カリフォルニア大学に語り継がれる「みすぼらしい服装」についての教訓
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昨年11月以降、山本の「木の葉ブログ」のキーワード検索に「みすぼらしい 服装」が登場し始め、12月に入ると毎日検索されるようになり、狐に鼻をつままれたような気分でした。ところが、年末JRの電車の中で見た書籍広告で、「アッ! これだ!」と、鈍感な山本にも、どうやらその原因がわかったのです(多分ですが…)。
電車の壁面「書籍広告」は『スタンフォードの自分を変える教室』でした
だいぶ昔の話(1860年代)になりますが、現在のカリフォルニア大学にみすぼらしい身なりの老人がやってきて、学長との面会を申し出たのだそうです。貧相な身なりを不審に思った職員は、この老人の願いを受け入れずに追い返したのでした。でも、しばらくしてから、それが大きな誤りであったことに大学全体が気付かされます。
名門スタンフォード大学は、みすぼらしい服装の老人の寄付で誕生した(※1)
その老人の名はリーラン・スタンフォード。大陸横断鉄道の一つセントラルパシフィック鉄道の創立者で、カリフォルニア州知事も務めた人でした。彼は、夫人とも相談し、早逝した一人息子の名前を後世に残す目的で、自らが築いた巨万の富を大学に寄付するつもりでカリフォルニア大学にやってきたのでした。
スタンフォード大学はスティーブ・ジョブズ有名な講演の舞台でもありました
しかし、カリフォルニア大学で門前払いを食ったくらいで初志は変わりません。その後、ハーバート大学の学長の助力も得て、名門スタンフォード大学(Yahoo!やGoogleの創始者のような起業家を多数輩出)が1891年に誕生しました。カリフォルニア大学のOBによると、この逸話は戒めとして今日も同大学で語り継がれているそうです。
初対面の人を判断するのに6段階を踏めば間違いは少なくなる(※2)
D・J・シュナイダーらの研究によると、初めて会う人を見るとき「注意」「連写判断」「帰属」「特性推論」「印象形成」「将来の行動予測」の6段階を踏むのだそうです。
カリフォルニア大学の職員に限らず、私たちも同じ過ちをしていることがあると思います。そうならないためには、せめて6段階を経てから判断するようにしたいですね。
注意:存在に注意を向ける段階→連写判断:注意段階でカテゴリー化された外見や行動から判断→帰属:その人の行動を推測する段階→特性推論:ある特性から、その人の特性を推測→印象形成:認知されたいくつかの性格特性から判断→将来行動の予測:得られた情報を統合し、その人がある特定の状況のとき、どう行動するか予測。
※1:『小さな会社の大きな仕事』(坂本光司著/同友館)
※2:『あなたは人にどう見られているか』(松本聡子著/文藝春秋社)
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