90年前、ココ・シャネルが成功させた口コミマーケティング
シャネルブランドは高級すぎて、身につけることはあまりありませんが、ココ・シャネルその人の生き様には、同姓の一人として尊敬の念をもっております。後日、本ブログで【服装】を取り上げるとき、詳しく書きたいと思いますが、今回は、いまだ衰えぬ人気の一端と、彼女の素敵な言葉のいくつか紹介いたします。
女性対象の調査で、もっとも魅力的な香水の第1位は『シャネルの5番』(※1)
2009年の世界規模の調査によると、『シャネルの5番』が、カルバンクライン「エタニティ」、エスティ ローダー「ビューティフル」といった現代ファッション界の人気ブランドの、数ある魅力的な香水を引き離して、世界一魅力的な香水に選ばれました。
なお、上位20位の中で1980年代以前に作られた製品は『シャネルの5番』だけです。
●この香水は、1921年に発売されましたが、当初の販売は、いま流の口コミ戦術だったそうです。南仏の高級レストランでのマーケティング・リサーチ(ココ・シャネルの席の周辺にこっそり香水のサンプルを空気中に吹きつけたところ、おしゃれな貴婦人たちがみな立ち止まり、非常な関心を示した)は、成功を予感させました。
●リサーチの好感触から、彼女は、『シャネルの5番』のサンプルを100本つくり、選りすぐりの客(オピニオンリーダー的な存在:山本注)にプレゼントするという宣伝のアイデアを思いつきました。口コミで広げていき、噂に火をつける(典型的なWebの手法)という、人の反応を推し量るには絶好のアイデアを・・・。
シャネルのブテックに香水を求めに押しかけた人々への心憎い対応
彼女はとぼけてこう答えました。「あれは田舎の香水屋で見つけたちょっとしたお土産品で、売るつもりはなく、どこで見つけたかも思い出せない」。そして、顧客の熱心さに驚いたふり・反応をうかがうそぶりをし、欲望を煽りました。「本当にもっと手に入れたほうがいいとお思いになりますか? それなら努めてみますわ・・・」と。
研修で山本がよく引用させていただく『シャネルの言葉』(※2)
◇コミュニケーション研修で“非言語シグナルの重要性”を語るとき
目がその人の魂を映すものと 認めるなら、
なぜ唇が心の代弁者だと 認めないのかしら。
◇リーダーシップ研修で“沈黙のコミュニケーション”を語るとき
自分のことを語ってはだめよ。
黙って人にわからせなくては。
◇モチベーション・アップ研修で“欠点との向き合い方”を語るとき
欠点は魅力のひとつになるのに、みんな隠すことばかり考える。
欠点はうまく使いこなせばいい。
これさえうまくいけば、なんだって可能になる。
◇ビジネス・マナー研修で“場に応じた遊び心”を語るとき
エレガントでありながら、行儀を悪くする、
つまり、くずすには、
まず第一に礼儀正しい基礎がなければならない。
※1:『シャネルN°5の秘密』(ティラー・マッツエオ著/原書房)
※2:『女を磨くココ・シャネルの言葉 正・続』(高野てるみ著/マガジンハウス)
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