記憶に残る、感性に訴える、お財布に語りかける、3種の飲み物
8月30日『朝日新聞』夕刊に〝コーヒー1杯1万円の怪〟「人気の避暑地・長野県軽井沢にあるコーヒー専門店が、1杯1万円のコーヒーを提供し、話題を呼んでいる。どんな味なのか? 売れているのか?」の記事がありました。そういえば『100円のコーラを1000円で売る方法※』とう本もあります。今回は飲み物についてです。
1万円コーヒーは、開店60周年記念の特別メニューで限定60杯!
記事によると「豆は、ジュマイカ産ブルーマウンテンの最高級「ナンバーワン」。これを、特注したカップとソーサー(皿)で味わう。ナンバーワンは通常メニューの800円でも飲めるが、特別メニューだと、カップのセット(1万2600円)を持ち返ることができる。カップ代が高いわけだが、3400円分は「お買い得」となる計算」とか。
これまでの注文は22杯、大半は観光客の「記念日の贈り物」用らしい
このお店は「ミカド珈琲軽井沢旧道店」、1952年にオープンした老舗で、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻が訪れたことでも知られているそうです。旅行者には「記念日の贈り物」とあわせ、記憶に残る飲み物になるのでしょう。一方、お客さまの感性に訴え、100円のコーラを1000円でも安いと思わせるサービスもあります。
リッツカールトンのルームサービスでコーラを頼むと15分待たされる
しかし、運ばれてくるのは、最適な温度に冷され、ライムと氷がついた、このうえなく美味しい状態で、シルバーの盆の上に載ったコーラです。ただし、お値段は1035円。
実際に飲んだ人(著者)の感想は「この美味しさなら、1035円は安いと思いました。でも、中身は普通のコーラと同じ液体なんです。おもしろいですよね」と。
●著者の永井氏によれば、「リッツカールトンが売っているのは、心地よい環境で最高に美味しいコーラを飲めると言う体験です。この体験は他では得られませんから、顧客は値引きを要求しません。そのためコスト削減や規模の大きさは必要ありませんが、とことんまでサービス向上を図ります。これが〝バリューセリング〟です」と。
●マクドナルドのSサイズ100円コーヒーを、値段の割に美味しいというグルメの友人がいます。山本もこのサービスのスタート当初、店頭の路上試飲で味をしめ、都心での研修帰りにお世話になることがあります。1万円のコーヒーと比較すると、この100円コーヒーは、どうやら山本のお財布に語りかけてくるようなのです。
※『100円のコーラを1000円で売る方法』永井孝尚著/中経出版)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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