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2012年3月24日 (土)

目(「視線の交差(アイ・コンタクト)」と目つき)④

今回の「目」シリーズを書いていて気づいたことがあります。山本は「新入社員教育」から経営者の方々への「面接指南」まで幅広く研修を担当させていただいておりますが、そうした研修の場で「目」に関する話題を取り上げることが結構多かったと。やはり「目」が対人コミュニケーションの重要な位置を占めるとの認識があってのことと思いますが、「目」シリーズの最終回に当たり、前3回で紹介できなかった話題をいくつか紹介させていただきます。

人間は結構正直な生き物を証明してくれたクリントン元大統領のまばたき(※1)
まばたきが発生するのはストレスフルな状態、そして、アイコンタクトが弱くなるのは自信のないとき、触れてほしくない話題などのときに相手の目を見ていられなくなるそうです。クリントン氏が来日時関西テレビに出演したときのビデオ映像分析によると、話題がモニカ・ルインスキーのことになり、「そのことを奥さんに何と説明しましたか」と問われたとたん、ぱちぱちとまばたきが頻発しました。

●世界のビップには、なんとも痛ましい光景ですが、私にはウソのつけな人なんだ!と、何かホッとした記憶があります。彼が奥様のヒラリーさんにお詫びしている様を創造すると気の毒ですが、多分、彼女の心を動かす独特の目線が用意されていたように思います。次は、〝江戸しぐさ〟から、その目線について。

「おあいそ目つき」と「おあいにく目つき」(※2)
目線については、江戸の昔から伝わる「江戸しぐさ」に、今も参考になることがいくつか伝えられています。たとえば、客へのお礼は言葉だけではなく、目つきにも感謝の気持ちをこめるものです。これが「おあいそ目つき」。
また、買い物客が何らかの理由で買い物ができなくて帰る場合があります。そのような客に対しても、言葉だけでなく「あいにく用意していなくて申し訳ありません」というお詫びの態度や、目つきも表すことができれば、より確かに、相手に誠意が届くと伝えられています。これが「おあいにく目つき」。

●商売は関西の方がうわ手との見方もありますが、このような〝江戸しぐさ〟に触れますと、さすが将軍様のお膝元ですね。別れ際のちょっとしたしぐさを、お客はしっかりと受け止めており、大いにCS向上に役立っていたのでしょう。次は、お客がどのように目を意識しているかの、ちょっと怖い、そして身につまされるお話です。

しかめた眼(目)をアブストラクトした絵を描いて店頭に掲げると(※3)
これは建築家のジェームズ・レノンという人実験でわかったことです。
彼は、大きな透明のパネルに、しかめた眼をアブストラクトにした絵を描いて、いくつかの店の店頭に掲げました。彼の仮説で、「これで万引きが減る」だったのですが、案の定、絵をかけた期間中は、万引きの発生率が激減したそうです。

●目をふさぐ行動の起源はとても古く、脳に組み込まれてしまっているそうです。子宮の中にいる赤ちゃんでさえ、大きな音が聞こえると目を閉じる力を備えているとのこと。さらに驚くことは、生まれつき盲目の子どもが、悪いニュースを聞くと目を覆うという事実があるのだそうです(※4)。人間の感情表現は、目とは切り離せない関係にあるのでしょうか。2002年に発表されたナップとホールのこの研究成果には大変興味深いもありますね。
次は、柳生十兵衛が幼少時片目を失うきっかけと、その後独眼のハンディを乗り越え剣豪としての成功を暗示するようなシーンから。

兄の石つぶてで片目が潰れた時、幼い十兵衛は無傷の方の目をかばった(※5)
柳生十兵衛は子どもの頃、兄が投げた石が当たって片目が潰れて失明した。そのとき十兵衛の行動は、普通であれば石の当たった目を押さえるところ、無傷の目のほうを手でかばったといいます。幼くして、無傷の目までつぶされてはかなわないとのとっさの判断には、その後、剣豪として大成する資質が現れていたように思われます。

●ディズニーランドは衰えを知らない盛況を続けていますが、そのコンセプトの原点に「体の感覚受容器官の70%は目にあり、視覚はセットを伝達する最大の感覚である」があるそうです。このためディズニーでは、ゲストが目にするところはすべて、明るく楽しい気持ちを呼び起こすようにデザインされています。
色はパーク全体で統一され、施設内や周辺の公共道路で紫と赤という珍しい標識が使われているのは、ゲスト(来園者)調査の結果、紫と赤という組み合わせが一番覚えやすい色だということが分かったからだそうです。やはり、ディズニーはすごい。

※1:『プレゼンに勝つ! 魅せ方の技術』(佐藤綾子著/ダイヤモンド社)
※2:『もてなしの習慣 みんなで観光まちづくり』(福留強著/悠雲社)
※3:『ビジネスの心理法則』(多湖輝著/ごま書房)
※4:『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』(ジョー・ナヴァロ他著/河出書房新社)
※5:『クヨクヨするな! どんな悩みも自分で解決できる』黒川康正著/PHP)
※6:『お客さまを感動させる最高の方法』(ディズニー・インスティチュート/日本経済新聞)

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