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2012年8月18日 (土)

スポーツのコーチングに学ぶ② ラクビー・サッカー、名監督2人の好対照な「チームコンセプト」

ラクビーのかつての名選手(神戸製鋼の日本選手権6連覇に貢献)で、全日本の監督も務めた平尾誠二氏が「チームワーク」に関してユニークな考え方を披露(※1)しています。また、前サッカー日本代表監督でW杯を指揮した岡田武史氏が、代表選手たちに「Our Term」を説いたときに引用したお話も大変面白いものです。

遊びだからこそ必死になれる。遊びは真剣に取り組まなければ成立しませんから
「ワークというのは誰かに命令されてやらされるということじゃないですか。そんなの楽しくないし、やらされていると思うから、じゃあ見えないところで手を抜こう、サボろうという気持ちになるのではないですか。それで僕は『チームワーク』でなく「チームプレー」というようにしています。これは仕事じゃないよ、遊びなんだって」。

社会的手抜き(Social loafing)の典型とされる「サッカー効果」とは
前回、綱引き実験の「手抜き」に触れました。個人で作業するときの努力量に比べ集団で作業するときの努力量が低下する現象のことを、専門的には「社会的手抜き(あるいは社会的怠慢)」といいます。集団では自分の努力量が正当に評価されないのではという懸念がそうさせるとのこと。この典型が「サッカー効果」なのだそうです。

前サッカー日本代表監督の岡田氏が物語になぞらえた「サッカー効果」への戒め
この「サッカー効果」を意識してのことと思いますが、前日本代表監督だった岡田武史氏は代表選手たちに「Our Term」という意識を強く持って欲しいと訴えたそうです。そのコンセプトがなぜ大事なのかを説明する際に、「村祭りの酒」というお話を選手たちにされました(※2)。以下に原文を転載し、五輪シリーズを終了します。

「ある村で、毎年、夏にお祭りをやっていた。祭りの始まりには、1斗樽をぶち抜いてみんなで乾杯する。ところがある年のこと、飢饉がやってきてお祭りどころではなくなってしまった。こんな時こそお祭りをやって、気持ちを明るくしたいと思ったが、いかんせん景気づけの一斗樽がない。

みんなが思案投げ首をしているところに、村の知恵者がこう言ったという。〝みんなの家には、コップ1杯分ぐらいの酒はまだあるだろう。それを持ち寄って、去年使った一斗樽に入れて蓋をし直そうぜ。それをぶち抜いて乾杯すれば、祭りを始められるじゃないか〟と。

この知恵者の提案にみんな賛同して家に帰り、各々コップ1杯の酒を持ち寄った。一斗樽がいっぱいになったところで蓋をして、気合を入れてぶち抜いた。めいめいコップに酒を注ぎ、乾杯の音頭とともにぐいと飲んだその瞬間、どの人も怪訝な顔をしたという。さて何が起こったと思うか」

選手からは、「まずかった」「臭かった」「薄かった」など、いろいろな答が返ってきたが、どれも正解ではない。答は、「水だった」。つまり、村人の誰もが「俺一人ぐらい水を持っていってもわかりはしまい」と考えた結果、一斗樽は水でいっぱいになったのである。「自分一人くらいはいいだろう」この考えが組織を壊す。

※1:『型破りのコーチング』(平尾誠二&金井壽宏著/PHP研究所)
※2:『日本人を強くする』(岡田武史&白石豊著/講談社)

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