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2012年5月

2012年5月30日 (水)

動作(姿勢や動きで表現されるもの)⑥

コミュニケーション研修で、受講生の一人から面白い話を聞いたのが4月初め。そして続報が届いたのが一昨日。外観は非言語コミュニケーションの大きな要素であり、著名人も、スタイルを変えた途端、警察の対応が激変したことを解説したところ、「先生、一年に10回も職務質問を受ける人がいるのをご存知ですか?」と言うのです。

ボクシングの世界チャンピオンになった翌日、彼は警官に職務質問された!
佐藤洋太さん(27歳)は、2012年3月27日にプロボクシングWBC世界Sフライ級の王座を獲得しました。翌日意気揚々と新宿歌舞伎町近くの協栄ジムへ行く途中、警察官に職務質問を受けました。前日の激闘で顔面は腫れ、両足裏の痛みを和らげるため「ピョコピョコ歩いていた」ことが不審に思われたようです。

●わざわざパトカーから降りてきた警察官は彼の前を塞ぎ、職務尋問を開始しました。
佐藤さん「僕きのう、ボクシングの世界チャンピオンになったんですよ」
警察官 「へぇ~、そうなんだ…」
全く信用されず、財布の提出を求められ、クレジットカードの名義が確認され、無事開放されたのは10分後のことだったそうです。なお、この折の新王者のいでたちは、ボサボサの金髪に黒のジャージー姿だった(3月29日『サンケイスポーツ』)。

●ここまでなら、ダメージを残した容貌と不自然な挙動から、まァ・あるかな~ぁ、のお話ですが、よくよく記事を読んでみると、彼が警察官に職務質問されるのはこれが初めてではなかったのでした。「過去にもこんなことあった?」の記者の質問に対して、世界チャンピオンは自宅周辺でもしょっちゅうで、年に10回はあると。

●この言葉を証明するかのように、新聞沙汰から2ヵ月後の今月(2012年5月)24日、彼は再び新宿で警察官から職務質問を受け、「佐藤チャンピオン、新宿でまた職質されちゃった!」とスポーツ紙を賑わせることになりました。3ヵ月に2回となると、本当に年10回、あるいはそれ以上あるのかもしれませんね。

〝チャンピオンベルト〟には、黄門様の葵の〝印籠〟並みの威光があった! 
実は、この話にはオチがあります。前回はバック中のスケートボード調整用スパナが、物騒なものを持ち歩いてと問題をこじらせました。ところが、今回は中身がチャンピオンベルトだったため警察官が謝罪しました。チャンピンベルトの黄門様の印籠並みの威光による扱いの違いに、俄然佐藤チャンピオンは防衛に意欲的になったのだとか。

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2012年5月26日 (土)

《9つの非言語メディア》 動作(人体の姿勢や動きで表現されるもの)⑤

大物タレントの離婚報道が絶えません。その原因は、仕事の関係によるすれ違いと語られることが多いようです。では、幸せなカップルになるには、どの程度の時間の共有が必要なのでしょうか。アメリカには〝週に5時間〟との調査結果があります。朝のあいさつからはじまる各シーンごとに、必要時間が分単位で示されています。

1週間に5時間を2人の生活のために使うと〝幸せカップル〟になれる
長続きするカップルは、努力して1週間に5時間は2人の生活のために使っていることが発見されました。その内訳は
・朝の挨拶(2分×5日=10分)、
・夕方の挨拶:仕事が終わるとたわいもない話をする(20分×5日=1時間40分)、
・愛情:触れ合ったり手をつないだり抱き合ったりキスしたりといった行為すべてに優しさと寛大さがある(5分×7日=35分)
・デート:リラックスした雰囲気の中で、2人きりで愛情を確かめ合う(週に1度、2時間)
・賞賛と感謝:毎日、少なくとも1度は感謝や愛情を表す(5分×7日=35分)

●週に5時間ですか。努力すれば可能のようにも思えますが、これを永年続けるということがむずかしいのでしょうね。ちなみに、著者によると「意見の不一致」、「文句というより相手を批判する」、「軽蔑をあらわにする」、「一触即発の構え」、「確認の欠如(とくに話を遮る)」、「否定的なボディランゲージ」などが離婚の前兆だそうです。

●今回参考にさせていただいたのは『世界でひとつだけの幸せ(※1)』ですが、山本はこの本のサブタイトル「ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生」を気に入っています。コミュニケーション研修ではポジティブ・リスニングを心がけるように指導しますが、これが逆になり、4つの感情のもつれが生じると悲劇が始まります。

