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2012年7月11日 (水)

お財布を拾ったとき、ヒトを善人にさせる最大の要因とは

前回も紹介しましたが、アメリカの動物行動学者コンラート・ローレンツによると、人間には、ベイビネス(赤ちゃんらしさ)を持つ存在に出会うと「かわいらしい。さわりたい。放っておいたら心配だ」といった保護欲求が生じるのだそうです。もし、拾ったお財布に赤ちゃんの写真が入っていたとしたら・・・。(※1)

笑う赤ちゃんの写真が入っていたお財布は88%が回収された!(※2)
ハートフォードシャレー大学の心理学者リチャード・ワイズマンはスコットランドのエジンバラで写真の入った財布をたくさん落とす実験をしました。落とされた各40個のお財布の中で、一番持ち主に戻ったのは笑う赤ちゃんの写真で88%、次がかわいい子犬で53%、家族は48%、年寄り夫婦は28%だったそうです。

これを使えば失敗しないとう、広告宣伝業界の3B神話とは(※3)
アメリカの広告宣伝業界には3B神話とよばれるモノがあります。これを使えば失敗しないのだそうです。その3Bとは、「ビューティ」「ベイビー」「ビースト」。ビューティは美しいものや美女、ベイビーは赤ちゃん、ビーストは動物です。お財布の回収率と2つのB(「ベイビー」「ビースト」)が合致するのは偶然とはいえないでしょう。

赤ちゃんの笑顔は、どうしてそんなに魅力的なのか?
2011年2月 5日の研修シリーズ第44回で取り上げた『顔の本(※4)』に以下の記述があります。「世の中で一番すなおな人間といったら、それは赤ちゃんだといってよいであろう。赤ちゃんのつくる寝顔、泣き顔(泣き顔には、怒りも、驚きも含まれる)笑い顔、これらの表情すべて左右対称的である。顔をゆがめることは、まずない。」

●著者の香原志勢氏によると、赤ちゃんは情緒の世界にひたりこんでおり、嬉しかろうが、悲しかろうが、そこには知的なものの介入がなく、すなおな心がつくり出す顔には左右の歪みが生じないとのこと。そもそも左右対称は美の原点とされ、赤ちゃんはこの条件を備えているので、守ってあげなければならない天使に見えるようです。

異性のヌード写真に瞳孔は開き、女性は赤ちゃんの写真にも瞳孔を開く(※5)
一定の明るさの条件下では人間の瞳孔のサイズは変化しないと考えられがちですが、例外もあるのです。男女の被験者に5種類の写真を見せると、男性の瞳孔は女性のヌードを見るとより拡大し、女性は、体の一部だけ覆った筋骨たくましい男性と、赤ちゃん、それに赤ちゃんを抱いた女性の計3枚の写真のとき、より大きくなりました。

●瞳孔が開かない男性の保護欲求が、お財布で発揮されたことは素晴らしいですね。今日の日本で、赤ちゃんの写真がスコットランドほどの効果を持つかどうかは分かりませんが、守り神になってくれる確率は高そうです。その一方、同情されてしかるべきお年寄り夫婦への返還率が低いことに、心が痛むのは山本だけでしょうか。

※1:『外見だけで好かれる技術』(樺旦純著/星美堂出版)
※2:『瞬間説得 その気にさせる究極の方法』(ケヴィン・ダットン著/NHK出版)
※3:『逆説の仕事術』(鳥内浩一著/マガジンハウス)
※4:『顔の本』(香原志勢著/講談社)
※5:『非言語コミュニケーション』(マジョリー・F・ヴァーガス著/新潮社)

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