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2012年9月

2012年9月30日 (日)

ネクタイの起源と、ネクタイにまつわる3つのお話【服装⑩】

ネクタイの起源は、戦場に赴く英国兵士を見送る恋人のとっさの思いつきから生まれたとの説が有力です。軍服姿の兵士の隊列から恋人を見出すことは難しいと考えた彼女は、彼の首にスカーフを巻きつけました。そうすれば、容易に彼を見出せると考えたからでした。今回は、ルーツにロマンスの香りを漂わせるネクタイのお話です。

池波正太郎氏は、ネクタイを贈るのは難しいと・・・(※1:原文転載)
「贈り物をするというのは、なかなかむずかいしことだ。(中略)だから、ネクタイを贈る場合は、その人のスーツを知っていなきゃ贈れないんだよ。どういうネクタイを持っているか。どういうスーツを好んで着るかというようなことまでね。服装とかおしゃれというのは、結局、バランスが大事でしょう。いくら高価なエルメスだの何だの舶来のネクタイを貰ったって、それにあうスーツがなかったらどうにもならない。」

女性からピンポイントでネクタイのみをほめられたら要注意(※2)
女性はトータルで人を見るとの認識に立つと、「おしゃれですね」「センスがいいですねぇ」には、純粋なほめ言葉と裏腹に、「そのネクタイ、面白いですね」「ネクタイだけが浮いていますよ」という皮肉が込められていることもあるといいます。このため、「ネクタイ、個性的ですね」とほめてもらっても、うかつに喜んではいけないのだと。

●恋人の巻きつけたスカーフは、目立つことでその目的を果しましたが、目立つだけのネクタイはどうも評判が悪いようですね。ネクタイだけはおしゃれをと、キャラクターものやハデ目の色柄を選ぶ方がいらっしゃいますが、ネクタイだけが浮いてしまっているケースは多いようです。さて、この回のまとめはネクタイの経済的効果です。

調査員がネクタイをしている場合としていない場合で結果はどう違う(※3)
立正大学教授の斎藤勇氏が、個別に家を訪ねて「アンケートに協力してください」と調査依頼をするとき、調査員が「ネクタイをしている場合」と「ネクタイをしていない場合」の2パターンで実験をしました。その結果、必ずしもきちんとした服装がより多くの調査協力につながるのではない、ということがわかったそうです。

毎日、ネクタイをしているホワイトカラー層に対しては、「ネクタイをして依頼」すると90%以上が応じてくれましたが、「ネクタイをしないで依頼」すると30%未満でした。その一方で、普段、ネクタイをしていない人に対しては、「ネクタイをして依頼」すると55%で、「ネクタイをしないで依頼」した方が65%と多かったのです。

●この実験からわかったことは、高価に見える服装やきちんとした格好が誰に対してもよいというわけではなく、「自分と同じタイプかどうか」が相手との距離感を縮める最大のポイントであるということでした。出身地、名前、趣味などが同じだと親しみを覚えやすいという親和性の法則は、ネクタイの有無にもきちんと適応したのですね。

※1:『男の作法』(池波正太郎著/新潮社)
※2:『上司のための印象10倍アップ服装術』(小池恵子著/東洋経済新報社)
※3:『4分5秒で話は決まる』(山川碧子著/朝日新聞出版)

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2012年9月26日 (水)

スカートの長さについて、最高裁の判例があるそうです

「全国一スカートが短い」から? 滋賀“痴漢多発警報”の理由――という産経新聞の記事が9月22日にインターネットに配信されていました。滋賀県では9月に、強制わいせつ事件や痴漢事件などが多発(1週間で、帰宅途中の女子高生や若い女性が抱きつかれるなどの事件が計11件も立て続けに発生)しているのだそうです。

全国では異例の「痴漢等多発警報」を発令するも、事件は続発
同県の嘉田由紀子知事が会長を務める県民会議が8日、全国では異例の「痴漢等多発警報」を発令。しかし、発令後もわいせつ事件は続発し、制服姿の女子高生がねらわれるケースも多いとか。インターネット上で、滋賀の女子高生のスカートが「全国一短い」との噂が広まっており、これが被害の元凶との見方がなされています。

