ドレスコードのある職場のほうが勤勉であり生産性が高い【服装⑧】
クールビズの導入から、夏以外でも、オフィスの服装がかなりフランクになってきたように感じます。その一方で、【服装⑦】で紹介した川越胃腸病院は、看護師や薬剤師から清掃係まで同じ制服を着て、アットホームな運営で成果をあげていました。評価の分かれるドレスコードについて、2つの事例から検証してみたいと思います。
ドレスコードのある事業所の方が明らかに勤勉だった(※1)
ある会社では、ドレスコードがある事業所と、ない事業所が混在していました。そこで、2つのタイプの事業所の就業状況を集計してみたところ、勤務態度にかなりの差があることが判明しました。一般社員の就業時間はない方に比べある方が4%多く(技能職では5%も多かった)、欠勤や遅刻も3~5%の違いがあることがわかりました。
ドレスコードを導入すると勤勉になり、生産性も向上した
この結果を受け、規定のなかった事業所にも規定を作り、定着するまでに一定期間を置いて検証したところ、仕事時間は2%増え、欠勤遅刻は15%も改善されました。
この会社の重役の観察によると、社員たちが規定を設けたことで全員活動的になっており、また、中間管理職の仕事ぶりもよくなって、良いことづくめだったとのこと。
●この会社が学んだ教訓は、服装が人間を変えるのではなく、規律ある環境が人間を変えるということでした。ドレスコード支持派には心強い事例ですね。制服を廃止するところも多いように聞きますが、ITベンチャーを除けば、多くの日本企業もドレスコード規定があります。でも、中には伝統のある企業でもこんな例が・・・。
フリーな服装の代表格は広告代理店業ですが、その実情は・・・
博報堂OBの方が書いた『大手広告代理店のすごい舞台裏(※2)』の中に、〝スーツは戦闘服である〟として、 広告代理店マンの身だしなみの記述があります。ドレスコードを考える上で大いに参考になると思いますが、同じ社内で、こんなにも落差があり、それでいてモラルが保たれているところはさすがと言わざるを得ません。
営業:スーツ9割
マーケティング:スーツ3割。ジャケットなどカジュアル7割
SP(セールスプロモーション):カジュアル9割
媒体:スーツ8割
制作:カジュアルまたはTシャツ9割
営業マンが出入りするのはほとんどが得意先本社の宣伝部や広報部であり、当然他部門の方の視線もあるので納得です。媒体もメディア関係との接触が多いのでしょう。これとは好対照な制作では、春夏秋冬、Tシャツとサンダルで過ごしている人もいるそうですから、クリエイティブな部門ではドレスコードは無用の長物のようです。
※1:『ビジネスマン成功のための服装学』(ジョン・モロイ著/ジャテック出版)
※2:『大手広告代理店のすごい舞台裏』(本間龍著/アスペクト)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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