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2012年8月

2012年8月30日 (木)

“エチケット”の言葉を生んだハイヒールとその歴史【服装⑤】

何と、その昔ハイヒールは男性の履物だったと、『雑学おもしろ百科9(※1)』に書いてありました。ハイヒールの最古の絵は、紀元前4世紀頃のギリシャのテーベの王侯墳墓内の遺物に登場し、女性ではなく男性が履いているそうです。今回は、ハイヒールの歴史と、靴販売のプロが実際の売り場で演じた感動の物語を紹介いたします。

ギリシャ演劇の男優は、背を高く見せるため底部全体を高くした靴を履いた
ギリシャでは、その底上げ靴をコトルノスと呼びました。16世紀のルネッサンス時代に、やっと婦人の間に「チョピン」という、背を高く見せる靴が登場しました。そして18世紀のフランスでは男女ともハイヒールを履き、そのまま芝生に入りました。そのため庭園内の花壇がハイヒールで踏みにじられることになってしまったのです。

ベルサイユのバラは“立て札(エチケット)”で守られた(※2)
公園の芝生に「立ち入り禁止」の立札はつきものですが、立て札のことをフランス語ではエチケットといいます。ベルサイユ宮殿の花園を平気で踏みにじる貴族たちを取り締まるための立て札(エチケット)が、その後「心の花園を荒らすな」に転じ、やがて今日的意味合いの“エチケット”として用いられるようになりました。

靴売り場のプロ(久保田さん)が見せたサービスの真髄(※3)
あるとき、母娘二人連れがハイヒールを求めに百貨店の靴売り場を訪れました。
母親「娘はスチュワーデスを目指しているので、リクルート用にできるだけ高いヒールの靴を勧めて欲しい」
娘さん「高いヒールの靴は履いたことがありません。でも、(身長がスチュワーデスの条件のギリギリのラインなので)少しでも高く見せたいんです」

久保田「でも、6センチ以上のヒールをはじめて履くのは、とてもたいへんですよ」
「面接官(久保田さんも面接を担当)にいちばん印象に残るのは、その人の笑顔です。いままで履いたことがない8センチのヒールを履いて、笑顔、出ます?」
「もしお時間があれば、美しい歩き方を習われてはいかがですか。高いヒールのパンプスを履くのは難しいんです」「これでなれて、歩き方をもうちょっと勉強されてから8センチヒールを、そのほうが笑顔が出ますよね。面接は絶対笑顔ですから・・・・・」

●後日、見違えるほど美しくなった娘さんと母親が合格の報告を兼ね来店した折、買い求めたのはちょっと高めの7センチヒールだったそうです。相手のことを心底から慮り、よい結果に導く久保田さんのシューテング・アドバイザーとしての姿勢は最高ですね。山本も、大いに見習いたいと思い、研修でもよくこのお話を披露します。

※1:『雑学おもしろ百科9』(小松左京監修/角川文庫)
※2:『セールスセンスを磨く プレゼンテーション技術』(森田琢夫著/井上書院)
※3:『お客さまの「ありがとう」が聞きたくて』(久保田美智子著/大和出版)

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2012年8月25日 (土)

マーケティングの世界でよく知られた「靴」に関するお話

~聴くStory~音声版はこちら

前回が靴に関するお話でしたので、今回は、山本が大好きな靴の市場調査に関するお話です。このれは、フィリップ・コトラーというマーケティングの大家の本にあったもので、モチベーション・アップ研修でよく使わせていただいています。教訓に満ちたお話なのですが、身近な靴が素材であり、受講生からの反応は上々です。

同じ指示を受けた「ご用聞き」「販売員」「マーケッター」の報告は?(原文転載)
香港に靴メーカーを経営する人物がいた。ある日彼は、南太平洋の孤島に靴の市場が存在するかどうかを知りたくなり、ご用聞き(オーダー・テイカー)の男を派遣した。ご用聞きは、ざっと様子を調べて電報を打った。
「島の人間は靴をはきません。ここには市場はありません」。

納得のいかない経営者は、次に販売員(セールスパーソン)を派遣した。販売員からの電報には、こうあった。
「島の人間は靴を履いていません。ものすごい市場があります」。
裸足の人間をおおぜい見かけて、すっかりのぼせてしまったのかもしれない。