股下5センチ未満のミニスカートでエスカレーターに乗ると露出犯罪に!(※)
このスカートの長さについて、最高裁の判例があると『実践 笑い学』という本の中に書かれていましたので紹介します。これによると、ミニスカートが股下8センチ以上の長さならエスカレーターに乗ってもまず支障はないのだそうですが、股下5センチ未満でエスカレーターに乗れば露出犯罪になるそうです。下は該当法令。

【軽犯罪法第1条第20号】 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者
【軽犯罪法第2条】 前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる

●スカートの丈の長さについては、女性の眼から見ても、“どうなんだろうか”と思うことはあります。山本は法律に疎いので、実際の判例に当たるまでは至っておりませんが、判例の詳細がわかれば、マナー研修の場でしっかり伝えて行きたいと考えております。もしお詳しい方がいらっしゃいましたら、ご指導いただけるとありがたく存じます。

※『実践 笑い学』「清水修二(福島大学経済経営学類教授)著/リベルタ出版)

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2012年9月22日 (土)

ネクタイへのこだわりと、パーティーでのネクタイ心得【服装⑨】

猛暑がようやく峠を過ぎようとしています。そこで今回は、ビジネスマンがスーツ姿に戻る前に、クールビズの最も象徴的なノーネクタイについて辛口コメントを2つご紹介いたします。最初は元帝国ホテル社長の犬丸一郎氏、次は、山本が出張研修の帰りに短編集(『月島慕情』がいいですね)でお世話になることもある浅田次郎氏です。

同じ生地で作られている背広上下を着る時は、シャツにネクタイが常識(※1)
犬丸氏は、「省エネルック、エコファッションと称して、ノーネクタイデーを設ける会社が増えているそうですが、このこと自体はいいのです。ネクタイをしないのであれば、上着だけ替えればいい。また、背広は立ったら前のボタンはかけること。べストを着けている時や座っている時はかまいません。」と、著書に書かれています。

江戸っ子の浅田次郎氏には、ノーネクタイがだらしなく見えるそうです
「人々の身なりはたいそうカジュアルになっている。どうやらこのごろでは「よそいき」が死語になってしまったらしい。江戸っ子育ちの私にとって『クール・ビズ』なるノーネクタイ運動は噴飯ものであった。資源節約という大義名分は、景気回復が至上命題たる昨今のご時世ではまったく説得力に欠ける(※2)。」と手厳しい。

犬丸氏からのバーティーの着こなし、ワンポイントアドバイス
「パーティーに何を着ていくかを決めるに際しては、まず招待状や案内状のドレスコードを見ましょう。『ホワイトネクタイ』と書かれていれば燕尾服、『ブラックタイ』ならタキシード、『カジュアル』と書かれてあればノーネクタイのジャケットでもいい。何も書かれていなかったら、スーツで。」なのだそうです。

「立食の気楽な集まりと違って、着席する会食の場合は、身なりに気を配ってきちんとしていかなければいけません。結婚披露宴の席に、黒っぽい背広を着て、白いネクタイをしている人がいます。これは外国人からみると違和感がある(こうした場では洋服文化の国ではほとんど真っ白いネクタイをしません)。

おそらく、最上級の正装である燕尾服のことをドレスコードで「ホワイトタイ」と明記されているのを、日本人は「白のネクタイ」と解釈したのでしょう。これは正式には「白い蝶ネクタイ」のこと。ドレスコードに「ブラックタイ」とあれば燕尾服よりもカジュアルなタキシードで「黒い蝶ネクタイ」なのです。

モーニングも同様です。ズボンは縞ズボンですが、私は黒地にシルバーグレイのストライプのものと、ちょっと薄めの黒地に黒のストライプのものの二種類持っています。要するに、黒っぽい縞ズボン(葬儀用)と、もうちょっと明るい感じの縞ズボン(祝事用)と穿き分けているのです。」奥が深いですね。

※1:『帝国ホテルの流儀』(犬丸一郎著/集英社)
※2:『ネクタイと江戸前(07年ベスト・エッセイ集)』(浅田次郎著/文藝春秋社)

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2012年9月20日 (木)