『愛する二人別れる二人』の著者が絞り込んだ離婚を予想する4つの感情
研修シリーズ第37回で、「夫婦の会話を聞くだけで、96%の確率で離婚するかどうかを予測できる」というゴッドマン氏の4つの危険要因(①非難、②侮辱、③自己弁護、④逃避)を紹介しましたが、同氏は4つの感情(「防衛」、「はぐらかし」、「批判」、「軽蔑」)から、その兆候を読み取るのだそうです(※2)。

●中でも軽蔑の感情が最も重要だと彼は考えています。夫婦のどちらか一方でも相手を軽蔑するそぶりを見せたら、それは2人がうまくいっていないことを示す強力なサインとなります。相手の人格を激しく批判するよりも、相手を見下したような(侮辱的な)話し方の方が、よっぽど夫婦の関係はこじれるとのことです。

●非言語コミュニケーションの「動作」を書くつもりが、流れで少し深刻な問題へと発展してしまいました。しかし、「木の葉ブログ」を読んでいただいている既婚の皆さんは、週5時間をちゃんとカップルでお過ごしになっていらっしゃる方たちばかりでしょうから、このような危機とは無関係と信じております。

※1:『世界でひとつだけの幸せ生』(マーティン・セリグマン著/アスペクト)
※2:『第1感』(マルコム・グラッドウェル著/光文社)

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2012年5月23日 (水)

〝まちづくり〟と生き物たちの関係②

酸欠状態の金魚は、刺激を与えると一瞬元気になるが、それは死を早めるだけ
金魚鉢の理論(これは著者命名の独自理論)【1】金魚鉢の水が酸素不足になって中の金魚が元気をなくしたとき、「頑張れ!」といって金魚蜂を叩くと金魚は一瞬は元気よく動くように見えるが、やがて急速に元気を失い、かえって寿命を縮めてしまう。大切なことは金魚鉢を叩くことではなく、金魚鉢に酸素を送り、餌をやることであるというすごく当たり前の道理。
【2】いうまでもなく金魚鉢とはまちであり、金魚とは商業者のことである。

可愛いい小鳥でないと、保護してもらえないという残酷
小鳥 【2】昭和63年に通商産業省が大規模小売店舗法の見直しにとりかかったおり、その一つの委員会で、商業者委員が「小鳥でも絶滅の危機に瀕すると保護されるのに、われわれ中小小売商は保護されないのか?」と発言したという。それに対して、座長が「小鳥は可愛いからなあ」と応じたと伝えられている。この返答に激怒した商業者委員が詰め寄り、最終的にはこの一連のやりとりを議事録から削除することで収拾したという。

ドックイヤーの反対はタートルイヤー、街づくりは亀の歩みで・・・
タートルイヤー(亀の1年) 【1】長寿の生き物とされる亀の1年はゆっくりと流れていくはずである。世の中全体がスピードアップし、あたふた、あくせくする割に充実感が味わえない。そこから、もう少しゆったりと時間をすごそうという意味で、ドッグイヤーに対する反対語として用いられる。
【2】街づくりはタートルイヤーで取り組まなければならない。

ぬるま湯に浸かり、なかなか出られない人には危険が迫っています!
ゆでカエル 【1】ぬるま湯の入った鍋にカエルを入れると、カエルはいい気分になってのんびりする。それをゆっくり加熱すると、カエルはだんだんと熱せられ、やがて茹であがって死んでしまう。ところが、その熱い湯の中に新たにカエルを入れると、熱湯に驚いたカエルは飛び跳ねて生き延びる。ぬるま湯につかった状態では危機から脱出するきっかけがつかめないとして、危機意識を持つことの重要性を強調する比喩として用いられる。
【2】ただし、こんな比喩を用いる人が自らの環境に十分な危機意識を持つことは稀である。

「夜中に蝉が鳴いてうるさい、何とかしろ!」と役所にクレームが・・・
夜鳴き蝉 【1】蝉が鳴くのは午前中と相場が決まっていた。しかし、2000年頃から、大都会では夜中に蝉が鳴くことがあるという。
【2】ヒートアイランド現象で蝉が夜中を早朝と間違えるからである。(中略)この状況に対し、役所に「うるさいから何とかしろ」と電話をかけるのだ という。住民の行政依存体質ここに極まれるであるが、この住民を叱りつける役所はない。