そう思った経営者は、第三の使者としてマーケッターを派遣した。マーケティングの専門家である彼は、部族長ならびに数名の現地人にインタビューしたうえで、こう打電してきた。

「島の人間は靴を履きません。そのため、彼らの足は傷つき、痣(あざ)もできています。私は部族長に、靴を履けば島民も足の悩みから開放されると説明しました。部族長は非常に乗り気です。彼の見積もりでは、1足10ドルなら島民の70%が購入するとのこと。おそらく初年度だけで5000足は売れるでしょう。

島までの輸送と流通経路の確立に要するコストは1足当り6ドル程度と思われます。初年度の純益は2万ドルですので、投資額から判断して投資収益率(ROI)は20%となり、わが社のROIを5%上回ります。もはやいうまでもないことですが、この市場に参入すれば将来大きな利益が見込まれます。ぜひ話を進めましょう」。

●未知の分野に挑戦しようとするとき、20%以上の人が賛成したら見送るという話を、ある経営書で読んだことがあります。20%も賛成するなら、他でもすでに検討している可能性が高く、パイオニアとしてのメリットを享受できないからとの判断のようです。でも、この「靴」のお話なら、自信を持ってチャレンジできそうですね。

『コトラーのマーケティングコンセプト』(フィリップ・コトラー著/東洋経済新報社)

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2012年8月23日 (木)

《9つの非言語メディア+α》 女性から見た男性の靴&ビジネスマンの靴に関する統計【服装④】

出張帰りの機内で隣席の方の靴の…に困惑させられたとき、ある調査を思い出しました。それは「男性の靴は、履いている人の何を象徴していると思いますか?」と女性に質問し(※1)、その回答は【センス36%、人間性22%、生活スタイル20%、身だしなみ9%、こだわり8%、その他5%】で、山本の体験通りでもあります。
 
女性からの男性の靴に関する注文は、けっこう厳しいのです(調査回答より)
黒ばかりでなく、もっと個性を出して履いて!
ブランドでなくトータルなバランスを考えて!
靴からおじさん化が始まる!
職場、遊び、フォーマル、TPOをわきまえて!
いいスーツを着ているならそれなりの靴を履いて!

安いものは安いとわかる!/同じ靴を毎日履かないで!/靴がよければスーツも上等に見える!/こだわりを持った靴に強いポリシーを感じる!/職場で履く靴は仕事そのものを示すから、まさに靴で稼いでいるようなもの、ケチケチするな!/エナメル靴は品がない!/流行ものばかり買い求めるのはやめて!

本人が靴をお手入れ81%は多い?少ない? ビジネスマンの靴に関する統計より
●年代別所有数:20代10.0足、30代12.3足、40代11.1足、
        50歳以上10.9足、平均は11.1足
●お手入れ:本人80.6%、妻13.1%、母親2.6%、その他3.0%
●本人お手入れ頻度:毎日9人、2日に1度5人、週1~2度40人、2週に1度8人、月1度20人、2~4月に1度10人、半年に1度以下6人。 

40~50代の2人に1人は、初対面の人の靴を見る
●初対面の人の靴を必ず見る:20代36.8%、30代32.0%、
              40代47.4%、50歳以上53.8%。
●初対面の人の靴を必ず見る人の理由:
1位 性格が出るから(目につきにくい足元を気にする人は他の事もきっちりしていると見受けられるから)15人、 
2位 靴でその人のセンスがわかるから12人、 
3位 オシャレ度チェック9人。

●人間観察の上で、靴は重要なポイントになっているみたいですね。心理学的にも靴から読み取れるところが多いそうです(※2)。たとえば、靴をいつもピカピカにしておかないと気が済まない人は、異性と出会いがいつあっても戸惑わない人。お気に入りの1足を大事に履き続ける人は、一人の相手にとことん尽くすタイプなのだとか。

※1:『靴を見れば男がわかる』(伊勢丹広報担当監修/同朋社出版)
※2:『「外見・しぐさ」で相手の心理を読む技術』(富田隆著/永岡書店)

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2012年8月18日 (土)

スポーツのコーチングに学ぶ② ラクビー・サッカー、名監督2人の好対照な「チームコンセプト」

ラクビーのかつての名選手(神戸製鋼の日本選手権6連覇に貢献)で、全日本の監督も務めた平尾誠二氏が「チームワーク」に関してユニークな考え方を披露(※1)しています。また、前サッカー日本代表監督でW杯を指揮した岡田武史氏が、代表選手たちに「Our Term」を説いたときに引用したお話も大変面白いものです。

