金メダリストと銀メダリストの典型的な表情の違い
日本選手は初日に2つ銀メダルを獲得してくれました(柔道60k級の平岡拓晃選手、女子重量挙げ48k級の三宅宏美選手)。お二人とも前回の北京大会でメダルを逃し、リベンジのロンドン大会でした。でも、その表情はとても対照的だったのではないでしょうか。メダリストの表情に関して面白い調査がありますので紹介いたします。
金メダル受賞者に近かった、重量挙げ三宅宏美選手の爽やかな笑顔
メドベックという心理学者のグループが、1992年の夏のオリンピックのすべてをビデオ録画し、その分析を行いました。すると、金メダル受賞者が喜んでいるのは当然ですが、銀メダル受賞者の表情は一様に暗いことが明らかになったのです。なぜ彼らは2位という素晴らしい位置に甘んじることができなかったのでしょうか。(※1)
「もう少しで金が取れたのに・・・」というやるせない思いが銀メダリストには
トップ以外は忘れ去られるという教訓が、銀メダリストを暗い表情にさせることは理解できます。では、銅メダリストはどうでしょうか。彼らは、「危うくメダルが取れないところだった」という心理状態にあるために、メダルをとれた安心感の方が悔しさよりも大きいのでしょう、銀メダリストよりも、ずっと幸福そうだったそうです。
●「2番目ではいけないんですか?」との議論が話題になりました。1番目と2番目の違いを語るときに良く例に出されるのが大西洋横断飛行です。最初に成功したリンド・バーグのことは多くの人の記憶に残っていますが、彼よりも短時間により少ない燃料で2番目に成功したバート・ヒンクラーのことはほとんどの人が知らないのです。
●なお、大西洋横断の3番目はアメリア・アーハートです。この人がバート・ヒンクラーよりも有名なのは「初の女性飛行士」だったことによります。女性の1番目のインパクトが大きいのですね。ところで、水泳の400m個人メドレーで銅メダルを受賞した17歳の萩田公介選手の満面の笑顔は、上記研究にぴったりと当てはまります。
メダリストの心理が、学生が成績表を受け取るときにも表れた
メドベックは、共同研究者とともに類似の研究を行っていまする。学生に成績を渡すとき、相手の表情を分析したのです。すると、Bクラスの成績を受け取る人々が一番苦い顔をしました。「もう少し頑張ればAだったのに・・・」との後悔があるため不満を強めるとのこと。むしろC辺りの人が幸せそうな穏やかな表情をしていました。
●まさに人生の縮図を見る思いがいたします。そういえば、浅田真央さんが懸命に涙を抑えている姿も痛ましかったですね。五輪大会中に山本ができることは応援だけですが、メダリストの表彰台の表情をしっかり記憶にとどめ、そして、敗者にはさらに一層やさしい眼差しをもって、今後の彼らの活躍を見守っていこうと思います。
※1:『心理戦の勝者』(内藤誼人&伊東明著/講談社)
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