ドレスコードのある職場のほうが勤勉であり生産性が高い【服装⑧】

クールビズの導入から、夏以外でも、オフィスの服装がかなりフランクになってきたように感じます。その一方で、【服装⑦】で紹介した川越胃腸病院は、看護師や薬剤師から清掃係まで同じ制服を着て、アットホームな運営で成果をあげていました。評価の分かれるドレスコードについて、2つの事例から検証してみたいと思います。

ドレスコードのある事業所の方が明らかに勤勉だった(※1)
ある会社では、ドレスコードがある事業所と、ない事業所が混在していました。そこで、2つのタイプの事業所の就業状況を集計してみたところ、勤務態度にかなりの差があることが判明しました。一般社員の就業時間はない方に比べある方が4%多く(技能職では5%も多かった)、欠勤や遅刻も3~5%の違いがあることがわかりました。

ドレスコードを導入すると勤勉になり、生産性も向上した
この結果を受け、規定のなかった事業所にも規定を作り、定着するまでに一定期間を置いて検証したところ、仕事時間は2%増え、欠勤遅刻は15%も改善されました。
この会社の重役の観察によると、社員たちが規定を設けたことで全員活動的になっており、また、中間管理職の仕事ぶりもよくなって、良いことづくめだったとのこと。

●この会社が学んだ教訓は、服装が人間を変えるのではなく、規律ある環境が人間を変えるということでした。ドレスコード支持派には心強い事例ですね。制服を廃止するところも多いように聞きますが、ITベンチャーを除けば、多くの日本企業もドレスコード規定があります。でも、中には伝統のある企業でもこんな例が・・・。

フリーな服装の代表格は広告代理店業ですが、その実情は・・・
博報堂OBの方が書いた『大手広告代理店のすごい舞台裏(※2)』の中に、〝スーツは戦闘服である〟として、 広告代理店マンの身だしなみの記述があります。ドレスコードを考える上で大いに参考になると思いますが、同じ社内で、こんなにも落差があり、それでいてモラルが保たれているところはさすがと言わざるを得ません。

営業:スーツ9割
マーケティング:スーツ3割。ジャケットなどカジュアル7割
SP(セールスプロモーション):カジュアル9割
媒体:スーツ8割
制作:カジュアルまたはTシャツ9割

営業マンが出入りするのはほとんどが得意先本社の宣伝部や広報部であり、当然他部門の方の視線もあるので納得です。媒体もメディア関係との接触が多いのでしょう。これとは好対照な制作では、春夏秋冬、Tシャツとサンダルで過ごしている人もいるそうですから、クリエイティブな部門ではドレスコードは無用の長物のようです。

※1:『ビジネスマン成功のための服装学』(ジョン・モロイ著/ジャテック出版)
※2:『大手広告代理店のすごい舞台裏』(本間龍著/アスペクト)

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2012年9月15日 (土)

青年の心の悩みを、診察前の一言で解決してしまった名医の物語

今回紹介するお話は、9月15日公開の映画『天地明察』の原作者・冲方丁氏の近刊『もらい泣き』からです。大学受験のため長野県から上京した青年は、突然原因不明の頭痛に襲われます。心配した両親が、すぐ帰省して自分達の主治医の診察を受けるように勧めました。気乗りしないものの、夜遅く駅に着いた彼が病院を訪ねると・・・。

受付で「先生お待ち兼ねですよ!」と、遅い来院を咎められ診察室へ
「遅れてすいません」
すると医者はきょとんとしてこう訊いた。「なんで謝るの?」
「え?」 「いや、こんなに遅くなりましたから。受付の人にも怒られたし。本当、すいません」

「誰が君を怒ったの?」 医者は繰り返した「誰?」
彼が受付の看護師のことを話すと、医師はいきなりそばにいた別の看護師に、「ちょっと呼んできて」と言った。
1分と経たずに看護師が現れた。

「何か?」と訊く彼女を遮って、医師が叱り飛ばした。「私の患者に何をするんだ」。
その看護師も彼もびっくりした。医師は続けて言った。
「私は、何時まででも待つと言ったはずだ。医者が必要だと言っている人を、君がそんなふうに扱ってどうする」

