〝まちづくり〟と生き物たちの関係①
『舟を編む』を読んでからの山本は、図書館や書店では辞書コーナーに足が向きます。「イヌも歩けば棒に当たる」で、『口辞苑(広辞苑ではありません)※』と出会いました。サブタイトルが~商業・まちづくり~で、日本中の街づくりにかかわってこられた大学教授が、その体験にもとづいて街づくりに関係深い用語を集めたものです。
項目ごとに本音と建前の2部構成(紹介文中【1】建前、【2】が本音)でまとめられています。その中から、今回は生き物に関する項目をピックアップしてご紹介いたします(解説が長いので、ポイント部分を抜粋。最初の太字一行は山本による)。なお、生き物には当然人間も入りますので、まずは「アホとバカ」から。
「アホ」は賢者よりもずっといい。断じて愚か者なんかではない
アホとバカ 【1】国語辞書的には、愚かなこと、または愚かな人のことで、社会常識に欠ける人を指し、「アホ」と「バカ」は同義語とされる。社会を変えるような革新を起こす人は、どこか常識にとらわれない側面を持ち、周りから変人扱いされ、しばしばこう呼ばれる。ただし、「アホ」と「バカ」は関西と関東では意味が逆転するという。関西で「アホ」と言えばどこか愛嬌があり許せるが、「バカ」と言えば全面的な否定を意味するとされる。しかし、近年ではその区別は曖昧になりつつある。
【2】アホ/バカを題材にしたことわざに事欠かない。「アホにつける薬はない」「バカは死ななきゃ治らない」「アホとハサミは使いよう」など。極めつけは阿波踊りの囃子(はやし)である。「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」。ノリの軽さとのめりこんだときのしつこさが取り柄だ。広島市の並木通りで街づくりに取り組んだ加藤新の名言。「狂者が引っ張って、馬鹿が付いていく。それを見て賢者があざけり、愚者が足を引っ張る。」アホは賢者よりもずっといい。断じて愚か者なんかではない。
●著者が~商業・まちづくり~『口辞苑』に「アホとバカ」の項目を取り上げた理由は書かれておりません。山本の推測としてはのは、東西の人が住む地域でのまちづくり議論の場で、「アホ」「バカ」が飛び交い、関係者がご苦労されれることが多かったからではないかと・・・。これ以降は、なじみのある生き物たちの登場です。
大型店の出店候補地は「狐と狸」が棲む所から「どぶネズミ」居住地に変わった
「狐と狸」 【1】「狐と狸の出るところで高速道路のインターチェンジがあればそこが出店候補地だ」と語ったのはさる大手流通業のトップである。それ以来、人里離れた郊外を言い表す代名詞となった。1970年代後半以降の大型店の郊外進出を示す典型的な言葉であるが、これに同調した企業は多い。
【2】ただ、近年特にバブルが崩壊して中心部の地価が大幅に下落するようになって、大型店の都心回帰がはじまり、出店候補地探しのキーワードは「狐と狸」から「どぶネズミ」に変わったという。
※『口辞苑(こうじえん)』(石原武政著/碩学舎)
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