ショルダーバッグを、イミテーション・ジュエリーを創出したシャネル
「モダン・ライフに適した実用性と機能性、そして遊び感覚」が、シャネルの真髄なのだそうです。日常に欠かせないファッションの多くが、シャネルによって世に送り出され、今日もその輝きを失うことがありません。6月27日にシャネルを取り上げましたが、前回のバッグに関連した話なので今回はシャネルの続編です。
「ハンドバッグを手に持っていると疲れちゃうし、よく失くすもんだから」
だから「革紐をつけて肩からさげたの。そうしたら、みんなが真似したわ」とシャネルは語っています。華やかなファッションの中心にいたと思われがちですが、シャネルのデザインに対する考え方の中心は実用性第一でした。彼女が初期にデザインした服(足元の見えるスカートなど)は、女性の社会進出を大いに助けたといわれます。
●電車通勤時、携行しているのがショルダーバックでなかったら、携帯でのメールやタブレットでの情報アクセスは大変でしょう。また、ビジネスマンのショルダー形式のバックは、網棚への置き忘れ防止(特に一杯飲んだ帰り)効果大です。実用第一主義だったからこそ、シャネルの発想は現代に生き続けているように思われます。
私がつくるものは、ひどい偽者だけど、本物よりもずっときれいだわ
イミテーション・ジュエリーをモードとして世に送り出したのもシャネルでした。宝石の高価さが、おしゃれと同価値ではないことを証明するために、周囲の反対を無視して製品化したそうです。一説には、その動機となったのは日本の真珠だったとか。だとしたら、神秘の輝きが、シャネルに素晴らしいアイデアをもたらしたのですね。
「出かける前に、何かひとつ外したら、あなたの美しさは完璧になる」(シャネル)
「たくさんの色をつかえば使うほど、女はかえって醜くなるということに女たちは気がつかない」(シャネル)。この考えを具体化したのが「黒一色にしてみせる!」の決意から生み出されヨーロッパを席巻した、黒のレディスーツでした。当時、喪服のみに用いられていた「黒」を、ファッションとしてデビューさせたのです。
ジャージー(メリヤス)を下着からドレスに大変身させたのもシャネル
ジャージーは、ラクビー・サッカーの試合のユニフォームですが、今日の一般的なジャージーの理解は、スポーツや軽い運動、部屋着に気楽に着られる、スェット系のものを指すようになりました。でも、「ジャージーなんて、当時は下着にしか使われなかったのよ。私がジャージーに、上着になる栄誉を与えたってわけ」とはシャネルの言。
●改めてシャネルの時代の改革者としての姿が見えてきました。自ら夜のデートを楽しむため夜用のモードを作った(当時の婦人は夜外出することが無かった)のは素敵ですね。彼女の「モードは服にだけあるものではなく、空気の中にもあって、風も持ってくる。空にも歩道にも、どこにでもある」。この言葉で今回を締めくくります。
『女を磨くココ・シャネルの言葉 正・続』(高野てるみ著/マガジンハウス)
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