遊びだからこそ必死になれる。遊びは真剣に取り組まなければ成立しませんから
「ワークというのは誰かに命令されてやらされるということじゃないですか。そんなの楽しくないし、やらされていると思うから、じゃあ見えないところで手を抜こう、サボろうという気持ちになるのではないですか。それで僕は『チームワーク』でなく「チームプレー」というようにしています。これは仕事じゃないよ、遊びなんだって」。

社会的手抜き(Social loafing)の典型とされる「サッカー効果」とは
前回、綱引き実験の「手抜き」に触れました。個人で作業するときの努力量に比べ集団で作業するときの努力量が低下する現象のことを、専門的には「社会的手抜き(あるいは社会的怠慢)」といいます。集団では自分の努力量が正当に評価されないのではという懸念がそうさせるとのこと。この典型が「サッカー効果」なのだそうです。

前サッカー日本代表監督の岡田氏が物語になぞらえた「サッカー効果」への戒め
この「サッカー効果」を意識してのことと思いますが、前日本代表監督だった岡田武史氏は代表選手たちに「Our Term」という意識を強く持って欲しいと訴えたそうです。そのコンセプトがなぜ大事なのかを説明する際に、「村祭りの酒」というお話を選手たちにされました(※2)。以下に原文を転載し、五輪シリーズを終了します。

「ある村で、毎年、夏にお祭りをやっていた。祭りの始まりには、1斗樽をぶち抜いてみんなで乾杯する。ところがある年のこと、飢饉がやってきてお祭りどころではなくなってしまった。こんな時こそお祭りをやって、気持ちを明るくしたいと思ったが、いかんせん景気づけの一斗樽がない。

みんなが思案投げ首をしているところに、村の知恵者がこう言ったという。〝みんなの家には、コップ1杯分ぐらいの酒はまだあるだろう。それを持ち寄って、去年使った一斗樽に入れて蓋をし直そうぜ。それをぶち抜いて乾杯すれば、祭りを始められるじゃないか〟と。

この知恵者の提案にみんな賛同して家に帰り、各々コップ1杯の酒を持ち寄った。一斗樽がいっぱいになったところで蓋をして、気合を入れてぶち抜いた。めいめいコップに酒を注ぎ、乾杯の音頭とともにぐいと飲んだその瞬間、どの人も怪訝な顔をしたという。さて何が起こったと思うか」

選手からは、「まずかった」「臭かった」「薄かった」など、いろいろな答が返ってきたが、どれも正解ではない。答は、「水だった」。つまり、村人の誰もが「俺一人ぐらい水を持っていってもわかりはしまい」と考えた結果、一斗樽は水でいっぱいになったのである。「自分一人くらいはいいだろう」この考えが組織を壊す。

※1:『型破りのコーチング』(平尾誠二&金井壽宏著/PHP研究所)
※2:『日本人を強くする』(岡田武史&白石豊著/講談社)

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2012年8月16日 (木)

スポーツのコーチングに学ぶ① 本来個人競技の水泳選手が、なぜ「チーム」について語ったのか

競泳日本のメダリスト11人がロンドン市内でそろって記者会見したとき、松田丈志主将が「27人の個性ある選手がチームのためにという意識を持ち、すごい力になった」と話していました。そして、「チーム力って本当に結果に表れるんだと思った」と語ったのは、4百mメドレーリレーで銅メダルを獲得した寺川綾選手です。

●以前「チームワーク」の勉強をしていた折、この発言を予見した本があったことを思い出した山本は、お盆休みを利用し国会図書館に行ってきました。そして『なぜ社員はやる気をなくしているのか(※1)』のタイトルが決め手となり、そのご本と久し振りの再会を果たしたのです。行き着くまで大変でしたが、内容はピタリ賞でした。

個人競技でもチームとしてのまとまりの良し悪しが、そのまま成績に影響する
「団体スポーツでチームワークがパフォーマンスに大きく影響することは当然だが、最近では個人競技である水泳などでも、チームとしてのまとまりの良し悪しが、そのまま成績に影響することが知られるようになってきている。先のアテネ五輪での日本の水泳陣の大活躍はその好例であろう」。(山本注:メダルは金3銀1銅4個でした)

