人気の2病院に共通するのは、院長の服装へのこだわり【服装⑦】
社会問題化しつつある看護師不足がウソのような病院があります。「看護師から清掃係まで同じ制服」にしたり、「スリッパ廃止でナースに個人用の靴を用意」するなどのユニークな運営をされているのは、川越市の川越胃腸病院と青梅市の青梅慶友病院です。人気が高く、入院の順番待ち(患者・看護師共)も半端な人数ではないとか。
病院職員の制服が一緒で、会議に“掃除係”“食事係”も毎回出席(※2)
埼玉県川越市の川越胃腸病院では、看護師、薬剤部、お掃除の人などが皆同じ色の服装をして、患者さんに親切でぬくもりある対応をしているそうです。会議には掃除の担当者、食事の担当者も必ず出席するそうです。つまり所属部門はあっても全員がサービススタッフであるという意識で「患者さま第一」に徹して取り組んでいるのです。
●厚労省の指導で「患者さま」と呼ぶようになったりして、最近の医療現場にはかなりの変化があるようです。とはいえ、〝医師第一主義〟は動かしがたい現実でしょう。でも、この病院では医師を含めたチームワークを重視しているように見受けられます。そうした姿勢が、患者さんにもスタッフにもプラスに働いているのでしょうね。
患者さんと医師が、目線を合わせるために、同じ椅子を使う
川越胃腸病院は、患者さんと同じ目線で会話をするために、椅子を医師も患者さんも一緒にしたり、ベッドの高さや設置にも神経を使っています(これには医師や看護師が腰を痛めないことへの配慮も)。こうしたもろもろが評価され、「働きたいから採用してほしい」という看護師の応募があり、いつも「欠員待ち」状態なのだそうです。
病院内はスリッパ禁止、ナースには個人の好みに合った院内専用靴を支給(※2)
青梅慶友病院は、院長・大塚宣夫氏の方針で、病院内でのスリッパが禁止されています。その代わり、ナースの院内専用靴に予算を計上し、職務に応じて、機能やタイプ、デザインの靴を自由に選べるようにしているとのこと。1日中院内でフットワークが要求されるハードなホスピタル・ワークへの、大塚院長の配慮は心憎いですね。
●入院患者数は約800人だそうですが、院内ではパジャマ姿やスリッパを引きずる患者さんの姿は見当たりません。その理由を大塚院長は「努めてオシャレしてもらっているから。病院で決められたものでなく、意識して自分の好きな服や靴を身につけることで、患者さんはよい緊張感を保つことができるんです」。と語られています。
※1:『「サービス」の常識』(武田哲男著/PHP研究所)
※2:『靴を見れば男がわかる』(伊勢丹広報担当監修/同朋社出版)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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