●この他に、「蛸壺人間」「猫に鈴」「ドックイヤー」がありましたが、他辞書と解釈が大きく変わりませんので割愛しました。生き物とは関係ありませんが、山本がいつもお世話になっている図書館の項目がありましたので、これを締めくくりとします。

図書館 【1】全国に3000を超える公共図書館が存在するが、その頂点である国会図書館には国内で発行されるすべての図書が収集され、蔵書点数は3600万件を超えている。その他に、大学図書館が1700強存在するが、こちらは学術研究目的に限定されており、一般公開されているところは少ない
【2】近年では、ビジネス支援、創業支援を理念に掲げた図書館が現れ、まちづくりとの接点を強めている。

※『口辞苑(こうじえん)』(石原武政著/碩学舎)

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2012年5月20日 (日)

〝まちづくり〟と生き物たちの関係①

『舟を編む』を読んでからの山本は、図書館や書店では辞書コーナーに足が向きます。「イヌも歩けば棒に当たる」で、『口辞苑(広辞苑ではありません)※』と出会いました。サブタイトルが~商業・まちづくり~で、日本中の街づくりにかかわってこられた大学教授が、その体験にもとづいて街づくりに関係深い用語を集めたものです。

項目ごとに本音と建前の2部構成(紹介文中【1】建前、【2】が本音)でまとめられています。その中から、今回は生き物に関する項目をピックアップしてご紹介いたします(解説が長いので、ポイント部分を抜粋。最初の太字一行は山本による)。なお、生き物には当然人間も入りますので、まずは「アホとバカ」から。

「アホ」は賢者よりもずっといい。断じて愚か者なんかではない
アホとバカ 【1】国語辞書的には、愚かなこと、または愚かな人のことで、社会常識に欠ける人を指し、「アホ」と「バカ」は同義語とされる。社会を変えるような革新を起こす人は、どこか常識にとらわれない側面を持ち、周りから変人扱いされ、しばしばこう呼ばれる。ただし、「アホ」と「バカ」は関西と関東では意味が逆転するという。関西で「アホ」と言えばどこか愛嬌があり許せるが、「バカ」と言えば全面的な否定を意味するとされる。しかし、近年ではその区別は曖昧になりつつある。

【2】アホ/バカを題材にしたことわざに事欠かない。「アホにつける薬はない」「バカは死ななきゃ治らない」「アホとハサミは使いよう」など。極めつけは阿波踊りの囃子(はやし)である。「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」。ノリの軽さとのめりこんだときのしつこさが取り柄だ。広島市の並木通りで街づくりに取り組んだ加藤新の名言。「狂者が引っ張って、馬鹿が付いていく。それを見て賢者があざけり、愚者が足を引っ張る。」アホは賢者よりもずっといい。断じて愚か者なんかではない。

●著者が~商業・まちづくり~『口辞苑』に「アホとバカ」の項目を取り上げた理由は書かれておりません。山本の推測としてはのは、東西の人が住む地域でのまちづくり議論の場で、「アホ」「バカ」が飛び交い、関係者がご苦労されれることが多かったからではないかと・・・。これ以降は、なじみのある生き物たちの登場です。

大型店の出店候補地は「狐と狸」が棲む所から「どぶネズミ」居住地に変わった
「狐と狸」 【1】「狐と狸の出るところで高速道路のインターチェンジがあればそこが出店候補地だ」と語ったのはさる大手流通業のトップである。それ以来、人里離れた郊外を言い表す代名詞となった。1970年代後半以降の大型店の郊外進出を示す典型的な言葉であるが、これに同調した企業は多い。
【2】ただ、近年特にバブルが崩壊して中心部の地価が大幅に下落するようになって、大型店の都心回帰がはじまり、出店候補地探しのキーワードは「狐と狸」から「どぶネズミ」に変わったという。

※『口辞苑(こうじえん)』(石原武政著/碩学舎)

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2012年5月17日 (木)

方言に代表される言語表現の東西比較③

電話応対者を対象にした研修では、〝苦手なタイプ〟への対処法を質問されることがよくあります。確か3月に『プレジデント』誌がエリア別の相性を特集しており、山本得意の立ち読みで得た知識によると、兵庫と東京の人とは恋愛もビジネスも総体的に相性が良く、大阪と京都の人は東京の人とはイマイチのようでした。