●『なぜ会社は変われないのか』などの著書もある柴田昌治氏のご指摘の通りになったわけです。そして、この文章は「仕事の場面でも事情はさほど変わらない。チームワークの質が仕事の質や効率に大きな影響を与え・・・」に続きます。この「チームワーク」の質は、ビジネス・スキルアップ研修では大事なテーマのひとつです。

「チームワーク」に潜む〝手抜き〟を見破った「綱引き」の実験(※2)
マクシミリアン・リンゲルマンが行った「綱引き」の実験があります。1対1で引き合う場合の筋力を100%とすると、「2人ずつで引き合う場合は本人の筋力の93%の力を出している。3人では85%、8人では49%と力がどんどん抜かれていく」というものです。要するに、人数が増えるにしたがって「手抜き」度が増すのです。

●実は、大声を出す実験でも、集団が大きくなればなるほど声が小さくなることが検証されています(※3)。「チームワーク」を研修で語るとき、山本は、この「綱引き」実験を引き合いに出し、「手抜き」を戒めることにしています。でも、今回の五輪の選手たちは、団体競技の良さをシナジー効果によって見事に成果につなげたのです。

※1:『なぜ社員はやる気をなくしているのか』(柴田昌治著/日本経済新聞社)
※2:『本当にわかる心理学』(植木理恵著/日本実業出版社)
※3:『心理学 落語にみる、こころの科学』(佐藤浩一&井上知義著/あいり出版)

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2012年8月11日 (土)

4年前、女子ソフトボールは“ひまわり” サッカーは〝月見草〟だった

楽天球団の監督だった野村克也さんが、ミスターこと長島茂雄さんを“ひまわり”に、自らを〝月見草〟に喩えました。五輪開幕直前の7月25日に『朝日新聞』の「天声人語」が、北京五輪で“ひまわり”だった女子ソフトボールのことを書いていました。その前日、日本が42年ぶりにカナダで行われた世界選手権で優勝していたのです。

女子ソフトボール世界選手権の結団、壮行会にテレビカメラは1台もなかった
「天声人語」によると、4年前、ソフト女子の「金」は1面トップで、その紙面の端っこに、小さく「なでしこは銅を逃す」とあったそうです。4年前とはその立場が全く逆転していますね。五輪競技としての存続運動に敗れた代償は大きく、女子ソフトボール世界選手権の結団、壮行会にはテレビカメラは1台もなかったそうです。

●今回の男子サッカーは、4年前の“なでしこ”と全く同じパターンでした。この世代のチームは、ことごとく世界の舞台を踏めず、谷間の世代と言われてきたとか。しかし、見事な健闘でした。いずれ日本代表で活躍してくれることでしょう。さて、勝負につきものの勝者と敗者。難しい両者への接し方を達人から学びたいと思います。

東京オリンピックの対アルゼンチン戦で川渕キャプテンはゴールを決めていた!
日本サッカー協会元会長でキャプテンの愛称で親しまれた川渕三郎氏の東京オリンピックの回想で語られたエピソードからです。サッカー日本代表チーム強化のためにドイツ人のコーチが招へいされました。彼の指導のおかげで、日本代表は強豪のアルゼンチン(今回の初戦のスペインくらいの難敵)に勝利することができたのです。

日本サッカーの恩人が、強豪を倒した日にロッカールームで語ったこと(※)
コーチのデッドマール・クラマー氏は「ジェントルマン、今日はホントウニよくやった。これから君たちが会ったことのない新しい友達がいっぱい来るだろう。しかし、今一番友達が欲しいのは、負けたアルゼンチンのチームなんだ。私はこれからアルゼンチンのロッカーに行くが、君たちはここで、友達と喜びを分かち合いたまえ」。

予選敗退が決まった日に、敗者を訪ねてくる人たちについて語ったこと
「ジェントルマン、今日まで君たちがどれだけ努力したかは私が一番知っている。その努力に対して本当に感謝したい。今日はサッカーのことはすべて忘れて、今から来る本当の友達と今までやってきたことを語り合いたまえ。今日来る友達こそが、数は少ないけれど、君たちの本当の友達だ」と。本物の指導者の言葉は心に響きますね。

