動作(人体の姿勢や動きで表現されるもの)⑩
大変興味深いプレゼンテーション時の身振り手ぶりに関する研究のことが『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン(※1)』の中に、書かれています。スティーブ・ジョブズが世界一のプレゼンターと称されたことは、このブログでも何回も取り上げましたので、今回はプレゼンに役立つ身振り手ぶりの紹介から。
プレゼンでは、身振り手ぶりを交えたほうがパフォーマンスを発揮できる!
シカゴ大学のディビッド・マクニール博士は1980年から手の使い方を研究し、しぐさと言葉に密接な関係があることを発見したそうです。身振り手ぶりを使った方が考えがまとまり、プレゼンテーションでいいしゃべりができるというのです。逆に体を動かさないようにすると、意外なほど注意力が削がれ、うまく行かないとのこと。
●マクニール博士によれば、深く考える訓練を積み、自信のある人は、その明快な思考が反映された手の動きをし、手の動きを見ていれば、思考プロセスがわかると。このため博士は、大事なポイントは手の動きで強調するようにと指摘されています。ただし、ロボットのような動きや、やりすぎはマイナスになるので、気をつけましょう。
●ジョブズ氏のタイトルの付いた参考文献を紹介し、ジョブズ氏その人が登場しないのは少々残念な気がしますので、9つの非言語シリーズの補足として構想中の【服装】から先取りし、ジョブズ氏のブレゼンでのいでたちについて触れます。そうです、まだ記憶に生々しい、あの黒のハイネックのことです。
●ジョブズ氏がプレゼンで定番にしていたのは、黒のモックタートル、色あせたブルージーンズ、白いスニーカーでした。もう少し詳しくいうと、タートルは三宅一生のカスタムメイド、ブルージーンズはリーバイス501、スニーカーはニューバランスです。出典(※1)にはタートルがセントクロイとありますが、これは間違いです。
なぜスティーブ・ジョブは、三宅一生のカスタムメイドを着るようになったのか
1980年代の初め、ジョブズ氏が日本に出張した際に、ソニー会長の盛田昭夫と工場見学し、従業員の制服が気に入ったそうです。その後、制服をデザインした三宅一生と知己になり、自分用のハイネックを作ってくれと頼みました。イッセイは、100着ほど作ってジョブズに送ったそうです。(※2)
●ジョブズ氏が基調講演で着ていた黒のハイネックは、彼のソニーへの敬意表れであり、アップルの経営にも導入した日本的な〝協調の文化〟のシンボルだったそうです。昔日の面影のないソニーと、世界一の時価総額を誇るアップルの創業者同士の交流に、ほのぼのとした感興を抱くのは、山本だけでしょうか。
※1:『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(カーマイン・ガロ著/日経BPマーケティング)
※2:『スティーブ・ジョブズ全発言』(桑原晃弥著/PHP研究所)
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