関西出身の主婦が発する「じゃまくさい!」で、東京人の夫は傷ついていた(※1)
大阪府出身で神奈川県平塚市に住む主婦(39)の口癖は「じゃまくさい」だったそうです。ちなみにこの方は、26歳で結婚するまで関西から離れたことがありませんでした。「じゃまくさい」は、近畿圏ではごく普通に口にされる言葉なので、頭から共通語と信じていらっしゃったそうです。

●あるとき、東京出身の夫が「おれって、そんなに邪魔なの?」と真顔で尋ねてきて、初めて方言と気づいたそうです。彼女は、そうとは知らず「義父母の前でもしょっちゅう使っていました」と、後悔しきりだったとか。なお、「じゃまくさい」は「煩わしい」「面倒だ」を意味する関西弁で、共通語の「面倒くさい」にあたります。

●意味をダイレクトに受け止め、長年夫人の「じゃまくさい」発言に耐えてこられたご主人は立派ですね。そのご両親も、お嫁さんに優しい人格者だったのでしょう。寛大なご家族に囲まれて彼女は幸せでした。でも、その片方で東京弁がきつく聞こえることもあるようなのです。

きつく聞こえる東京弁、「その切れ味はカミソリのようだ」と芥川賞作家も
大津市の繊維関係の会社に勤める女性(43)は東京ご出身。彼女が、ちょっと強い言い方をすると、関西生まれの夫だけでなく、長女(9歳)からも「怒らんでもええやん」と言われるそうです。「東京弁て、そんなにきつく聞こえるの?」と、彼女は首をかしげているそうですが、東京弁をカミソリに喩えた作家もいらっしゃいます。

●中高年層に絶大な人気のあった開高健氏(大阪市出身。『裸の王様』で第38回芥川賞受賞)は、「東京弁だと直球しか投げられないが、関西弁だとカーブも、ドロップ(おおきく落ちる球:山本注)もかけられる。東京弁の鋭さを剃刀(カミソリ)だとすると、関西弁のそれは斧(オノ)」と語られていたそうです。(※2)

※1:『新聞社も知りたい日本語の謎』(橋本五郎&読売新聞/KKベストセラーズ)
※2:『ビジネスの心理法則』(多湖輝著/ごま書房)

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2012年5月12日 (土)

方言に代表される言語表現の東西比較②

今回は予告通り「バカ」と「アホ」についてです。だいぶ古いお話で恐縮ですが、1991年度のテレビ界の名だたるタイトル(日本民間放送連盟賞・テレビ娯楽番組最優秀賞、ギャラクシー賞選奨、全日本テレビ制作者連盟賞グランプリ等々)を総ナメにした番組があります。それは、いまも続く長寿番組『探偵! ナイトスクープ』でした。

放送直後から高視聴率を獲得した〝深夜のお化け番組〟が果たした役割
視聴者からの依頼にもとづき「この世のあらゆる謎や疑問を徹底的に究明する」ことをモットーとした娯楽番組は、1988年3月放送開始時は上岡龍太郎探偵局長と、秘書役(松原千明→岡部まり)により軽妙に進行されました。第1回メニューには、阪神優勝時に話題となった「道頓堀に沈んだカーネルサンダースを救え!」がありました。

1990年に東京出身の新郎から「アホ・バカ調査」依頼が寄せられて…(※1)
朝日放送がエリアとする関西地方だけのローカル番組(金曜日の夜、11時25分から55分間)としてスタートしましたが、人気とともにネット局も増え、北海道から九州・鹿児島にいたる全国26のテレビ局で放送されたこの番組に、新婚サラリーマンからの「アホ・バカ調査」依頼が舞い込みました。

「私は大阪生まれ、妻は東京出身です。二人で言い争うとき、私は『アホ』といい、妻は『バカ』と言います。耳慣れない言葉で、お互いに大変傷つきます。ふと東京と大阪の間に『アホ』と『バカ』の境界線があるのではないか? と気づきました。東京からどこまでが『バカ』で、どこからが『アホ』なのか、調べてください」と。

「バカ」のほうが古く、「アホ」はこの類の言葉ではいちばん新しい
これまで一般的には、「アホ」と「バカ」は、日本の東と西に対立している言葉と考えられることが少なくなくありませんでした。また一方で、文献だけを根拠に、「アホ」の方が古い時代に広まり(鴨長明『方丈記』に登場)、「バカ」がずっとのちなって広まったとも考えられてきました。しかし、この調査の結果新たな解釈が…。