●氏の予想通り、マスコミを含めロッカーを訪れる人はほとんどいなかったそうです。今回の女子ソフトの壮行会と同じですね。このお話で山本が特に感心するのは、勝利に歓喜する選手たちの労をねぎらいながら、いずれ訪れるであろう敗者の立場の受容姿勢を、自らの言動でさりげなく説いているところです。クラマーさん格好いい。

※『スポーツマンシップを考える』(広瀬一郎著/ベースボール・マガジン社)

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2012年8月 8日 (水)

スポーツの祭典を支えたギリシャ人のホスピタリティ精神

古代オリンピックは紀元前776年から紀元393年まで、4年に一度オリンピアで行われ、各地から多くの競技者と、それを観覧する人々が集まったといわれます。これらの旅行者のために、ギリシャの都市国家では、街道沿いに「タベルナ」と称された簡易食堂が建てられ、パンとワインがふるまわれたそうです。(※1)

旅行者を歓待する「ホスピタリス(hospitalis)」がホスピタリティの語源
この時代には、外来者はギリシャ神話の最高神ゼウスの保護を受ける「聖なる人」として、厚くもてなされる習慣があり、旅行者は街道沿いの民家に泊めてもらう恩恵に浴しました。このような歓待の精神は「ホスピタリス(hospitalis,歓待する、手厚い、客を厚遇する)」と呼ばれ、これがホスピタリティの語源とされています。

●ホスピタリスからはホスピタリティの他に、現代社会に不可欠なホテル(hotel)、病院(hospital)などの言葉が派生しました。高級ホテルがホスピタリティを競うのには、こうした背景があるからなのですね。今回は過去のブログから、山本が特に気に入っている“ホスピタリティ精神に富んだ感動的な物語”を2つ紹介いたします。

恥ずかしい思いをしている患者を救った看護師さんの感動の一言とは?
採尿器をうまく使えず、粗相をしてしまった患者のSさんが「ナースコールを押し、看護師さんが急いでやってきました。Sさんは恥ずかしさを忍んで事態を説明しようと思っていたのですが、看護師さんはSさんの説明を聞く前に事態を察知したようでした。Sさんが生涯忘れない感動を得たのは、そのときです。(※2)

「ごめんなさい。私が使い方をよく教えなかったから、うまくできなかったのですね。申し訳ありませんでした」。こんなに思い遣りのある言葉を、とっさの場面で、自然に発せられる人は、本当に心の美しい人なのでしょうね。山本は、病院での研修や講演でよくこの話をしますが、いつも目頭が篤くなってしまいます。

ホスピタリティのプロが3月後に訪れたホテルで体験した一生の感動!
『勝てるホスピタリティ』の著者であり、まさにホスピタリティのプロの力石寛夫氏がサンフランシスコのキャンプトンプレイス・ホテルに空港からタクシーで到着すると、ドアマンがMr.CHIKARAISI,Welcome back to CAMPTON PLACE HOTEL.と3月前に1回しか泊っていない氏の顔を覚えていて声を掛けてきたそうです。(※3)

●ベルマンに案内されて部屋に入ると、テーブルの上にきれいな花とシャンパンがあって、「私どもはこのお部屋を力石さまのお誕生日のために予約しておきました」というメッセージがありました。部屋番号は氏の誕生日(6月12日)と同じ612号。その時の感動を、力石氏は一生忘れないだろうと述懐しています。

※1:2010年6月12日「(2)ホスピタリティの歴史と語源」より
※2:2010年7月24日「(7)病院のホスピタリティ④」より
※3:2010年6月19日「(3)ホテルのホスピタリティ」より

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2012年8月 5日 (日)

自分の頭で考え抜き、本物の自信をもって、「志」を旅せよ!

先日、図書館で佐々木常夫氏(*)の『これからのリーダーに贈る17の言葉』を拝読しました。するとどうでしょう、その17の言葉の中に5つも「志」が出てきました。私、山本志のぶは自らの名前に重なる「志」を大切にしていますので、今回が200回目の「木の葉ブログ」の記念碑的に、この“17の言葉”を紹介いたします。

*東レで約40年、主に企画や管理などいわゆる「スタッフ部署」を歩み、取締役から東レ経営研究所の社長に。この間、赤字事業や会社の再建、新事業開発や海外事業展開を陣頭指揮。ベストセラー『そうか、君は課長になったのか』『働く君に贈る25の言葉』の著者。ワーク・ライフ・バランスのシンボル的な存在でもあります。