医師の恐ろしく真剣な態度に、今度は看護師の方が、平謝りになる番となった。
頭痛のことすら吹っ飛び、彼は目が覚める思いで医師を見つめていた。
「ああ、こういう大人にならなきゃいけないんだ」と言う強烈な確信が湧いた。のみならず、とっさに心の中で逆転が起こった。

「将来のことなんかいちいち考えなくてもいいじゃないか。そんなの、なんだっていいんだよ。こういうふうに自分を必要としている相手に命を懸けられる大人にならなきゃダメだ。そのために頑張んなきゃダメなんだ」
それは何年経っても鮮明に思い出す、青年に「スイッチが入った瞬間」でした。

●「医は仁術」との諺があります。「仁」とは広辞苑によれば「自己抑制と他者への思いやり」だそうです。このお話のお医者さまがまさしく仁術を施してくださる方なのでしょう。それを知っているからこそ、両親は進路に悩む息子を、信頼する主治医に診てもらいたかったのだと思います。そして、その読みはズバリと当たりました。

『もらい泣き』(冲方 丁(うぶかた・とう)著/集英社)「主治医とスイッチ」より

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2012年9月12日 (水)

人気の2病院に共通するのは、院長の服装へのこだわり【服装⑦】

社会問題化しつつある看護師不足がウソのような病院があります。「看護師から清掃係まで同じ制服」にしたり、「スリッパ廃止でナースに個人用の靴を用意」するなどのユニークな運営をされているのは、川越市の川越胃腸病院と青梅市の青梅慶友病院です。人気が高く、入院の順番待ち(患者・看護師共)も半端な人数ではないとか。

病院職員の制服が一緒で、会議に“掃除係”“食事係”も毎回出席(※2)
埼玉県川越市の川越胃腸病院では、看護師、薬剤部、お掃除の人などが皆同じ色の服装をして、患者さんに親切でぬくもりある対応をしているそうです。会議には掃除の担当者、食事の担当者も必ず出席するそうです。つまり所属部門はあっても全員がサービススタッフであるという意識で「患者さま第一」に徹して取り組んでいるのです。

●厚労省の指導で「患者さま」と呼ぶようになったりして、最近の医療現場にはかなりの変化があるようです。とはいえ、〝医師第一主義〟は動かしがたい現実でしょう。でも、この病院では医師を含めたチームワークを重視しているように見受けられます。そうした姿勢が、患者さんにもスタッフにもプラスに働いているのでしょうね。 

患者さんと医師が、目線を合わせるために、同じ椅子を使う
川越胃腸病院は、患者さんと同じ目線で会話をするために、椅子を医師も患者さんも一緒にしたり、ベッドの高さや設置にも神経を使っています(これには医師や看護師が腰を痛めないことへの配慮も)。こうしたもろもろが評価され、「働きたいから採用してほしい」という看護師の応募があり、いつも「欠員待ち」状態なのだそうです。

病院内はスリッパ禁止、ナースには個人の好みに合った院内専用靴を支給(※2)
青梅慶友病院は、院長・大塚宣夫氏の方針で、病院内でのスリッパが禁止されています。その代わり、ナースの院内専用靴に予算を計上し、職務に応じて、機能やタイプ、デザインの靴を自由に選べるようにしているとのこと。1日中院内でフットワークが要求されるハードなホスピタル・ワークへの、大塚院長の配慮は心憎いですね。

●入院患者数は約800人だそうですが、院内ではパジャマ姿やスリッパを引きずる患者さんの姿は見当たりません。その理由を大塚院長は「努めてオシャレしてもらっているから。病院で決められたものでなく、意識して自分の好きな服や靴を身につけることで、患者さんはよい緊張感を保つことができるんです」。と語られています。

※1:『「サービス」の常識』(武田哲男著/PHP研究所)
※2:『靴を見れば男がわかる』(伊勢丹広報担当監修/同朋社出版)

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2012年9月 9日 (日)

ショルダーバッグを、イミテーション・ジュエリーを創出したシャネル

「モダン・ライフに適した実用性と機能性、そして遊び感覚」が、シャネルの真髄なのだそうです。日常に欠かせないファッションの多くが、シャネルによって世に送り出され、今日もその輝きを失うことがありません。6月27日にシャネルを取り上げましたが、前回のバッグに関連した話なので今回はシャネルの続編です。