全国的に使われる「バカ」は、何と、京(京都)言葉の古語だった!?
「バカ」は、京都から半径およそ二百キロ以遠にのみ、濃厚に分布しているそうです。京(京都)発の「バカ」が全国に行き渡ったかなり後に、京都で新しく「アホ(ウ)」という同義語が生まれ、二百キロ圏まで広がっていった(馴染みやすい新しい言葉が伝わると、古い言葉は上書きされ消えてしまう)のだとか。

京都から遠く離れた地域ほど、古い時代の京(京都)の言葉を使っている
著者によると東京語・標準語(1993年出版で共通語にはなっていない:山本注)にしても、おそらくは京(京都)の古語の宝庫であるに違いとのことです。そうなると、もし現在の京都人が「バカだね!」と東京弁をしゃべったとしたら、それは京(京都)の古語が数百年の歳月を経て、故郷に里帰りしたことになるんですね。

千年前の京都は世界的に見て最高レベルの文化を持ち最大規模の都市だった
平安から室町にかけて、最高50万人前後の人口を擁した京都は、世界的に見ても最高水準の都市だったそうです(当時ロンドンやパリの人口は数万から十数万)。江戸中期に、江戸が上方に対抗する文化の新たな発信基地として台頭するまで、京都が輝ける花の都であったことを「全国アホ・バカ分布図」が改めて教えてくれるとか。

マクドナルドに関する略称「マック」「マクド」の追加情報(※2)
読売新聞が各都道府県の県庁所在地などで、身近な食べ物やファストフード店の呼称を調べた(調査日記載なし、出典の出版は2005年)ことがあるそうです。これによると東日本、中国、四国、九州のほとんどで「マック」。近畿の6府県と徳島県では「マクド」。新潟、兵庫、広島、宮崎の4県が「マック」「マクド」の混在だったとのこと。

専修大学教授(社会言語学)永瀬治郎氏の継続的「マック」「マクド」調査から
専修大学の調査では、93年に「マクド」は大阪など近畿4府県と石川、鳥取、島根の他、香川を除く四国3県。これが97年には関東地方などでもマクド派が現れました(関西出身の学生が持ち込んだらしい)。「マクド」のアクセントは93、97年調査では、「ク」強調派が多数でしたが、2005年になると強調は「マ」と半々になったそうです。

「同じマクドでも、先頭の『マ』を強めるのは関東系の言い方」と永瀬さん。例えば「雨」でも、京阪地域では「め」を強めるが、東京では「あ」が強い。「当初は近畿圏の省略法だった『マクド』が関西系のアクセントで広まり、その後、関東進出に伴って関東式のアクセントが取り入れられたのではないでしょうか」との分析です。

●上記専修大学調査では、近年「マクド」派が減って「マック」派が勢いづいているとのこと。なお、マクドナルドによると、創業当時から「ビックマック」「マックフライポテト」などの商品を扱ってはいても、社名のキャンペーンなどで「マック」の呼称を使ったことはなく、また社員や店の従業員は略称を使わないそうです。

※1:『全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路』(松本修著/太田出版) 
※2:『新聞社も知りたい日本語の謎』(橋本五郎監修/KKベストセラーズ)

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2012年5月 7日 (月)

方言に代表される言語表現の東西比較①

先日、研修会場向かう途中、マクドナルドのスタッフから「ただ今、無料でコーヒーをお配りしております。どうぞ」と歩行中の私にカップを渡してくれましたので、ご好意に甘えさせていただきました。その直後、「マックはコーヒーで攻勢を仕掛けるらしいよ!」「ホンマ、マクドのイメージ壊れるうんとちゃうん…」と前を歩く若い二人連れの興味深い会話が耳に入りました。たちまち、近じかコールセンターの「方言矯正研修」を担当する予定のある山本は、聞き耳兎に変身したのでした。

マクドナルドの正しい略称は「マック」それとも「マクド」?
以前から言われていましたが、この議論が活発となったのは2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場した本田圭佑選手の発言だそうです。決勝トーナメントのパラグアイ戦の直前インタビューに、「試合で緊張したことはない。むしろ海外でマクドに行って注文する方が緊張する」と、彼はコメントしました。参考までに記しますと本田選手は石川県の星陵高校からJリーグの名古屋グランパスに入団。08年1月に渡欧(オランダ→ロシア)しましたが、出身は大阪府で、中学時代はガンバ大阪のジュニアユースに所属していました。

