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2012年12月20日 (木)

販売促進のテクニック② 高い品物を買わせるお店のテクニック、させられてしまうお客の心理

ある男性がファッショナブルな店に入って、三つ揃いのスーツとセーターを買おうとする場面を考えてみましょう。もしあなたが店員さんだとしたら、そのお客の財布のひもを最大限ゆるめるために、どちらの品を最初に見せるでしょうか。商売上手が経営する洋品店では、この場合の望ましい対応として次の順番を指導しているそうです。

洋品店は スーツとセーターの買い物客には、まずスーツを勧める(※1)
常識から考えると、逆のような気もします。スーツを買うために大金を支払ってしまうとお財布が軽くなり、セーターを買うのを躊躇するのではないかと・・・。しかし、さすがに洋品店の方が上手なのです。彼らは価格のコントラストが買い物客のお財布のヒモを緩めることを知っていて、高いスーツを先に買わせるのです。

店側にコントラスト効果で揺さぶられると、買い物客はなびいてしまう
次にセーターを選ぶ段になると、どんなに高いものでも、スーツに比較すればさほど高くないように感じてしまうのが人間の心理です。セーターに7千5百円を支払うことに躊躇(ちゅうちょ)する男性でも、もし5万円のスーツを買ったばかりであったら、7千5百円という金額をそれほど高いと感じることはなくなってしまいます。

●山本の経験談で恐縮ですが、出張での研修の帰り、空港の待ち時間に買わなくてもよさそうなお土産についつい手が伸びてしまいます。緊張の糸が切れ、気が緩んでしまっているためです。この状態を「テンション・リダクション」と呼びます。この無防備状態につけこむのも商売の秘訣のようで、マーケティングでの応用例は多いようです。

「テンション・リダクション」は、高額商品の場合に顕著に現れる(※2)
人はモノを購入するときには、しっかりと検討を重ねて慎重に決断をします。しかし、一旦購入を決めてしまったあとは、緊張が緩んで無防備な状態になるわけです。そういった瞬間を狙って、「こちらの商品もいかがですか?」と勧められると、意外と簡単に買ってしまうことがあります。これは、高額商品に顕著に表れる傾向だそうです。

●友人によると、車を購入する際に、決断した後に色々なオプション装備などを勧められると、高額の買い物をした後だけに、数万円のオプションであっても安く感じてしまい、つい買ってしまうと言っていました。実際、車のディーラーさんは、こういった手法で利益を上げていることがわかっていても、歯止めがかからないのですね。

※1:『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著/誠信書房)
※2:『Webマーケティングのブログ「マケラボ」』より

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