくなるからだ。

●「目」からは外れますが、今回のブログのメインタイトルが「非言語コミュニケーション」ですので、今は亡きジョブズのかけがえのない置き土産として、彼のとても印象的な「動作」についても紹介いたします。なお、ジョブズのプレゼンテーションに関しては本ブログの研修シリーズ80~82回でも取り上げております。

世界一のプレゼンターといわれたジョブズの「開いた姿勢」と「手ぶり」
ジョブズは腕組みをすることはめったにせず、姿勢が常に開いている。姿勢が開いているというのは、自分と聴衆との間に何もないことを意味する(ジョブズは演台を使わない)。コンピューターを操作するときも終わったらすぐに聴衆の方を向き、今、何をしたかを説明する。
ジョブズはさまざまなしぐさでしゃべりを補強する。昔は、両手は体の両脇にたらすべきだとされていたし、今もそう教える人がいる。然し、両手を体の両脇にたらすと緊張しているように見えたり堅苦しく感じたりする。

コミュニケーションの専門家を驚かせたサッチャー元英首相のアイコンタクト
英国のサッチャー元首相が帝国ホテルで講演をした時、最前列中央で聞いていた佐藤綾子氏(パフォーマンス学の第一人者)は、サッチャーさんのアイコンタクトの長さ、強さに驚かされました。それは彼女がスピーチの間、ほとんど100%に近いアイコンタクトを聞き手との間に保っていたからだそうです。しかも適当に配分(デリバリー)されてたのではなく、会場の隅々までに行き届いていたとのこと(※2)。

●ある調査によると、話し手の注視率と聴衆がその人に対して感じる誠実度との関係を調べていますが、それによると、「誠実」な話し手がスピーチの時間中の63.4%は聴衆を見ているのに対し、「不誠実」な話し手は20.8%しか見ないということでした(※3)。サッチャー元首相の100%のアイコンタクトがいかにすごいか、この調査からもわかりますね。次は、対面する二人のアイコンタクトについてです。

見つめる時間が長いほど好感度が増し、威厳も感じさせられる(※4)
1分間に5秒しか目を見つめない人と、30秒見つめる人とでは、30%以上も相手に感じさせる好意の度合いが違ってくることが確認されています。同性同士が会話しているサイレントムービーを見せてその登場人物を評価してもらうと、登場人物の一人が話をしているときに、相手をじっと見つめる時間が長ければ長いほど、そのビデオを見た評価者たちに「威厳」を感じさせることがわかったそうです。
つまり、相手に威厳を感じさせたいときは、相手をじっと見つめればいいんですね。

●これには、「人と向かい合っている時、アイ・コンタクトを多くするほどよいというのは俗説」との指摘(※5)があります。その根拠とするところは
「たとえば就職の面接などで最初に顔を合わせた時、ずっと視線を動かさずに相手を見つめる行為は、面接官を居心地の悪い気分にさせるだけだろう。大多数の人々は、2、3秒間のアイ・コンタクトにより安心感を得るが、それより長い間見つめられると、落ち着かない気持ちになる。」というものです。

●極端に見解が分かれますが、だからといって、ハーバードのスキル講座もアイコンタクトの必要性を否定しているわけではありません。場と状況をわきまえた、それぞれの感覚が大事だということなのでしょう。
米軍のイラクの平和維持軍では、兵士の多くがサングラスをしている(アイコンタクトがしづらい)部隊では、そうでない部隊に比べ、精神不安定を訴えるケースが多く、また死者も多かったそうです(※6)。
人が生きるうえでアイコンタクトの重要性を物語る逸話のように思われます。

※1:『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(カーマイン・ガロ著/日経BPM)
※2:『プレゼンに勝つ! 魅せ方の技術』(佐藤綾子著/ダイヤモンド社)
※3 : 『非言語コミュニケーション』(マジョリー・F・ヴァーガス著/新潮社)
※4:『一瞬でデキる奴になる!48の心理テクニック』(内藤誼人著/日経BP社)
※5:『ハーバード・ビジネススキル講座 対話力』(ダイヤモンド社)
※6:『瞬間説得 その気にさせる究極の方法』(ケヴィン・ダットン著/NHK出版)

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