全国的には英語省略の「マック」、関西のみ頭3文字による「マクド」
吉本興業のタレントさんの活躍で、関西発の新語・造語は数が多いですね。古くは「ホルモン焼き(関西弁の「放るもの」から訛ったとする説が有力)」。最近では、2011年の流行語大賞のベストテン入りした「どや顔(「《「どや」は「どうだ」の意の関西方言》得意顔のこと。自らの功を誇り「どうだ」と自慢している顔。大辞泉より)」などが有名です。

●うまい語呂合わせや絶妙な省略に、センスが発揮されているのではないでしょうか。とはいえ、マクドに関しては、単に頭の3字を取っただけの省略(ケンタッキーの略称ケンタも同じ)ですので、それほど評価に値しないかも・・・。
各地の言葉に詳しい奈良大学の真田信治教授に「もともと関西の人は3拍で真ん中の音にアクセントを置く言葉を好みます。省略語にはなじみ深く安心できるこの音節がよく使われます」の指摘があるそうですが、「マクド」正にこの通りですね。

●実は、今回テーマに取り上げた東西比較は 、2010年4月3日からの『冠婚葬祭マナー研修』で、「東西(主に東京と大阪)の違いを考える」として4回連載しています。
(1)司馬遼太郎氏と山口瞳氏の東西文化論談義他
(2)大阪のおばちゃんにまつわる面白話あれこれ
(3)大阪の常識 東京の非常識、大阪・東京ゼニカネ文化論他
(4)東西によるクレーム応対の違いを具体事例・数値で解説 
以上の内容でした。もし、ご関心のある方がございましたら、ぜひご覧ください。

今回のブログは、その後、研修の準備を進める中で、新たにピックアップした面白事例(この分野は材料が不足気味ながら、限られた素材にたどり着くと、面白いものが多いのです)を、今回から3回で紹介いたします。

3日後の約束に姿を現さないことがある関東出身のビジネスマン!?(※1)
さて、皆さんは「あさっての翌日」を何といいますか。西日本のほとんどは「シアサッテ」で、これが全国共通語(注)になっていますが、東日本では「ヤノアサッテ(ヤナサッテ)」で、「あさっての翌々日」が「シアサッテ」となります。このため、出身地が東西に異なる場合、日にちを特定せず「アサッテ」の言葉だけで面談を設定すると、関東出身の人が当日現れない(1日行き違う)ことがたまにあるそうです。
(注):かつてNHKの国内番組基準には「標準語」と明記されていました。しかし、「標準語」には強制的な印象を覚える人もいることから、「共通語」になりました。

●この春、社会人になったビジネスマンには、ぜひ知っておいていただきたい、東西の言語ギャップですね。ただし、関東でも東京だけは「アサッテ、シアサッテ、ヤノアサッテの順」になっていますから、さらに複雑ですね。参考までに、もう一つ東西の時間の感覚の違いを、お店までの時間(距離)の問い合わせ例でみてみましょう。

同じ距離でも、店側が応える時間は東京10分、関西20分の不思議!?(※2)
お店に予約を入れ、ある場所からの車での時間を聞くと、東京では最短の10分くらい(タクシー代にして2千円前後)と答えるところを、関西では同じ2千円前後の距離でもMAXの20分(東京の人は4千円前後の距離と錯覚する)と答えるそうです。その理由は、もし、それ以上かかると、入店時に難癖をつけられることがあるからとの、予防策とか。この辺りに文化の違いが色濃く出ているように思います。

●最後に人気の『謎解きはディナーのあとで』から東西の微妙な表現例を紹介しましょう。「殺人現場では靴をお脱ぎください」の中に次のような会話シーンがあります。
執事:「いえ、私はけっしてお嬢様を馬鹿にしたつもりは・・・」
麗子:「確かにあなたはあたしを馬鹿にしなかった。だって、あなたはあたしをアホと呼んだんですもの! 馬鹿じゃなくてアホと――だからクビよ!・・・」。
この「バカ」と「アホ」のニュアンスの違いを、次回、権威筋に語っていただきます。

※1:『ことばのとびら』(都染直也著/神戸新聞総合出版センター)
※2:『「はい」と言わない大阪人」(わかぎゑふ著/KKベストセラー)

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