販売促進のテクニック① 本当に〝牛に化粧品を売った〟岡山のスーパーウーマンのお話
岡山県の安達太陽堂専務取締役の長谷川桂子さんは、カネボウ化粧品の専門店向けブランド「TWANY」で、12年連続売上日本一を達成し殿堂入りした化粧品販売のプロ中のプロです。この方が、花子という牛さんに毛ヅヤが良くなる毛髪スプレーを売ったエピソードをタイトルにした本があり、手にしてみました。それが面白いのです。
「花子(牛)の毛にツヤを出したいんじゃ。どうにか、ならんかのう」
そこで長谷川さんがお店の棚から毛髪スプレーを持ちだし、「人間の髪の毛の主成分はタンパク質です。牛の毛も同じタンパク質です。これをつければ、花子ちゃんの毛ヅヤもきっと良くなると思います」。そして毛髪スプレー1本1800円が売れました。ちなみに、この2~3日後の地方新聞に、品評会で〈花子優勝〉の記事が載ったそうです。
●長谷川さんは従業員に、髪を切ったお客さんへは、「髪切ったんですね」ではなく、「すごくチャーミングですね。髪、切ったんですか?」、もしくは「お客様、今日はとってもシャープな感じで素敵ですね。あら、髪切ったんですか」などの話し方を教育なさるとのこと。以下、ご本に登場する興味深い話題を3つ紹介いたします。
はじめての(なじみの薄い)来店客には“三分咲きの笑顔”がお薦めと
まだ関係ができあがっていないお客様(明らかに初めての来店客など)に対して、長谷川さんが心がけているのは、三分咲きの笑顔だそうです。時々、デパートの化粧品売り場で満面の笑みで声をかけてくる販売員さんがいますが、彼女は「私とあなたって、どこかであったかしら、と逆に不信感を抱いてしまう。」と書かれています。
結婚指輪を左手の薬指にする理由は、意外にも・・・
交感神経は身体の動きを活発にし、副交感神経は落ち着かせます。交感神経に直結しているのは薬指です。特に心臓に直結しているのは左手の薬指で、ここを刺激すると、人間パッと目が覚めるそうです。ですから、結婚指輪は「浮気しちゃいけません」と薬指にはめるのだ、と書かれています。これってホント、それともジョーク!?
世界一といわれるカネボウの高級エンジングクリームは、何と12万円!
カネボウ「TWANY」ブランドには世界一高いといわれ、たった40グラムで12万円する高級エンジングクリーム「トワイニー・センチュリー・セルリズムP」があるそうです。毎年12月に限定予約販売をするそうですが、これを毎年30個お買い上げいただいているとのこと。女性の美に対する願望は止まるところがないようですね。
『牛に化粧品を売る』(長谷川桂子著/幻冬舎)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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