第1章 自分自身のリーダーであれ
1 己のなかに、熱意を抱け。
2 リーダーとは、「志」に従うものである。
3 「無私」こそ、己を最大に活かす道である。
4 上を見て生きろ。下を見て暮らせ。

第2章 自分の頭で考え抜く
5 現実に全力でぶつかれ。それが、「考える」ということだ。
6 信頼を求めるな。それは、自らつくり出すものだ。
7 「志」をもつとは、言葉をもつことである。
8 「常識」を磨き上げろ。

第3章 本物の自信をもつ
9 異質なものを尊重せよ。そして、あえて批判を求めよ。
10 相手を変えようとするな。「小異」を活かす人間になれ。
11 すべての人を活かせ。
12 倫理は語るものではなく、どこまでも実践するものである。
13 本物の自信をもて。
 
第4章 「志」を旅せよ
14 大きい者は大きいなりに、小さい者は小さいなりに、己を高める「志」こそが大切だ。
15 リーダーシップとは、高めあうものである。
16 逆境こそ「志」の源である。
17 「志」を旅しよう。それが、リーダーという生き方である。

●リーダーシップと「志」について、佐々木氏は「『自分を高めたい』『社会に貢献したい』といった『志』に献身する姿が周りの人の共感を呼び、その人たちが力を借りたい、力になりたいと思ったとき、はじめてリーダーシップが生まれると考える。
つまり、リーダーシップの核心は『志』にあるのだ」と、前文に記されています。

『これからのリーダーに贈る17の言葉』(佐々木常夫著/WAVE出版)

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2012年8月 1日 (水)

「これこそオリンピックの理想」とクーベルタンを感動させた司教の言葉

オリンピックで重要なのは、勝つことではなく、参加することである。
人生で最も大切なことは成功することではなく、努力することである。
そして、競技で最も大切なものは、単なる闘争ではなく、正々堂々と競うことである」この言葉は、競技上の感情的対立をいさめるため、教会で司教から発せられました。
 
何と綱引きが正式競技だった! その綱引きと4百m走でトラブルが(※1)
1908年の第4回ロンドン大会。綱引き競技で、英選手の靴に鋲(びょう)が打ってありルール違反と米チームが抗議して棄権しました。そして、4人(米3、英1)で行われた男子4百m走決勝でも両国ランナー接触のトラブルが発生。判定に不服な米選手全員が再レースを棄権したため、英選手1人が走って優勝する珍事となりました。

司教が語った言葉が、いつのまにかクーベルタン男爵の言葉として独り歩き
大会中、セント・ポール大寺院の礼拝で、司教のエセルバート・タルボットが英米の対立をいさめるために「オリンピックで重要なのは、勝つことではなく、参加することである」と説教しました。この言葉に感激したクーベルタン男爵が、国王招待の晩餐会で「これこそ五輪の理想」と紹介したことで、彼の言葉と記憶されたようです。

●司教さん素晴らしいですね。山本は、有名な最初の一行「オリンピックで重要なのは、・・・」よりも、あまり知られてはいませんが、その後に続く「人生で最も大切なものは成功することではなく、努力することである。・・・」のほうが好きです。期待されながらメダルを取れなかった選手たちにこそ、この言葉を贈りたいですね。

オリンピックの別称“五輪”と宮本武蔵の『五輪の書』は関係あるでしょうか?
1936年の第11回ベルリン大会前に、読売新聞運動部の記者だった川本信正氏(その後スポーツ評論家として活躍)に、オリンピックを短く表現する言葉はないものかと相談がありました。氏は、オリンピックの5つの輪を思い浮かべ、さらに、武蔵の剣の極意書『五輪の書』に思いが至り、そこから、「五輪」の別称が生まれました。

●この「五輪」が本格的に使われるようになったのは、日本が戦後復帰した第15回ヘルシンキ大会からだそうです。すっかり定着しゆるぎないのは、発案者のセンスによるところが大きいのでしょう。造語と翻訳語とで性格は異なりますが、正岡子規訳といわれる同じ2文字の「野球」くらいインパクトがあるように思います。

※1:『オリンピック・トリビア!』(満薗文博著/新潮社)
※  『生徒に贈る 珠玉の言葉』(佐藤允彦著/学事出版)

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