「ハンドバッグを手に持っていると疲れちゃうし、よく失くすもんだから」
だから「革紐をつけて肩からさげたの。そうしたら、みんなが真似したわ」とシャネルは語っています。華やかなファッションの中心にいたと思われがちですが、シャネルのデザインに対する考え方の中心は実用性第一でした。彼女が初期にデザインした服(足元の見えるスカートなど)は、女性の社会進出を大いに助けたといわれます。

●電車通勤時、携行しているのがショルダーバックでなかったら、携帯でのメールやタブレットでの情報アクセスは大変でしょう。また、ビジネスマンのショルダー形式のバックは、網棚への置き忘れ防止(特に一杯飲んだ帰り)効果大です。実用第一主義だったからこそ、シャネルの発想は現代に生き続けているように思われます。

私がつくるものは、ひどい偽者だけど、本物よりもずっときれいだわ
イミテーション・ジュエリーをモードとして世に送り出したのもシャネルでした。宝石の高価さが、おしゃれと同価値ではないことを証明するために、周囲の反対を無視して製品化したそうです。一説には、その動機となったのは日本の真珠だったとか。だとしたら、神秘の輝きが、シャネルに素晴らしいアイデアをもたらしたのですね。

「出かける前に、何かひとつ外したら、あなたの美しさは完璧になる」(シャネル)
「たくさんの色をつかえば使うほど、女はかえって醜くなるということに女たちは気がつかない」(シャネル)。この考えを具体化したのが「黒一色にしてみせる!」の決意から生み出されヨーロッパを席巻した、黒のレディスーツでした。当時、喪服のみに用いられていた「黒」を、ファッションとしてデビューさせたのです。

ジャージー(メリヤス)を下着からドレスに大変身させたのもシャネル
ジャージーは、ラクビー・サッカーの試合のユニフォームですが、今日の一般的なジャージーの理解は、スポーツや軽い運動、部屋着に気楽に着られる、スェット系のものを指すようになりました。でも、「ジャージーなんて、当時は下着にしか使われなかったのよ。私がジャージーに、上着になる栄誉を与えたってわけ」とはシャネルの言。

●改めてシャネルの時代の改革者としての姿が見えてきました。自ら夜のデートを楽しむため夜用のモードを作った(当時の婦人は夜外出することが無かった)のは素敵ですね。彼女の「モードは服にだけあるものではなく、空気の中にもあって、風も持ってくる。空にも歩道にも、どこにでもある」。この言葉で今回を締めくくります。

『女を磨くココ・シャネルの言葉 正・続』(高野てるみ著/マガジンハウス)

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2012年9月 6日 (木)

レディは靴とバッグのバランスにご用心!【服装⑥】

サスペンス映画で初めてアカデミー賞を獲得したのは『羊たちの沈黙』でしたが、服装に関して大変興味深いシーンがありました。それは、監獄に収容されているアンソニー・ホプキンス扮するレクター博士の元をジョディ・フォスター扮するFBI研修生のクラリスが面会に行ったときのシーンです。思い出しただけで怖いですね。

ハンニバルの主人公でもあるレクター博士が女性検察官に言い放った!(※1)
レクター博士はクラリスに向かって「高いブランド物のバックに安物の靴とは、田舎娘丸出しだな」と、履いている靴でクラリスを分析して見せました。女性ならドキッとするところですね。このバックと靴について、ソフトバンクの孫正義社長に影響を与えたという日本マクドナルド創業者の藤田田氏にこんなエピソードがあります。

日本マクドナルド創業者(藤田田氏)が凝視した女性の服装とは(※2)
藤田氏は新店舗の開設計画があると、その街に出かけてじっと女性たちを眺めていたそうです。その視線は顔ではなく、服やハンドバックから靴へと移動しました。地元のご婦人がいい服を着て、いいバックを持っているに越したことはなのですが、出店の一番の決め手は、彼女たちの靴が上等でよく光っていることだったそうです。

