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2012年12月26日 (水)

販売促進のテクニック③ 倒産の危機にあったサンフランシスコの紳士服店の再生物語

洋品店のプッシュ型販売テクニックには乗せられないように、というのが前々回の教訓でしたが、今回はこれとは正反対のプル型アプローチで危機を乗り越えた紳士服店のお話です。そして、【服装】シリーズの締めくくりは、新年から始めるシリーズへの橋渡しを兼ね、香りで紳士服、婦人服の売り上げが変わるという実験からです。

3つのアイデアと、そのシナジー効果で紳士服店は蘇った(※1)
その店の経営状態は、ほとんど赤字になるくらい傾いており、店のオーナーは、店をたたむかどうかの岐路に立たされていました。そこで中小企業専門のコンサルタントに「お金をかけずに、何とか巻き返しを図りたい」とアドバイスを求めたのです。
コンサルタントは店を観察した後、いくつかのことをオーナーに助言しました。

1つのアイデア効果は5%だったが、3つ並行すると売上高が30%UP
1.店の全ての商品を並べ替える。その期待効果は新しい商品が入ったように見える。
2.開店時間を10時から7時半に変える。その狙いは、立地が出勤途上のビジネスマンが通る道であるところから、彼らが急に必要となったニーズ(重要な会議のために これだ!と思うようなネクタイ、厚手のコートや傘)を満たすため。

カラフルな熱帯魚は従業員の遊び心を喚起、お店に活気が出てきた
3.熱帯魚の入った大きな水槽を買う。その狙いは店舗を目立たせることにありましたが、この施策は店員たちの遊び心を刺激しました(水槽にハシゴをかけると、その上のマネキンが魚を食べているように見えたり…)。3つの要素は各5%の売り上げを伸ばす効果があり、これを一緒に実施したことで30%の売り上げ増となりました。

売り場半分が紳士服、残りの半分が婦人服の店舗での香りの実験(※2)
ワシントン大学経営学教授エリック・シュバンゲンベルクらが行った研究があります。2週間の実験期間を通して、店内は交互に2種類の香りで満たされました。どちらも強さと心地よさは同じレベルだったのですが、一方は女性的なバニラの香りで、もう一方は男性的なローズ・モロッコの香り(スパイシーで蜂蜜のような香調)でした。

バニラの香りが漂っていると、婦人服の売り上げは増えたが・・・
紳士服の売り上げは減りました。しかし、ローズ・モロッコの香りを使用した場合は、逆の現象が起きたのです。自分の性に適した香の中で買い物をしたお客たちは、平均1.7品を購入し、55.14ドル支払いましたが、異性に適した香の中で買い物をした人たちは0.9品を購入し、23.01ドルを支払ったに過ぎなかったのです。

※1:『仕事は楽しいかね』(デイル・ドーテン著/きこ書房)
※2:『匂いの人類学』(エイヴリー・ギルバート著/ランダムハウス講談社)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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