クリスマスプレゼント② もらって嬉しいのは現金! でも、それ以上に価値のある贈り物とは
前回『賢者の贈り物』を取り上げましたが、『クリスマス・キャロル』も定番ですね。文豪ディケンズが、クリスマスを舞台に人間の愛と善意をペーソス溢れる筆致で描いた世界的名作でした。この本を読むと、欧米人にとってクリスマスが特別の日であることがよくわかります。そして今回は現実的なクリスマスプレゼント事情です。
買ったものには半分以上が満足。もらったものは3分の1しか満足しない
ジョエル・ウォルドフォーゲル(『プレゼントの経済学』の著者)が2002年から4回行った調査によると、自分で買ったものの半分以上については、払った金額以上の満足を感じるそうです。しかし、もらったものの価値を、買った人(贈り主)が払ったであろう金額より高く評価するケースは全体の3分の1でしかありませんでした。
プレゼントに支払った額を、もらった側は18%少なくしか感じない
2007年1月と2008年1月にペンシルベニア大学ウォートン校の学部生を対象に調査を行ったところ、もらったプレゼント対する評価ほぼ同じ(18%低く感じる)になりました。つまり、贈り物に費やした支出がもたらす満足は、自分のために費やす支出がもたらす満足より、1ドルにつき18%少ない(82セント見合い)ということになります。
支出見合いでクリスマスプレゼントはどのように評価されるか?
日頃疎遠なおじさん、おばさんからの贈り物の満足度は平均値を下回る(80セントと75セント)。一方で親からの贈り物は97セント、友人からの贈り物は91セント。贈り主として優秀なのは兄弟と恋人・配偶者で、それぞれ99%と102セントでした。頻繁に会う贈り主からの歩留まりは平均96%なのに対し、半年に1度では86%に落ちます。
喜ばれないプレゼントは、価値を破壊する行為だといわれています
贈り主の支払った金額に対して、もらった側が82%しか価値を見出さないのですから、経済理論ではプレゼントそのものを経済価値の破壊と定義するのだとか。ちょっと極端な見解のようにも思いますが、一度も袖を通さず、ワードローブに吊るされたままの衣類やネクタイのことを思うと、確かにそういえるかもしれませんね。
現金以上に喜ばれるクリスマスプレゼントのキーワードは「探索」と「承認」
自分が欲しいものを探すより、他人が欲しいものを「探索」するほうが普通は大変ですから、探しても見つからなかったものをもらったときの喜びは大きくなります。また、欲しいものを買えずにいるご主人が、クリスマスに怖い奥さんから(山本の見解ではなく出典にそうあります)もらう「承認」も、同じくらい価値があるそうです。
『プレゼントの経済学』(ジョエル・ウォルドフォーゲル著/プレジデント社)
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