見栄を張って装えるのはバックまでで、靴のところまではいかない
氏によると、「生活に余裕が出てくると女性たちは服やアクセサリーやハンドバックも高いものを身につけるようになる。だが、人々の視線よりもずっと低い地面にあって目立たない靴となると、後回しになることが多い。もし食費を切り詰めて実際の生活レベルよりも相当ムリをして見栄を張って装った場合には、靴までいかない」のだと。

●日本マクドナルドの成功の秘訣を垣間見た気がいたしますね。そういえば、日本の一号店は銀座三越の中央通り沿い(現在はありません)でしたが、今日でも銀座を歩く人たちを見ていると、足元まで決まっている人たちが多いように思います。知名度を上げるために歩行者天国で無料でハンバーガーを配ったのは40年以上前のことでした。

●研修講師の仕事柄、山本は実用性重視で、いつも大きめのバックにPCと教材を詰め込んでおり、ファッション感覚からほど遠いところにおります。それでも、靴にはかなり神経を使っています。とはいえ、これも長時間の研修に耐えるには、どの靴がよいかが判断基準ですから、先のお二人からは「少しは恥を知れ!」でしょうね。

●もうひとつ余談ながら、山本が感心するのは、ソフトバンクの孫正義社長が、高校卒業後の進路に悩んでいた折、アポイントもなく九州から上京し、当時の藤田田社長に面会を求めたことです。その無謀さもさることながら、見知らぬ若者の心意気に感じ入り、じっくり相談に乗ってあげた藤田田さんは、本当に凄い人だったのですね。

※1:『感性がビジネスを支配する』小暮桂子&青木かおり著/ファーストプレス)
※2:『経営パフォーマンス時代』佐藤綾子著/東洋経済新報社)

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2012年9月 1日 (土)

記憶に残る、感性に訴える、お財布に語りかける、3種の飲み物

8月30日『朝日新聞』夕刊に〝コーヒー1杯1万円の怪〟「人気の避暑地・長野県軽井沢にあるコーヒー専門店が、1杯1万円のコーヒーを提供し、話題を呼んでいる。どんな味なのか? 売れているのか?」の記事がありました。そういえば『100円のコーラを1000円で売る方法※』とう本もあります。今回は飲み物についてです。

1万円コーヒーは、開店60周年記念の特別メニューで限定60杯!
記事によると「豆は、ジュマイカ産ブルーマウンテンの最高級「ナンバーワン」。これを、特注したカップとソーサー(皿)で味わう。ナンバーワンは通常メニューの800円でも飲めるが、特別メニューだと、カップのセット(1万2600円)を持ち返ることができる。カップ代が高いわけだが、3400円分は「お買い得」となる計算」とか。

これまでの注文は22杯、大半は観光客の「記念日の贈り物」用らしい
このお店は「ミカド珈琲軽井沢旧道店」、1952年にオープンした老舗で、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻が訪れたことでも知られているそうです。旅行者には「記念日の贈り物」とあわせ、記憶に残る飲み物になるのでしょう。一方、お客さまの感性に訴え、100円のコーラを1000円でも安いと思わせるサービスもあります。

リッツカールトンのルームサービスでコーラを頼むと15分待たされる
しかし、運ばれてくるのは、最適な温度に冷され、ライムと氷がついた、このうえなく美味しい状態で、シルバーの盆の上に載ったコーラです。ただし、お値段は1035円。
実際に飲んだ人(著者)の感想は「この美味しさなら、1035円は安いと思いました。でも、中身は普通のコーラと同じ液体なんです。おもしろいですよね」と。

●著者の永井氏によれば、「リッツカールトンが売っているのは、心地よい環境で最高に美味しいコーラを飲めると言う体験です。この体験は他では得られませんから、顧客は値引きを要求しません。そのためコスト削減や規模の大きさは必要ありませんが、とことんまでサービス向上を図ります。これが〝バリューセリング〟です」と。

●マクドナルドのSサイズ100円コーヒーを、値段の割に美味しいというグルメの友人がいます。山本もこのサービスのスタート当初、店頭の路上試飲で味をしめ、都心での研修帰りにお世話になることがあります。1万円のコーヒーと比較すると、この100円コーヒーは、どうやら山本のお財布に語りかけてくるようなのです。

※『100円のコーラを1000円で売る方法』永井孝尚著/中経出版)

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