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2013年2月 4日 (月)

教師と学生(生徒)の非言語的関係性(3)

研修フォローシリーズの最終回です。今回のテーマは教師の役割です。受講いただいた先生方はご存知のことばかりでしょうが、こんなにも大変な役割を背負っていらっしゃることを、生徒として教えて頂く側の保護者の方たちにも知っていていただきたいと思いました。研修を担当した講師からの“エール”のつもりで付け加えた次第です。

「8+1」の役割を求められる教師
参考文献に《教師の役割》が書かれています。スピーカーとしての教師、モデレーターとしての教師、トレーナーとしての教師、マネージャーとしての教師、コーディネーターとしての教師、コントローラー、スーパー・バイザー、ヘルパーとしての教師です。各役割について本文から抜粋し、最後にエンターテイナーの追記があります。

スピーカーとしての教師:《教師が情報を与える等役割を想定し、構造化された予定表にそって話をする時はいつでも、彼あるいは彼女は講師(lecturer)となる。この状況では、スピーカー(speaker)が発言権を握る。聴き手の注意を維持することは、スピーカーの責任である。》

モデレーターとしての教師:《閉じられた質問では、教師は教育者―学生(生徒*)の相互関係に主要な焦点を置いたままである。教師がモデレーター(moderator)の役割にたち返り、真の議論の雰囲気に焦点を移すという点で、もっとも効果的な方法は、開かれた質問をすることである。開かれた質問は分析、統合、応用目的をねらいとする場合、とくに適切である。》

トレーナーとしての教師:《高い技術を持つ学生(生徒)を指導する教師やトレーナー(trainer)は、その性質上、訓練プログラムでの動作の特定要素を分離し、それぞれに取り組む名人である。競技ゴルファーのトレーナーは、調整を乱すような手首の小さなひねりを解消することに取り組むであろう。》

マネージャーとしての教師:《小集団教育での教師の役割は、情報資源と人員のマネージャー(manager)である。マネージャーとして、教師は当面の課題を明確に定め、スケジュールに関する指針と、課題を完成させるために必要なさまざまな段階の構成を提供すべきである。》

コーディネーター(coordinator)としての教師:《情報資源ベースの指導を効果的に使用するための鍵は、情報資源が指導の目的を拡充するためにいかに用いられるかを正確に知ることである。情報資源の形式が何であれ、教師は授業でそれを使用する前にそのすべてを経験しておき、それを効果的に使用するめに計画を調整すべきである。》

コントローラー、スーパー・バイザー、ヘルパーとしての教師:《教師は、学生(生徒)たちに特定の行動や知識を身につけさせることによって、コントローラー(controller)として行動する。教師は、学生(生徒)たちの行動を選択し、何が学生たちの責任であるかを判断することによって、スーパーバイザー(supervisor)として行動する。そして教師者は、学生(生徒)に感情や気持ちを理解したり、表現することを促すことによって、ヘルパー(helper)として行動する。》

エンターテイナーとしての教師:《われわれはこのリストに、もうひとつの教師の役割を追加したい。それは、エンターテイナーとしての役割である。教師は教材を興味深く、おもしろい方法で提示する方法を知っていなければならない。これによって、学生(生徒)たちはより注意を向け、長く記憶することができる。》

教師の多くはコミュニケーション(非言語を含め)教育を受けていない
《教室内での効果的なコミュニケーションは、社会の中で最もむずかしいコミュニケーション課題であるかもしれない。驚くべきことに、コミュニケーションの集中的な訓練を受けた教師はほとんどいない。多くの教師は話し方教室の入門クラスぐらいしか受けたことがないし、それすら受講したことのない人が多い。》

●教師が役割を果たすに際して、最も効果的な方法が、Yes・Noのような二者択一の答えしかない「閉じられた質問」ではなく、回答者によってそれぞれ異なる答えが期待できる「開かれた質問」をすることにあるとのことですが、このようなコミュニケーションの基本が、かなりの行数で書かれていることに山本は驚かされました。

教師の非言語行動を映したビデオで、評価が判断できるかの実験(参考文献)
本職の講義や授業以前に、教師は非言語行動で瞬く間に学生や生徒に評価されているという、恐ろしい実験結果があります。概略は、学生たちに大学と高校の教師たちの10秒間のビデオ映像を見せ、非言語行動と身体的魅力を評定してもらいます。そして、「さらに短い(5秒、2秒」ビデオ映像」を見せ、同じ評定をしてもらいました。

「たった2秒で印象形成がなされてしまう」という恐ろしい調査結果
この結果は驚くべきものでした。10秒・5秒・2秒の条件間で、判断の正確さには有意な差が見られなかったのです。さらに、2人の教師間でも判断の正確さに有意な差は見られず、また、30秒の条件(10秒を3回)と6秒の条件(2秒を3回)との間にも有意な差は見られませんでした。印象形成はたった2秒でかなり正確になされました。

●第一印象を語る際、視覚の影響力が55%(声38%、言葉7%)との「メラビアンの法則(※2)」がよく用いられます。この法則に信憑性があれば、視覚で判断されるのは体型を含めた非言語情報です。教師の多くが、その影響の大きさを知らずに教壇に立っていたとすると、ボタンの掛け違いは初日スタート時点で生じることになります。

参考文献:『非言語行動の心理学』(V・P・リッチモンド&J・C・マクロスキー著/北大路書房)
※2:「メラビアンの法則(1~19)」〈木の葉ブログ〉2010年11月27日~2011年4月9日

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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